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それでは
どうぞ!!
『どちらかが相手に関するすべての記憶を消さないと出られない部屋』
__制限時間は30分。部屋の中央にあるボタンをどちらかが押すことで部屋から出ることができる。ボタンを押した人は
“その相手に関するすべての記憶を失くし“
失神するが命に別状はない。押さなかった側の記憶は変わらないまま。ただし、制限時間を過ぎた場合2人とも失格となり即射×されます。
🩵🤍ver
柚葉side
目が覚めると温かみのない真っ白な部屋にいた。
隣には最愛のくれあ。
🩵「くれあ。、起きて」
🤍「うん、?…ここ、どこ?!」
🩵「分からない…でも私たちはあれをしないと出られないみたい、」
🤍「へ、?…」
私が指差した先にはテレビのようなものと特徴的なボタン。
🤍「え、ちょ…は?」
🤍「これって、部屋から出られる代わりにどちらかがその人に関する記憶がなくなるってこと、!?」
🩵「多分、そう…いや、絶対」
🩵「ボタンを押した方が相手についての記憶を失っちゃうんだ、ね」
🤍「そんなの訳わかんない!!」
くれあが膝から崩れち、涙を流す。
🤍「どっちも、いやだ!」
🤍「私の記憶からゆずがなくなるのも、ゆずの記憶から私がいなくなるのも、!!!」
そんなの私だって嫌だ。
私たちが過ごしてきた時間は、思い出は……?
くれあとの全ての記憶を失っちゃうなんて、到底耐えられない。
🩵「うん、私だって…嫌だよ」
🩵「で、でも…」
この部屋から出られないのも困る。
『どうせ出られるなら、、もう。』と自分に言い聞かせる。
くれあは、…ここで×んでいい人間じゃない。
🤍「じゃ、じゃあ!!どうすればいいの、…」
居ても立っても居られなくなってくれあを抱きしめる。
くれあの前では強くありたいから、…頼れる彼女でいたいから。
私は目から流れるものを我慢してた。
こんな時でも制限時間は着々と迫ってきている。
なんで、誰が私たちをこんな目に、。?
どっちも嫌だよ。
ーーー
ねえ、くれあ。
いっつもそばにいてくれたよね。
私がボタンを押すって言ったら必死に止めるよね。
でもね、くれあ。もし記憶がなくなったら、きっと貴女は耐えられない。
🩵「私が押そう…、」
🤍「へっ、?!」
私の言葉に嘘はない。
抱き締めていた体を離し、きちんと向き合う。
🩵「そう、思ったよ。」
🩵「記憶を失ったら、きっとくれあは耐えられない。」
🤍「ゆず、ねえ。待って」
🩵「大丈夫。そんな事になるくらいなら私が…って、笑」
🩵「でもね、くれあ。結局はどちらかが抱え込むんだよ。私はそんなくれあをみたくないの。」
🩵「ほら、私運がいいし、思い出すかもでしょ?」
ああ、そんな顔しないで、…
そんな表情されたら決心が崩れるよ。
🤍「分かった、だから…は、早くっ。おして」
私は立ってボタンのあるところまで行き振り返る。
するとくれあは私から体ごと逸らしていた。
🩵「くれあ。お願い、こっちきて、」
出来るだけ震える声を恐怖を抑えて優しく伝えた。
くれあは頬を伝う涙を拭ってこっちに振り向いた。
🩵「くれあ、そんな顔しないで。貴女には笑顔が似合うんだから」
🩵「大好き。愛してる。」
🤍「そんなこと、!!言われたらっ、…」
🤍「残された方は、どうやって…!!!!」
🩵「愛してる。心から」
🤍「ゆず、!!!!私もっ」
🩵「ごめん。」
ーーー
目が覚めると何も無い白いコンクリートに囲まれた部屋にいた。
私の隣には___
🩵「誰ですか、?」
🤍「…、ゆ、ずっ。」
🤍「一旦、出ましょうか。」
泣いていたのか、目の前に居る人は少し目が腫れている気がする。
簡単には開きそうにない鉄の扉が開く。
🩵「ここは、どこ…?」
🤍「マネージャーさんと、都愛には連絡しましたから。」
🩵「え、?都愛。都愛のご友人なんですか?」
🤍「、…私。ッはこれで」
そう言ってどこかへ行こうとするその人を引き止める。
🩵「あ、あのッ!!!お名前は?」
🤍「くれあ、です。」
そう言って振り返りもせずその人は去っていった。
🩵「くれあ、、」
もうあの人の背中は遠く、もうすぐ見えなくなってしまうところに居た。
私の記憶にあの顔とあの声、あの名前に一致する人はいない。
でもなぜか__
知っている人だった気がする。
覚えてなきゃいけない人だった気がして
1番近くて遠い気がして______
end…