ー車内に沈黙が流れるー
『ずっと…俺の事騙してたの?』
『……………。』
『…最初に言わなきゃって思ってたんだけど…
でもグクが離れていっちゃうのが怖くて…
そしたらどんどん言えなくなっちゃって』
『…子供は?いるの?』
『子供はいない
私は欲しかったけど
彼が子供あんまり好きじゃなくて…』
『……旦那さんの事今でも好き?』
『…もうとっくに気持ちは冷めてる』
『じゃあなんでっ…』
『向こうが…別れてくれないの』
『…旦那さんはまだ●●の事好きなんだ』
『…家教えてくれなかったのも
一緒にいるときにスマホばっかり気にしてたのも
旅行とか俺の家とか…
仕事が忙しいからって中々泊まれなかったのも
…全部結婚してたから?』
(グク…
やっぱりちょっとおかしいって思ってたのかな…)
『うん』
『そっか』
『…今まで旦那さんが待ってる家に
帰ってたって事か…』
『……………。』
するとグクが
ハンドルにもたれかかって顔を伏せた
『ごめんちょっと待って……あーキツ……』
(私本当に最低だ
こんなに純粋なグクを傷つけた…)
目の前で苦しんでいるグクを
抱きしめたい…けど私にそんな資格ない
だって私が彼を傷つけているのだから…
『グク…ずっと騙しててごめんなさい』
『………………。』
『……俺別れるまで待つよ』
『…グクだめだよ、別れられないよ』
『だってそんな急に言われたって
嫌いになれる訳ないじゃん!』
『そんなの卑怯だよ』
(卑怯…か…そうだよね)
『ねぇグク…最後にもう一度だけ抱いて…?』
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