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時刻は夜、冷たい風が吹き荒れる街。

ボクの目の前には、美しく着飾った女がいた。

「初めまして元知能天使さん。わたくしノクアと申します」

丁寧にお辞儀をし、気持ち悪く微笑む。

後ろにはルカスとラムリが立っていた。

「久しぶりだね、ベリアン、主様…いえ、今はウトと呼んだ方が良いですかね」

「元気そうで良かったです!でも…今は元気じゃない方がこっちとしては良かったかも」

ナックを見るような目で見るラムリ。ボクはここまで嫌われたのかと思うと、少し悲しくなる。

けれど…今、後ろにはベリアンがいる。

一番最初に出会った執事であり、ボクのことを一番大切に思ってくれる優しい人。

「ナナ様をどうする気ですか?」

殺気に満ち溢れた目で見るベリアン。

「ふふっ、決まっているでしょう?生け捕りよ」

自信に満ち溢れた表情かおを見て、寒気がした。

手にはクナイ。あれはきっとボクやベリアンを傷つけようとするものじゃない。ボクを捕まえて、脅す用に使うのだろう。

そうすると、ベリアンがボクを奪還しようと必死になるだろう。そこを捕まえて…からの事は分からない。

『させない。ボクの大切な執事を奪うなんてことは!』

ボクは天使だ。でも、知能がある。

そいつが思っているようなことは絶対にさせない。


「はぁっ、はぁ…はぐれないでって言ったのになんで先に行っちゃうの…」

「ここにもおらんのか…一体どこに…」

「ナナ様ー!いたら返事をしてくださーい!」

そう、見ての通り俺たちは迷子になってしまった。

そりゃあ最初はナナちゃんと一緒に宿を飛び出した。

そしたらナナちゃんが「すみません!先に行きます!」とか言って飛んでどこかに行っちゃったんだよ!

ベリアンはルカスさんとラムリさんの様子を見るって先に走って行ったけど… なんでナナちゃんまで…。


「結構探しましたけど…見つかりませんね」

ムーちゃんも頑張って探してるけど、見つからない。

…ふと、最悪の場合の出来事が頭によぎった。

ナナちゃんが…主様が倒れて発見された時、俺はどうすればいい?

絶望のどん底に突き落とされて、悪魔化しちゃうかもしれないんだよ?

そんなの、ナナちゃんだっていやでしょ?

俺が理性を無くして暴れ回るの…俺だっていやだよ。

ねぇ、そこの角からひょこって現れてくれないかな?可愛い笑顔で俺の事見てさ、いっぱい俺を癒してよ。

…お願い、ナナちゃん…。


「…れん、べれん、ベレン!起きろ!」

「…え?」

気がつくと、目の前にシロがいた。

足元にはムーちゃんが心配そうな顔で俺の顔を見ている。

「大丈夫ですかベレンさん!さっきベレンさんぼーっとしてたんですよ!」

…あ、そっか。俺、ずっと主様のこと考えてた。

今はもちろん、目覚めた時からずっと…頭の中はほとんど主様のことばかり。

聡明な悪魔執事の主でもあり、元々はとても賢い知能天使でもあり…愛してる存在でもあるナナちゃん。

「大丈夫だよ。それより、ナナちゃん探しに行こ」

「ああ」

「もちろんです!」

君がいないと、俺は生きていけない体になっちゃったみたい。


「ふふっ、ルカス!もっと暴れてもいいのよ!」

「これ以上は汗をかいてしまいます。けれど…そうですね、久しぶりに本気を出しましょうか」

ルカスの鎌を振るスピードが速くなる。

ボクもなんとかサポートしているけれど、ベリアンは押されている。

…やっぱり、数のせいなのだろうか。

「ルカス様天才です!ボクも負けていられません!」

2人とも、ベリアンを追い回しているだけで天使狩りをするように、殺そうとしているというわけではない。

生け捕りというのは、本当だったようだ。

そして、ボクも新しい主と戦っている。

創作の能力を使って、槍を創り、応戦してるけれど…槍も以外と重いし、慣れていないせいか扱いずらい。

「これで…終わりよ!」

槍が弾き飛ばされた。

『大丈夫…もう一度…!』

「させないに決まってるでしょう!」

クナイを投げ、邪魔をしてくる。

これでは新しい槍が創れない。

ベリアンは、ルカスの相手をしていてこちらに気づくことは出来ないだろう。

ベレン達は…置いてきてしまった。

ボクの勝手な判断で、ベレンさん達だけ残しておくなんて情けない。

けど、 助けて欲しい…。

一人で勝手に行って結局ベレンさん達の力がないとダメなんて… 本当に情けない。

『…たすけて、ベレンおにいさま…っ』

ノクアの手が私の腕をを掴もうとした時、その手を止めるように、ベレンさんが現れた。

「うん、分かったよ。ベレン兄さんが助けてあげるね」

目尻には、涙が溜まっていた。

心配をかけてしまったのだろう。

ごめんね、ベレンさん。


あの後、新しい主はルカスとラムリを連れてどこかに消えてしまった。

まぁ、どうせ行き先はデビルズパレス。

これから一生行かないところだ。

「主様〜!心配したんですからね!」

『ふふっ、ごめんねムーちゃん』

ムーちゃんも心配していたことを知り、もうこれからは勝手な行動はしないと誓った。

それに…。

「行き先を教えず勝手に行動するな。わかったな?ナナ」

シロに2時間説教されてシロの凛々しさと怖さを感じたので、この誓いは岩のように固くなった。

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