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#からぴちBL
璃寧_
1,318
夢来(ゆら)
『限界ホストは癒されたい』
第8話「僕だけを見てほしいなんて。」
※この作品は創作です。
※ご本人様とは一切関係ありません。
※苦手な方は閲覧をお控えください。
〜なおきりside〜
午後6時。
no「……はぁ」
パソコンの画面を見つめながら、小さくため息をつく。
tt「……なおきりさん?」
no「……はい?」
tt「……今日、何回目や?」
no「……何がです?」
tt「ため息!!」
no「……え?」
hr「……確かに、今日は多いよね笑」
mf「……仕事、進んでる?」
no「……もちろんですよ!」
……そう。
仕事は、ちゃんとしています。
ただ。
少しだけ。
……気になることがあるだけで。
僕は、机の上に置いたスマートフォンを見つめた。
昨日のメッセージ。
『……俺も』
no「…………」
……ふふっ。
たった三文字。
それなのに。
何度見返しても、嬉しくなってしまう。
tt「……あーー!!」
no「……っ!?」
tt「今、笑ったやろ!!」
no「……え?」
tt「絶対ゆあんくんや!!」
hr「……分かりやすいですね笑」
mf「……恋してるね」
no「…………」
……恋。
昨日。
初めて自覚した、この気持ち。
まだ。
どう扱えばいいのか、分かりません。
tt「……今日も行くん?」
no「……そうですね」
hr「……また指名するんですか?」
no「……もちろんです!」
mf「……即答」
tt「もう常連やん!!」
no「……ふふっ」
……だって。
会いたいんです。
昨日も会ったばかりなのに。
もう。
あの笑顔が見たくなっている。
……本当に。
困ったものですね。
〜ゆあんside〜
午後7時。
ya「……よっしゃーー!!」
dn「わっ!?」
ur「……うるさ」
ya「今日も頑張るぞーー!!」
dn「ゆあんくん、元気だねぇ!」
ya「当たり前だろ!!」
ur「……昨日と全然違うじゃん」
ya「……は?」
ur「昨日、ずっとなおきりさんの話してたくせに」
ya「……っ!!」
dn「……あははッ!」
ya「ち、違うし!!」
ur「……何が?」
ya「……なんでもねぇ!!」
……くそ。
なんでこいつら。
いちいち覚えてんだよ!!
俺は、ロッカーからスマートフォンを取り出した。
……通知。
なし。
ya「…………」
……なお兄。
今日は来るのかな。
昨日。
あんなメッセージ送っちゃったし。
『……俺も』
…………。
ya「……っ!!」
……思い出すな俺!!
ur「……顔赤いけど」
ya「赤くねぇ!!」
dn「……なおきりさん?」
ya「ちがあああう!!」
……もう!!
ほんっと!!
スタッフ「ゆあんさん!」
ya「……はい!?」
スタッフ「ご指名入りました!」
ya「……っ!」
……え。
もしかして。
スタッフ「初めてのお客様です!」
ya「…………」
……あ。
違った。
ya「……了解でーす!!」
……いやいや。
何、期待してんだよ俺。
仕事だぞ。
ちゃんとしろ。
俺は、軽く頬を叩いた。
ya「……よし!」
今日も。
最高の接客をしてやる!!
〜なおきりside〜
午後8時。
店の扉を開く。
スタッフ「いらっしゃいませ!」
no「……こんばんは!」
スタッフ「青井様!本日もありがとうございます!」
no「……ふふっ、こちらこそ!」
スタッフ「本日もゆあんさんをご指名ですか?」
no「……はい!」
スタッフ「かしこまりました。少々お待ちください!」
……さて。
今日は。
どんな話をしましょうか。
昨日のことを、少しからかってみるのも。
……ふふっ。
きっと。
また顔を赤くするんでしょうね。
そんなことを考えながら。
店内を見渡した。
……そのとき。
no「…………」
……あれ。
少し離れた席。
そこに。
見慣れた赤い髪。
……ゆあんくん。
no「…………」
……あ。
接客中ですか。
当然ですよね。
ここはホストクラブ。
ゆあんくんは、ホストなんですから。
……でも。
ya「えええ!?まじで!?」
客「ほんとほんと!!」
ya「あはははっ!!それやばいって!!」
客「ゆあんくん、めっちゃ面白いね!」
ya「だろ!?もっと褒めていいぞ!!」
客「はははっ!!」
…………。
no「…………」
……楽しそうですね。
いつもの明るい笑顔。
大きな笑い声。
くしゃっと細くなる目。
……僕が。
大好きな表情。
でも。
今。
その笑顔を向けている相手は。
……僕じゃない。
no「…………」
……あれ。
なんでしょう。
この気持ち。
〜ゆあんside〜
ya「いや、それ絶対嘘だろ!!」
客「ほんとだって!!」
ya「信じらんねぇ!!」
……今日のお客さん。
めっちゃ話しやすい!!
初めて来た人らしいけど。
ゲームが好きなんだって。
客「ゆあんくんって、ゲーム得意?」
ya「めっちゃ得意!!」
客「じゃあ今度おすすめ教えてよ!」
ya「いいよ!!」
客「約束ね!」
ya「おう!!」
……そのとき。
ふと。
視線を感じた。
ya「……ん?」
少し離れた席。
……あ。
ya「…………」
……なお兄!?
来てたんだ!!
ya「……っ!」
思わず。
手を振ろうとした。
……けど。
no「…………」
……あれ。
なんか。
いつもと違う?
笑ってる。
……笑ってるけど。
いつもの。
ふわふわした笑顔じゃない。
ya「…………?」
……気のせい?
客「ゆあんくん?」
ya「……あっ、ごめん!!」
客「どうしたの?」
ya「いや、なんでもない!!」
……なお兄。
なんかあったのかな。
〜なおきりside〜
……困りました。
非常に。
困りましたね。
スタッフ「青井様、ゆあんさんは間もなくご案内できますので!」
no「……ありがとうございます!」
……待つことは。
全然、構いません。
ゆあんくんが忙しいのは。
良いことですから。
……でも。
客「ゆあんくん、ほんと可愛いね!」
ya「はぁ!?かっこいいだろ!!」
客「そういうとこが可愛いんだって!」
ya「もーー!!」
…………。
no「…………」
……あれ。
そのやり取り。
なんだか。
聞き覚えがありますね。
……僕も。
よく言っています。
『ゆあんくん、可愛いですね』
『かっこいいだろ!!』
……ふふっ。
そうですよね。
僕だけじゃ、ありませんよね。
ゆあんくんを可愛いと思う人なんて。
……分かっているんです。
分かっているのに。
no「……はぁ」
……どうして。
こんなに。
胸がざわざわするんでしょう。
〜ゆあんside〜
しばらくして。
スタッフ「ゆあんさん、青井様のお席お願いします!」
ya「……はーい!!」
……よし。
やっと。
なお兄のところに行ける。
…………。
……やっと?
ya「…………っ」
いやいや!!
別に待ってたわけじゃ!!
……いや。
ちょっとは待ってたけど!!
ya「……よし!!」
俺は、いつもの笑顔を作った。
ya「なお兄ーー!!」
no「……ゆあんくん!」
ya「今日も来たんだ!!」
no「……ふふっ、来ちゃいました!」
ya「……暇なの?」
no「……ひどいですね」
ya「あははっ!!」
……よかった。
いつものなお兄だ。
俺は、隣に座った。
ya「今日、仕事どうだった?」
no「……忙しかったですよ!」
ya「お疲れ!!」
no「……ありがとうございます!」
……でも。
なんだろう。
no「…………」
……やっぱり。
ちょっと静か。
ya「……なお兄?」
no「……はい?」
ya「……なんかあった?」
no「……え?」
ya「……元気なくね?」
no「…………」
……あ。
また。
黙った。
ya「……仕事で嫌なことあった?」
no「……いえ!」
ya「……体調悪い?」
no「……大丈夫ですよ!」
ya「……じゃあ、何?」
no「…………」
……なんだよ。
気になるじゃん。
ya「……なお兄」
no「……はい?」
ya「……俺に言えないこと?」
no「…………」
……すると。
なお兄が。
少し困ったように笑った。
no「……言ったら、笑いません?」
ya「……内容による!」
no「……ふふっ」
ya「なんだよ!!」
……そして。
なお兄は。
小さく息を吐いた。
no「……さっき」
ya「……ん?」
no「……楽しそうでしたね」
ya「……え?」
no「……先ほどのお客様と」
ya「…………」
……さっき?
ああ。
ゲーム好きのお客さん?
ya「……あー!めっちゃ話合った!!」
no「……そうですか!」
ya「ゲームの話で盛り上がってさ!!」
no「……ふふっ」
ya「今度おすすめ教えてって言われた!」
no「…………」
……あれ。
また。
笑顔が止まった。
ya「……なお兄?」
no「……はい?」
ya「…………」
……もしかして。
いや。
まさか。
ya「……なお兄さ」
no「……はい?」
ya「……嫉妬してる?」
no「…………」
…………。
no「……え?」
ya「…………」
……え。
図星?
ya「……ええええ!?」
no「……っ!」
ya「まじ!?」
no「……ゆあんくん、声が大きいです!」
ya「だって!!」
……待って。
なお兄が。
嫉妬!?
あの。
いつも余裕そうな。
なお兄が!?
ya「……ぷっ」
no「……あ」
ya「……あはははっ!!」
no「……笑わないって言ったじゃないですか!」
ya「言ってねぇ!!内容によるって言った!!」
no「……もう」
……やばい。
めっちゃ面白い。
……でも。
ya「…………」
……なんだろう。
ちょっと。
……嬉しい。
〜なおきりside〜
……やってしまいました。
完全に。
見抜かれてしまいましたね。
ya「……なお兄」
no「……はい?」
ya「……そんなに気になった?」
no「…………」
……ああ。
今日は。
ゆあんくんのほうが余裕そうですね。
no「……そうですね」
ya「……え?」
no「……気になりました」
ya「…………」
……おや。
今度は。
ゆあんくんが黙りました。
no「……楽しそうに笑っているのを見て」
ya「…………」
no「……少しだけ、羨ましくなったんです」
ya「……っ」
……本当は。
少しだけ、なんかじゃありません。
あの笑顔を。
ずっと見ていたい。
できることなら。
僕に向けていてほしい。
……でも。
そんなことを言ったら。
困らせてしまうでしょうか。
no「……すみません」
ya「……え?」
no「……変なこと言いましたね」
ya「…………」
no「……お仕事なのに」
……そう。
ゆあんくんは、何も悪くありません。
誰にだって。
あんなふうに笑う権利がある。
僕が。
勝手に気にしているだけ。
……すると。
ya「……なお兄」
no「……はい?」
ya「……別にさ」
no「……?」
ya「……嫉妬しても、いいんじゃね?」
no「…………」
……え。
ya「……いや、仕事の邪魔は困るけど!」
no「……ふふっ」
ya「……でも」
no「……はい?」
ya「……俺のこと、そんなに気にしてくれてんだなって」
……ゆあんくんは。
少しだけ。
視線を逸らした。
ya「……ちょっと、嬉しかったし」
no「…………」
…………。
……ああ。
またですか。
また。
この人は。
何気ない一言で。
僕の余裕を。
簡単に崩してしまう。
no「……ゆあんくん」
ya「……な、なんだよ」
no「……本当に、ずるい人ですね」
ya「……は!?」
……ふふっ。
ずるいのは。
どちらなんでしょうね。
〜ゆあんside〜
……やばい。
また。
変なこと言った。
ya「…………」
……嬉しかった。
とか。
何言ってんだ俺!!
……でも。
本当なんだよな。
なお兄が。
俺のこと見てたって。
俺が他のお客さんと話してるの。
気にしてたって。
……なんか。
特別みたいで。
ya「…………っ」
……あああ!!
考えるな!!
no「……ゆあんくん?」
ya「……ん!?」
no「……顔、赤いですよ?」
ya「赤くねぇ!!」
no「……ふふっ」
……くそ!!
いつものなお兄に戻りやがった!!
ya「……なお兄だってさっき照れてただろ!!」
no「……そうですね」
ya「……認めんのかよ!!」
no「……事実ですから!」
ya「…………」
……ほんっと。
この人。
ずるい。
……そのとき。
なお兄が。
少し真剣な顔になった。
no「……ゆあんくん」
ya「……ん?」
no「……ひとつ、聞いてもいいですか?」
ya「……なに?」
no「……僕って」
ya「……うん?」
no「……ゆあんくんにとって、どんな人ですか?」
ya「…………」
……え。
……どんな人?
ya「……急になんだよ」
no「……ふふっ、気になりまして!」
ya「…………」
……なお兄。
俺にとって。
どんな人。
…………。
……優しい人。
面白い人。
いつもからかってくる人。
……でも。
それだけじゃ。
なんか。
足りない気がする。
ya「……なお兄はさ」
no「……はい?」
ya「……俺のこと、どう思ってんの?」
no「…………」
……聞き返しちゃった。
……でも。
知りたい。
……なお兄の本音。
no「……そうですね」
ya「…………」
no「……大切な人です」
ya「…………っ」
……え。
no「……会うと元気をもらえて」
ya「…………」
no「……笑っていると、僕まで嬉しくなって」
ya「…………」
no「……落ち込んでいたら、力になりたいと思う」
……なお兄は。
まっすぐ。
俺を見ていた。
no「……そんな人ですよ」
ya「…………」
……なんだよ。
それ。
……そんなの。
照れるに決まってんじゃん。
ya「……っ、ばか」
no「……おや?」
ya「……なお兄のばか!!」
no「……ふふっ、ひどいですね」
……でも。
嫌じゃない。
むしろ。
……もっと。
聞いていたいなんて。
思っちゃった。
〜なおきりside〜
……本当は。
もっと。
伝えたいことがあります。
好きです。
誰よりも。
あなたの笑顔が見たい。
……でも。
今は。
まだ。
その言葉を伝える勇気がありません。
no「…………」
……不思議ですね。
いつもなら。
簡単に言えるはずなのに。
本気になった途端。
こんなにも。
難しくなるなんて。
ya「……なお兄」
no「……はい?」
ya「……さっきの質問」
no「……?」
ya「……俺にとって、どんな人かってやつ」
no「……ああ!」
……覚えていてくれたんですね。
ya「……答えてなかったから」
no「……はい!」
……ゆあんくんは。
少しだけ。
恥ずかしそうに笑った。
ya「……なお兄は」
no「…………」
ya「……俺が、素で笑える人」
no「…………」
……え。
ya「……仕事だから笑うとかじゃなくて」
no「…………」
ya「……普通に、楽しくて笑える」
……その言葉に。
胸が。
じんわりと温かくなった。
ya「……だから」
no「……はい?」
ya「……俺にとっても、大切な人」
no「…………」
…………。
……ああ。
本当に。
この人には。
敵いませんね。
no「……ありがとうございます」
ya「……ん」
no「……すごく、嬉しいです!」
ya「……っ、だからそういうの!!」
……ふふっ。
やっぱり。
可愛い人です。
……そして。
僕は。
ひとつだけ。
心の中で決めました。
……いつか。
ちゃんと伝えましょう。
この気持ちを。
からかう言葉じゃなく。
本当の。
僕の言葉で。
〜閉店後・ゆあんside〜
ya「……はぁぁぁ」
控室に戻る。
dn「……おかえりー!」
ur「……またその顔?」
ya「……どんな顔だよ!!」
ur「……恋してる顔」
ya「ぶっ!!」
dn「えへへ!」
ya「してねぇ!!」
ur「……はいはい」
……くそ。
なんで。
毎回バレるんだよ!!
dn「……今日は何があったの?」
ya「…………」
……今日。
何があったか。
……なお兄が。
嫉妬した。
…………。
ya「……ぷっ」
ur「……え?」
dn「……?」
ya「……ふふっ」
ur「……なんで笑ってんの?」
ya「……いや」
……思い出すだけで。
なんか。
嬉しくなる。
ya「……なお兄さ」
dn「……うん?」
ya「……俺が他のお客さんと話してたら」
ur「……うん」
ya「……嫉妬したんだって」
…………。
dn「…………」
ur「…………」
dn「……ええええ!?」
ur「……まじかよ」
ya「……ふふん!」
dn「……すごーい!!」
ur「……で?」
ya「……で?」
ur「……お前はどうだったの?」
ya「…………」
……俺?
……俺は。
ya「……嬉しかった」
…………。
dn「…………」
ur「…………」
ya「…………っ!!」
……あ。
やべ。
声に出た。
dn「……えへへへ!」
ur「……もう付き合っちゃえば?」
ya「はあああ!?」
dn「……お似合いだよぉ!」
ya「ち、違うって!!」
……でも。
否定しながら。
少しだけ。
考えてしまった。
……もし。
なお兄と。
付き合ったら。
…………。
ya「……っ!!」
……無理!!
想像しただけで!!
心臓もたねぇ!!
〜なおきりside〜
午後11時。
帰り道。
スマートフォンを取り出す。
……ゆあんくん。
今日も。
たくさん笑っていましたね。
……そして。
僕は。
初めて。
嫉妬というものを。
こんなにはっきり感じました。
no「……ふふっ」
……困りました。
でも。
嫌な気持ちだけじゃありません。
ゆあんくんが。
僕のことを。
大切な人だと言ってくれた。
それが。
何よりも嬉しかった。
……僕は。
メッセージ画面を開いた。
『今日はありがとうございました!』
『また会えて嬉しかったです』
……送信。
すると。
すぐに。
既読がついた。
『俺も楽しかった!!』
no「……ふふっ」
……早いですね。
そして。
もう一通。
『なお兄』
no「……はい?」
……思わず。
声が出てしまった。
『今日、嫉妬してたのちょっと面白かった笑』
no「…………」
……ああ。
まだ覚えているんですね。
『もう、忘れてください!笑』
送信。
すると。
『やだ!!』
『また見たいし笑』
no「…………」
……え。
また。
見たい?
……ふふっ。
本当に。
小悪魔ですね。
『じゃあ、また嫉妬させるつもりですか?』
少しだけ。
冗談のつもりで送った。
……すると。
『さあねー?笑』
…………。
no「……もう」
……困りました。
本当に。
……でも。
こんなやり取りさえ。
楽しくて仕方がない。
no「……ゆあんくん」
……僕は。
あなたが思っているよりも。
ずっと。
あなたのことが。
好きみたいです。
〜ゆあんside〜
深夜0時。
ベッドに寝転がる。
ya「……ふふっ」
……なお兄。
今日。
めっちゃ分かりやすかったな。
いつもは。
俺ばっかり照れてるのに。
今日は。
ちょっとだけ。
立場が逆だった。
ya「…………」
……でも。
あの言葉。
『大切な人です』
……あれ。
本気だったのかな。
……いや。
本気、だったよな。
あんな顔。
初めて見たし。
ya「…………」
……俺にとっても。
大切な人。
……それは。
嘘じゃない。
……でも。
それだけなのかな。
俺の気持ちって。
ya「…………」
……分かんねぇ。
……まだ。
よく分かんねぇけど。
ひとつだけ。
確かなことがある。
……なお兄が。
他の誰かに。
俺と同じことを言ってたら。
…………。
ya「……え」
……なんか。
嫌かも。
…………。
ya「……は!?」
……待って。
それって。
……俺も。
嫉妬してるってこと!?
ya「……うわあああ!!」
俺は、勢いよく布団をかぶった。
……もう。
ほんっと。
なんなんだよ!!
……なお兄のせいで。
最近。
俺の心臓。
ずっと。
忙しいんだけど!!
〜なおきりside〜
同じ頃。
僕は、部屋の窓から夜空を眺めていた。
……今日。
初めて知りました。
好きな人が。
自分以外の誰かに笑いかけるだけで。
こんなにも。
落ち着かなくなるんですね。
……でも。
僕は。
ゆあんくんの笑顔を。
奪いたいわけじゃありません。
ただ。
……できることなら。
あの人の。
一番近くにいたい。
no「…………」
……僕だけを見てほしい。
なんて。
……少し。
わがままでしょうか。
でも。
いつか。
この気持ちを伝えたとき。
ゆあんくんは。
どんな顔をするんでしょう。
……驚くでしょうか。
照れるでしょうか。
それとも。
……笑ってくれるでしょうか。
no「……ふふっ」
……その日が。
少しだけ。
楽しみです。
――第8話 END――
第8話、読んでくれてありがとうございます!!
今回は、なおきりさんの初めての嫉妬回でした!!
いつも余裕たっぷりのなおきりさんですが、ゆあんくんが別のお客さんと楽しそうに話している姿を見て、思わず嫉妬してしまいました!
そして、そんななおきりさんを見て、ゆあんくんも少しずつ自分の気持ちに気づき始めています!
お互いに「大切な人」だと伝え合った二人ですが、まだ「好き」という言葉は伝えられていません。
次回は、なおきりさんが仕事で忙しくなり、しばらくお店に来られなくなってしまうお話!
会えない時間が増えたことで、ゆあんくんは自分でも気づかなかった寂しさを感じ始めて……?
次回・第9話「会えないだけで、こんなにも。」
♡ほんっっっとにありがとうございます!
からぴちB Lで10位になりました!
たつじゃぱ、なおゆあ、もふどぬ、ひろうりのランキングも入ってちょー嬉しいです!
これからよろしくお願いします🥺
Next → ♡45
コメント
1件
わああ第8話…!!なおきりさんの嫉妬、めっちゃ可愛かったです😭💕 いつも余裕ななおきりさんがゆあんくんの他のお客さんとの笑顔にざわつくの、尊すぎて胸がギュッとなりました…!「僕だけを見ていてほしいなんて」って心の中で思っちゃうの、エモすぎるよ〜!お互い「大切な人」って伝え合ったけど、次は「好き」って言えるのかな…次回の展開も気になる!ゆあんくんも気づき始めた自分の気持ち、どうなるんだろう…❤️