テラーノベル
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2xxx年。世界は異能力に支配されていた。
この世界を作ったのは、7人の神様だった
その神に選ばれ、神を宿す器となることで、絶大な力を手に入れることが出来るのだ。
私は 、わたしが嫌いだった。
頭も良くなくて、運動もできなくて、いつも誰かに迷惑をかけて 。臆病で、弱くて、おまけに泣き虫で 。
異能力が全てのこの世界で大した能力も使えず 、固有能力だって炎を出すという地味なものだった。
いつも、姉の顔に泥を塗るばかりだった 。
天は二物を与えず、なんてそんなことはなかった。姉は、常に完璧だった 。
頭も良くて、運動神経も良くて、いつも人を助けて、強くて、優しかった。
この世界の 7人の神 のうちの一人 、水の神に認められ器となった凄い姉 。私はそんな姉がだいすきだった 。
それは雨が降っていたある日のことだった。
姉が死んだのだ。私を庇って。
… 私の不注意だった 。
私はいつも虐められていた。弱いから、姉と比べられて。でも慰めてくれる、とっても優しい姉がいたから私は生きてきた 。
それが気に食わなかったらしい。
主犯は私を刃物で刺そうとした。
馬鹿な姉はそれを庇って致命傷を負った 。
私の能力は炎で、雨は天敵だった。
守ることも出来ず、完璧で天才だった彼女は私の前であっけなく息絶えてしまった。
雨が強くなっていった 。
私は何もすることが出来ない 。
頬に伝う水滴が雨なのかそれとも涙なのか 。
もう私には分からなかった。
帰ってきて、と
強く神に願うけれど、神なんて存在しないんだと私は分かっている 。
神も人も悪魔も天使も、結局は自分の為に動くのだから 。
この世界をしきる7人の神だって水の神だって 。
きっと器として姉を利用しただけ 。
替えなんていくらでもいると。その証拠に器が死んでもその姿を現さない 。
私は姉の死体を抱きしめた 。
強く、強く 。骨が折れるくらいに 。
姉だけだった 。私に触れてくれたのは 。劣等生の私を認めてくれたのは 。
姉がいない世界に、私の居場所は無い。
なら、それなら今度は何にも縛られずに自由に生きていきたい。
神様でも仏様でも悪魔でももうなんでもいいから私に、力を頂戴 。
全てを壊すくらいの、圧倒的な力を。居場所を自分で作れるほどの力を。
私は強く願った
『 …特別だからね 』
ふと声が聞こえたような気がして、次の瞬間唐突な眠気に襲われ私は気を失った 。
コメント
2件
新作助かる...!異世界系大好きだから嬉しい😢ゆっくり続きを待ち続けます👍👍
^_^さんの新作が出た…!! やっぱり^_^さんの作品はどれも神作ですね!! 初めから面白くて楽しみです!