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知っていた。いや、最初から全部、気づいていた。
アメリカが日本を壊していること。
表では優しい笑顔を見せながら、裏では金でいじめを操っていたこと。
そして、日本がそのことに全く気づかず、アメリカを「救い」だと信じていたこと。
全部、分かっていた。
見ていた。
けど、何もしなかった。
⸻
日本「……もう嫌だっ……」
教室の端で、日本が弱々しく呟いたことがあった。
泣いてはいなかった。けど、目はどこか虚ろだった。
その声が、今でも頭に残っている。
でも、俺は目をそらした。
口を閉ざした。
——あれ以上、近づくことが怖かった。
なぜなら俺は、アメリカの「本性」を誰よりも早く知っていたから。
あいつが、本気になったときの恐ろしさを。
笑顔の裏にある暴力と支配を。
誰かが逆らったとき、どうなるのかを——
「だから、何もできなかった」
そう言えば、自分を許せる気がしていた。
でもそれはただの言い訳だった。
⸻
ある日、アメリカが俺の机の隣に座って、笑いながら言った。
「お前も見てただけだよな。俺が何してるか、分かってるんだろ?」
「……」
「でも、黙ってる。だろ?なぁロシア、“賢い”からな、お前」
あの笑顔。
あの目。
本気で俺を試していた。
もしあのとき「やめろ」と言っていたら、きっと俺も壊された。
(だから俺は正しかったんだ。生き延びるための“沈黙”だった)
そう思い込みたかった。
でも、違う。
「ロシアさんって、優しいですね」
——昔、日本が言ってくれたその言葉を、思い出すたびに苦しくなる。
俺は優しくなんかない。
誰よりも冷たくて、誰よりも卑怯だ。
⸻
日本が壊れていくのを、俺は全部見ていた。
見殺しにした。
たまにアメリカの言葉に反論しようとしたこともあった。
でも、そのたびに視線を交わすと、口が塞がった。
震える心臓を、俺は抑え込んだ。
だって、怖かったんだ。
助けようとして、自分も壊れるのが。
⸻
日本は、もう完全にアメリカに染まってしまった。
何をされても、もう抵抗しない。
自分の意志でそこにいるような、そんな目をしている。
(俺が……あのとき、声をかけていれば)
——そんな“できれば”を、何度思っただろうか。
でも、今さら何を思っても、手遅れだった。
うぅ、辛い!まどマギ辛い!
えっ?そっち?って思ったよね?ね?ね?
嘘です。ではまた!