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【彼女がわざと嫉妬させてきたら】
友人との飲み会で、隣の席の男友達と少しだけ距離を縮めて話す。
――わざと。
視線の先には、テーブル越しにこちらを見ている吉沢亮さん。
その瞳が少しずつ冷えていくのがわかる。
家に帰ると、玄関をくぐった瞬間、
背中が壁に押し付けられた。
「……楽しかった?」
低く落ちた声。笑っていない。
「うん、まあ…」と答えると、
彼はわずかに口角を上げた。
でもその笑みは甘くなく、捕まえた獲物を逃さない狼のそれだった。
「へぇ……俺以外の男に、あんな距離で話すんだ」
耳元に落ちる声が、ぞくりとするほど低い。
「……やきもち?」とわざと挑発してみると、
次の瞬間、腰を引き寄せられ、逃げられない距離に閉じ込められる。
「そうだよ。で――倍返しする」
唇が触れたかと思えば、すぐに深く奪われる。
息を奪うほど長く、強く。
手が背中をなぞり、そのまま抱き上げられる。
「俺の前じゃ、そんな顔できなくなるまで……覚悟しといて」
囁く声に、体の奥まで熱が広がっていった。
抱き上げられたまま、彼の部屋に運ばれる。
足先がシーツに触れると同時に、彼の影が覆いかぶさってきた。
「……さっきの笑顔、全部忘れさせてやる」
低く囁くと、頬から首筋へ、ゆっくりと唇が落ちていく。
声が漏れそうになるたび、
「我慢しないで」と耳元で意地悪く囁かれる。
指先が髪をそっとかき上げ、視線を絡め取られる。
その瞳は完全に獲物を捕らえた捕食者のそれ。
「俺が一番だって、ちゃんと覚えさせる」
その言葉と同時に、深い口づけが落ちる。
何度も、何度も。
呼吸も思考も、全部彼のペースに持っていかれ、
抵抗する隙なんて一瞬もなかった。
最後に唇を離し、
「……これで、もう他の男に笑えないね」
と満足そうに微笑む彼に、心も体も完全に掴まれていた。