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ピピピ……ピピピ……
アラームを止め、重たい瞼を擦りながら起き上がる。学校に行く準備を終え朝食をとる。ふと、昨日のニュースを思い出し天気予報を見るためチャンネルを変えた。
「今日は一日中強い雨が降るでしょう。雷にも注意して外出してください。」
母「傘忘れないでね!もし帰りなにかあったら連絡して、迎え行くから」
私「うん、分かった。ご馳走様。うわ!もうこんな時間、そろそろ出ないと。じゃ、行ってきまーす!」
母「気を付けてねー!」
玄関の扉を開けると予報通りの雨が降っていた。
ゴロゴロ…
栞「急がなきゃ。さすがに目の前に落ちてくるってことは無いよね」
バキバキバキッ
栞「へ?」
ドガーーーーン!!!!
その瞬間、目の前が真っ白になった。何が起きたのか理解出来なかった。私は、雷に打たれたのか。体中がビリビリする。意識が遠のいていく。
葉っぱの擦れ合う音と緑の匂いがする。まだはっきりとしない意識の中そっと目を開ける。
栞「ここ……は……? 」
起き上がり周りを見渡すが誰も居ない。とても静かで、 でもそれが妙に気持ち悪い。
栞「私さっきまで学校行ってた筈じゃ…ていうか雷に打たれて……?どういうこと?」
全く状況がのみ込めない。一体どうして私がここに居るのだろう。頭を整理するため深呼吸をした。
ーその時だったー
?「おい!誰だアンタ!ここで何してる!」
栞「?!」
振り向くと青年が立っていた。着物を着ており、背中には竹籠を背負っている。ドラマの撮影か何かか。でもカメラがない。青年はこちらを凝視している。
栞「あの…私……」
人が居たことに安心したが目力の圧で上手く言葉が出てこない。青年は察したのかゆっくりと口を開けた。
?「とりあえず、山を降りよう。ここはあんたみたいな高貴な格好してる奴が来る様な所じゃない 」
高貴?制服が?そう思ったが今は青年に着いて行くしかなかった。無事下山すると目の前は1面畑でいっぱいだった。明らかに私のいた場所じゃない。
銀次「俺は銀次だ。アンタ名前は?なんであそこに居た?」
栞「しおりです。あの…私、気づいたらあそこに居て」
銀次「気づいたら?まぁいいや。早く家に帰んな、おっかさん心配してるぞきっと」
栞「いや、あの…帰る家なくて…」
銀次「はあ?!とりあえず日も暮れてるし今日はうちに泊まってけ」
栞「ありがとうございます!!助かります!」