テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
下書きが何回も消える…。
本編の吉田サンが全体的に機嫌悪いバージョンだったので、番外編では吉田サン視点で楽しく!と思って書いて失敗したやつです。
なので本編とテイスト違うけど気持ちを切りかえて読んでいただければ。
完全ハッピーエンドが好きです。
────
◇全員(仁人視点)
それからも、有難いことに俺たちには沢山のお仕事が舞い込んでスケジュールはギチギチだった。
そんな中で俺も徐々にその多忙の量に慣れて向き合う気持ちの持ち方や気力を使うペースを掴んでいく事ができてトゲトゲだった心身は針を寝かした針鼠くらいにはなってきたと思う。
たまに勇斗の肩を借りて居眠りしたり、頭をよしよししたりされたり、抱きついてくる勇斗を好きにさせて一緒に潰れていたり。
時々勇斗の要求がエスカレートして俺にど突かれているけど概ね穏やかに過ごせてる。
M!LKの活動も大忙し前提で順調だし。
「てかさ、そこまでイチャイチャしてるんなら付き合ってるも同然じゃないの?」
柔太朗が少し離れた席で勇斗と舜太と話しているのが聞こえる。
「そやそや、もう慣れたけど勇ちゃんと仁ちゃんて暇さえあればくっついてるやん」
言い方!!
俺と勇斗が隙あらばイチャイチャしてるみたいに言うな!!
現に今は何もしてないだろ!!
と怒鳴りつけたいが面白がられそうだから聞いてないフリで我慢する。
「疲れてる時は甘えたくなるものよーん」
勇斗がのほほんと返事してる。
そのまま話を変えてくれ。
「でも付き合ってないからってキスはさせてくれなくて〜」
ゲフッ、と飲んでいたアイスコーヒーが気管に入ってむせる。
俺の斜め横に座っていた太智が何やってんのと横目で俺を見てた。
多分太智にもあっちの話は聞こえているんだろうけど関わりたくないから余計な事も言わないんだろうな。
「よっしーとキスしたいの?」
「したい」
「ヒュ〜、正直な勇ちゃん俺は好きやで!!」
もうあの三人の会話聞いてたくない、外行こうかな。
「でもさー、M!LKで頑張るためには犠牲が必要じゃん?」
俺が我慢するからいーの、と勇斗がかわいこぶってる。デカい図体で全然可愛くないから。
「勇ちゃんカワイソー」
「えー、M!LKの為に我慢するの〜?」
柔太朗と舜太の返しがいっそ棒読みに聞こえる。
「あ、いいこと考えた」
絶対いいことじゃないと思う。
「勇斗ちゃんとよっしーはさ、M!LKで頑張るために別れたんだよね」
「うん、まぁ…」
「じゃあさ、M!LKが大成功したらまた付き合ってもいいんじゃない?」
「大成功って何を持って?」
「そりゃあ、まあ」
わくわくってオノマトペが聞こえる。
聞きたくない聞きたくない。
「…じゃ、仁人ォ、ドームツアー終わったら付き合おっか」
「まだ決まってもねぇだろ!?」
勇斗がわざわざこっちに向かって言うもんだから、バン!と机を叩いて怒鳴り返してしまう。
「…吉田さん、そこで反応するからダメなんや」
太智がウンザリした顔でため息をつく。
「だって…っ、ドームツアーは皆の夢なのに!こんなくだらねぇことのネタにされるとか…!!」
いつかM!LKが国民的スターになること。
そのための具体的な目標がドーム。
あの広い大きな場所でパフォーマンスしたい。み!るきーずで全部埋めつくされた光景を見たい。
最高を届けたい、それだけを理由にしたい。
「…ごめんな、仁ちゃん、悪気はないで?」
「そんなつもりじゃなかったけど、ごめんね」
舜太と柔太朗が素直に謝る。
勇斗は黙って立ち上がって俺のとこまで来た。来なくていいよ…。
ちょい、とオレの顔を覗き込む。
「…そうだよ、仁人。五人でドームツアーがM!LKと俺の目標だよ?
でもそれとは別に仁人とももう一度恋人になるのも俺の目標なの」
「お、おま……」
人前で告ってくんなとかもう一度とか言うなとか言いたいことはぐるぐる出てくるけど、無駄に良い顔でキメてくるからなんかもう口をパクパクさせることしかできなかった。
「…もう付き合えばぁ?」
太智がこっちも見ずに無責任なことを言う。
お前はこっち側だと思ってたのに!!
「いやいや付き合わない付き合わない」
ブンブンと首を振る。
「「「「…なんで?」」」」
怖い怖い怖い四人の声が揃ってた。
全員でこっち見んな…!!
「だ、だって勇斗絶対エロいことするじゃん…!!」
言ってしまって「わぁぁぁぁぁぁ」と頭を抱えてしゃがみ込む。
「…え、仁人可愛すぎる…」
「…もう大人やからNGないでー」
「え、清いお付き合いしてたんじゃなかったの…?」
「ごめん、そういうのは予想してなかったわ」
四人四様、四方から声が飛んでくる。
死にたい。吉田はもうダメです。
「…仁人」
勇斗が目線を合わせるように俺の前にしゃがみ込んで俺の顔を伺う。…絶対見せません。
「…なぁ、みんなさぁ、悪いけど耳塞いで反対見てて」
勇斗の頼みに即効で太智は両手で耳塞いでなんなら席を外して部屋の端まで行ってしまった。柔太朗と舜太も言われた通り耳を塞いで顔を背けているのだろうか。
「仁人」
優しい声しても今はもう絶対無理です。
「まぁ…、あの頃は俺も若かったからガツガツしててごめんね?」
無理。
「エロいことしなかったら付き合ってくれるってことなの?」
無理。
「…それよりさぁ」
勇斗がもっと顔を近づけて俺にしか聞こえないくらいまで音量を落とした。
いやそれでも無理なんで。
「…今も、俺は仁人の事が好きなんだけど、それは受け入れてくれてる感じ?」
無…
「俺が甘えたいのは仁人だけなんだけど、仁人は?」
俺はなんて言えばいいのよ。
あーこのまま黙ってたら暗転して次のシーンにならないかな。
「…ずっと仁人が好きだよ」
…あの佐野勇斗が、俺に愛を囁いてる。
でもそれはみ!るきーずへの裏切りなのではないのだろうか。
「ちなみに、M!LKの吉田仁人を好きな感情に付随してるからみ!るきーずへの裏切りではないです」
心読まれてる?
…なんで今更さら好きとか言うんだよ。
あの時一緒に切り替えたはずじゃん。
『好き』も心の奥にしまい込んでさ。
でもお前は片付け下手くそだもんな。適当なとこに隠すからすぐに出てきちゃう。
…漏れ出してるそれを見せられて嬉しかったよ。ずっと、俺だって。
「…………うぅぅ」
「仁人さん?」
ずっといつだって勇斗の声は優しい。
「…好きじゃなかったら殴ってるって…」
ぼそ、と本音を漏らす。
「…俺だってお前への好きは消えてない」
………………………。
沈黙が長いな?
そろっと顔を上げるとしゃがみ込んだ勇斗が両手で顔を覆って赤くなっていた。
「…はやと」
「いやいや、もうマジ勘弁して…仁人のデレは心臓に悪すぎるからぁ…」
「…泣いてんの?」
「…嬉しすぎて死にそうだわ」
目元を赤くしてそこに浮かんだ涙を払って勇斗が笑う。
「あー幸せ。ね、やっぱり俺たちもう一回付き合お?」
「それは…」
「エロい事しない、イチャイチャはハグまでにするから」
何それ、そんな制限付きでいいんだ?
そっと伸ばされた勇斗の手は怖くなかった。
握りしめていた俺のグーの手を勇斗の大きな手が包む。
「それより、仁人に俺の心まで甘やかしてもらいたいんだわ」
「…あん時は別れたけど」
「今は同時進行できるくらいには大人になったよな?」
勇斗の俺を見る眼差しには確かに大人になった逞しさがある。でも、それでも変わってないあの頃のままの、
「なーあ!!まだぁ!?待ち時間なっがいわ!!」
あまりの放置タイムに太智が根を上げたらしい。それにしても声がデカすぎる。
「ほんまや!!いつまでこうしてればいいん!?」
太智の声が聞こえたのか舜太も騒ぎ出した。
「…次の仕事始まっちゃうよ〜?」
柔太朗もさすがに嫌になったらしい。
「うーぃ、ごめんな!とりま良い感じで現状維持ってことd…」
勇斗が立ち上がり、俺の手を握って立たせようとしたけど自分で立ち上がる。
「…付き合う。グダグダするのもみんなに面倒臭いって思われるのも嫌だから…!!」
もういいや、振り切ったるわ。
あの頃恐れていた事が、今の俺たちなら乗り越えられるって俺もそう思う。
「…ほーん、吉田仁人さん覚悟決めたんや?」
どーでもいいんやけど、と付け加えながら太智がやれやれと俺を見る。
「まぁ、皆には迷惑かけないようにするから──、うぎゃ!?」
勇斗が、俺を抱きしめて抱えあげた。
「マジ!?仁人付き合ってくれんの!?やっっったぁぁぁ!!!」
抱き上げて、そのまま玩具を咥えた犬みたいにぐるぐる回った。
そう広くはない控え室でそれをやったもんだから振り回される俺の下半身がパイプ椅子や壁にバンバン当たる。
「マッジで嬉しすぎる…!!」
「痛い痛い!!勇斗っっ」
デカい図体でハイテンションで浮かれてぐるぐる回って勇斗の身体も椅子や机にぶつかってガッシャンガッシャンいってる。
「〜〜やめろっ」
攻撃力の低い膝蹴りで何とか勇斗を止める。
「控え室!!備品!!壊れる!!迷惑!!」
勇斗の腕から逃れてちょっと酷い状態になった現状を叱る。
「ごめぇん」
小首を傾げてゴメンねポーズで謝る勇斗の顔は嬉しそうで絶対反省してないと思う。
「でも良かったね」
柔太朗が吹っ飛ばされた椅子を元の位置に戻しながらにこにこ笑っている。
「ほんまや、良かったなぁぁ。リアルさのじんの安心感半端ないわ」
舜太は嬉しそうに俺たちの前でちょっと泣きそうになってる。
いやお前は片付けるの手伝わないのかよ。
大きく動いてしまった机を勇斗と戻しながら、一応皆に「…ありがと」と言っとく。
「なぁなぁ、じゃあエロいことすんのOKしたん?」
「そういうのは…」
ワクワクしている舜太にデコピンを食らわす。
「しない方向で付き合うから期待しないでくださーい」
「えぇぇ?せっかく付き合ったのに〜?」
「そーなんだ。残念だね、勇ちゃん」
柔太朗が『ドンマイ』と勇斗を慰める。
ちなみに太智はもうこっちをシャットアウトしていて別世界に行ってる。
「まぁ、仁人が俺の事恋人にしてくれただけですっげぇハッピーだから全然いいよ、それは」
ね!と勇斗が嬉しそうに俺を見る。
手を繋ごうとすんな。
「…人前では隠そうな?」
「はーい」
「隠せてない隠せてない」
「ほんまや」
恋人繋ぎでブンブンされて『早まったかな…』と頭を抱える。
「それにさ」
勇斗が繋いだ俺の手を引き寄せて組んだ指先に口付けた。
「付き合い始めたらわかんないでしょ。…だってあの頃仁人の方がキスすんの好きだったもん」
…今日何度目かの血の気が引きました。
「っ!?…馬鹿馬鹿馬鹿!!お前いっぺん〇ね…っ」
「おわ!?」
俺に本気の本気で蹴り飛ばされて倒れ込んでしまったけど、勇斗は一人で腹を抱えてゲラゲラ笑っている。
「…いーんやけどさ、恋人同士のそれは二人きりの時にやってや?」
「突っ込めないマジなやつはホント止めて?」
「絶対視界に入るとこでやらんでほしい」
ちょっと引いてしまった年下組の冷静なお願いに太智も参加してきた。
「りょーかーい!!大丈夫、俺たち大人だから!!」
ピースしながら勇斗が了承する。
はぁぁぁ、とため息をついて一応俺も三人に誓っとく。
「…気をつけるので静かに見守ってくだサーイ」
心がこもってなーい!とか言われたがとりあえず落ち着いたかな。
後で勇斗にもう一回文句言う、絶対。
【終】
ハッピーエンド、かなぁ?
まぁこれはこれで。
なんで私は可愛い吉田サンを書けないのか…。
きっといろいろあって今後この二人はキスとかします。吉田サン、キスいっぱいしたい派だもんね。
こんな話書いててなんですが、センシティブなのは(今のとこ)書か(け)ないのにガチをぶっ込みたくて最後まで迷走してました。
でもsnjnならどんな話も好きで読みます。センシティブなお話大好きですhshs
投稿する時下書きが何回も消えて泣いた。
『完結』をどこで表記にするのか分からないんですけどこれで終わりです。付いたかな?
お読み下さりありがとうございました。
#ryop
ゆゆ@プロフお読み下さい。

6,206
水虹ひにゃ@リムらないでほしい
1,229
10,578
いつき@ちか様とペア画中
200
コメント
5件

コメント失礼します。 若い時の好きが原動力、でも感情だけじゃどうにもならない。から 歳や経験を重ねて覚悟決意自信全てを背負ってお前を愛す!に変わっているのかなと感じました。 それを受け止める覚悟が出来たjntにただただ笑顔です。 jnt可愛いです。 素敵なお話ありがとうございます。

コメント失礼します。 snjnにとってお互いが唯一なんだなと強く感じてすごくhappyな気持ちになりました…最高な作品をありがとうございます!!
うわああああ完結おめでとうございます!!🥳🎉✨ 仁人と勇斗の再スタート、めちゃくちゃじーんと来ました…!特に「俺だってお前への好きは消えてない」からの勇斗がデレにやられて泣いちゃうとこ、最高すぎて叫びました😭💕 太智の「もう付き合えばぁ?」とか柔太朗と舜太のわちゃわちゃもM!LKの仲良し感が溢れててめっちゃ好きです〜!ハッピーエンド大好きなので最後まで楽しく読めました!次のお話も楽しみにしてますね!!