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彼女の過去少しまだ暑い夏の日だった。水分を取りながらお母さんの迎えが来るまで公園で砂遊びをしていたら……一人の男の子が話しかけてきた「何しているの?こんな暑い日に」「お母さんが迎えに来るまで砂遊びしているの。邪魔しないでお兄ちゃん。」「ごめんごめん。熱中症とか危ないからさ笑」「大丈夫。水筒あるから。お兄ちゃんこそ何しているの?」「うーん。学校が終わったから、塾の帰り。」彼女が砂を水に濡らしながら何かを作っている。「へーお兄ちゃん学校行っているんだーいいなー、たのしいの?」「うーん。どうだろう。普通かな笑ところで何作っているの?」「泥団子だよ?教えてもらったんだー普通なんだー」「お兄ちゃんもかほと一緒に遊びたいの?ほらできた!泥団子!!」小さな手で作られた泥団子。形になっても可愛らしかった。「うん!お兄ちゃんもまぜて!」「うん!いいよ!はいどうぞ!」「楽しいね!かほいつも一人なんだ。幼稚園でも、最初はみんな仲良くしてくれたのに、いつの間にか、一人になってた。」幼稚園でもあるんだな。「みんな、かほと、住む世界が違うって言うんだ。住む世界ってなんだろう。みんな同じとこに住んでいるのに…変なの。変だよね。」「そうだね!みんな変だね!」住む世界が違う…ね。見るからにして高そうなの沢山きているからか?「華帆ー」「あっ!ママだ!」「あら、新しいお友達?」「うん!そうなの!かほと遊びたいんだって!」「そうなんだね。ごめんなさいね、時間大丈夫?」「はい!大丈夫です!家に今日も誰もいないので。」綺麗な人だなー見るからにして幸せそう…「さぁ、手を洗いましょうね。ほら、お兄ちゃんにありがとうは?」「うん!お兄ちゃん、かほと遊んでくれてありがとう!!楽しかったよー!」「華帆は偉いわね〜」「お兄ちゃんありがとうね、うちの子と遊んでくれて、もし良ければ、送るわ!このまま華帆のお友達になってくれたら嬉しいのだけど笑」「あっいえ、送らなくて大丈夫です。ありがとうございます。僕で良ければお友達なっても大丈夫です!」「そう?ありがとう」「奥様…そろそろ。」「えぇ。ではまた。」「はい!」「お兄ちゃんバイバイ!」小さな手で僕に手を振ってくれた。可愛いな。友達か……僕も帰ろうかな。
ガチャ……「ただいま。誰もいないけど。」「勉強しないと。」窓から見える隣の家の豪邸。もしかしてあの子の家だったりして笑笑そんな訳ないけど。
ピピッピ ピピッピ学校だ……。毎日の繰り返し。詰まらない授業、そのあとはつまらない塾、全部わかっているのに。「はぁー……頑張るか…」「行ってきます……」ガチャ……「あらっ昨日の……」「あっ……!おはようございます。」隣だったのか……「昨日はありがとうね、えっと……」「枢シュンです。」「シュンくんね。これからもね!」「はい!」「では……」本当に隣だったとは……「あっそうだわ、シュンくんいつでもお家入っていいからね!伝えとくから」「えっ!あっはい……」
すごい人だな。普通家を勝手に入らせるか?不思議な方だな……「あっやばっ!急げ」
「ふぅーなんとか間に合った。」「では授業を始めます。p34を開き、問4の1わかる人」「23です。」「正解っ!」
キーコーンーカーコーン「さよならー」「今日塾休みなんだった……。どう時間を潰すか…あっもしかしたら」なんとなくあの子に会った公園を思い出した。「行ってみるか……」「あっお兄ちゃんだ!どうしたの?」「学校の帰り。」やっぱりいた。「へー。かほもね、今日早くに幼稚園終わったんだ〜。だからねこの公園でママと待ち合わせなんだ〜!」「へーそうなんだね。また泥団子作ってるの?」「うん。かほなんでもできるんだってでもねこれだけ上手くできないの…。せっかくママに教えて貰ったのに。」「だから、早く上手にできてママに喜んだ貰う為に練習してるんだ…。」「毎日、この時間帯に練習してるの?」「うん!そうだよ?凄いでしょ!!」毎日、同じ時間に繰り返し……オレと同じだ……。「そっか。偉いねー」「!?かほ偉いの?!やったー」
「華帆は偉いね〜いい子いい子〜」「……っ!うん!えらいよ。」「明日お休みだよね?」「うん!幼稚園お休みだよ〜?なんで?」「明日、お兄ちゃんも学校お休みだから一緒に泥団子作ろっか!」「えっ一緒にあそんでくれるの?!別に泥団子じゃなくてもいいけど…」「じゃあ迎えに行くね!僕のお家でもいいし、」「えっ!お兄ちゃんのお家がいい!」「そっか!」
「華帆〜」「あっママ!あのね、明日お兄ちゃんと遊んでもいい?」「えーお兄ちゃんはいいよって言ったの?」「うん!」「そう。いいわよ。怪我しないでね、気をつけてね。どこで遊ぶの?」「僕の家です。」「あーそれなら安心ね!隣だし。ではよろしく頼むわね!」「はい!」「じゃあねーお兄ちゃん。」「うん!また明日」また明日――いい言葉だな…。
ピーンポーン「はい。」「あの…華帆ちゃんに…」「あっ!お嬢様のお友達ですね、ちょっとお待ち下さい。」近くまで来たのは初めてだ。大きいな。「お兄ちゃんー!!」「うん!じゃあ行こっか!」ガチャ――「どうぞ」「わーあ!初めて入った!お邪魔しまーす!!」「はい。どうぞ!」「僕の部屋はこっち」「わー凄いね!!」「本いっぱーいあるー!」「ほとんど教科書みたいなもんだけど…」「少しまってて飲み物とお菓子持ってくるから。」「うん!」クッションだ!可愛いピンクだ!ふかふかだーガチャ――「お待たせ!アレルギーとかある?」「ないよ!全部メモしてあるから!」「ん?あーそうなんだ!」「どうぞ!オレンジジュースだよ。」オレンジジュースだ!おいしそう!!「お兄ちゃんのそれは?」「あぁ、これは麦茶だよ。お菓子もジュースもうち禁止なんだ笑」「そうなの!なんでここに……?」「それは昨日買っといたんだ!こっそりたべて貰いたくてね!」こんなの見つかったら絶対怒られるけど、見つけられなければ大丈夫だよね……。「ふぅーお腹いっぱい!」「よかった!」「あっもうこんな時間だ!おしゃべりしているとすぐ時間過ぎるね!」「難しい言葉よく知ってるね!そうだね。もう帰らないといけないね。」「うん!また今度ね!」「バイバイー。」「今日はありがとうね。あの子は中々お友達と遊んだ事あまりないから。すごく嬉しかったと思うし、楽しかったと思うわ!ありがとう。これ、良かったらご家族と食べて、お菓子はダメだと言っていたから、果物よ」「あっ!ありがとうございます!では!」
ガチャ――「お父さんとお母さん今日は早いね!」「えぇ。今日はね。」「今日はどうだった?」「別に。普通だよ。いつもと変わらな――」「シュン……なにこれこのゴミ……あんたまさかお菓子食べたんじゃないでしょうね!」「ちが……違うよお母さん!」「しかも、今日帰ってくる時間早くない?塾は?」「……休んだ……。」「はぁ?!あんた、なにやってんの?!」バシッ――!!!「…っ!」「お菓子は隣の子が遊びに来たから、あげ…たんだ。」「隣の子…ふーん。隣の子ね…あの豪邸の?」「そう。」「へーその子ならどんどん遊んでもいいわよ!塾は休まないでね。今回は許すわ。次はないけど、」「ごめんなさい。次からは気をつけます……。」「そう。いいわよ。ごめんね叩いて痛くなかった?」「でも……あなたが悪いのよ。言う事聞かないから。」「うん。僕が悪い。」「成績下がったら許さないから。」「……はい。」
八年後――「お兄ちゃん!」「どうした?泥団子か?」「もう!違う!あれはあともう少しで出来上がるの!」「ははっそうか!」「また明日ね!」「うん!また明日――」
道の角を曲がった途端悲鳴が聞こえた。「暴れるな!」「んっ!…!っ!」ドンっ――拳が思いっきりみぞおちにはいった――「うっ……」「おいおいっあまり傷付けるなよ。」「このぐらいいいだろう?」「まぁな静かになったし――」彼女が倒れているのをみて頭が真っ白になった――「この子のヒーローですか?僕ちゃんww」「っ!」「おっと!怪我をさせたくなかったらそこにいろ!」「じゃあな!弱虫のヒーローちゃん笑笑」「あはっははは!」ブォーン急がないとピーンポーン。ピンポーン「はい。どうなさいました?」「華帆のお母さんはいますか?」「えぇ、奥様はいらっしゃいますけど」「早く連れてきて、華帆が……華帆が誘拐されたんだ…!」「何ですって!」「みな!全力であの子を探しなさい!」「仰せのままに…!」
「降りろっ!」「うっ!」「でも、兄貴本当にいいんですかね…」「なにビビッてんだよ」「ほーらいい子ですねーそのまま動くなよ……これからいいことやってあげるから――ね!」「いや!いや!たすけ……助けて!」男の人たちの手が私の頬、身体の中に触れてくる感触が気持ち悪いっ……!「誰も助けになんかこねぇーよ」「助けて……お兄ちゃんっっ!!!!」ドンっ――!!!「いっ……て!何すんだ!テメェー!ぶっ殺されテェーのか!!」裸になりかけている。震えてかわいそうに。「怖かったな…ごめんな…あの時助けてあげられなくて…今、助けてやるからな…」「助けてやるだと?ふざけるな!さっきまで弱々しかったのに!」「は?そんなの当たり前だろうが、人質で脅すから、あの子に傷がついちゃうでしょ?」ドンっ――「あっぁ!!!!!!、いてーよ!」男性の手が反対になっている。もう一人の男性は完全に気絶だ。「痛いよなーあの子も痛かったんだよな…あーあ顔にも傷がついちゃったじゃん!!!」ガハッ……!!「なん……なんだ……よ。お前、何者……なんだよ」「えっ?!言ってなかったけ?」「言ってねぇーよ」「これは失礼失礼。ボクは、何でも完璧にできるんだよ。運動も勉強もね」「は?説明になってないし……」「もーうるさいなほらきたよ?」パトカーのサイレンの音が響き渡る。「確保!!」「ありがとうございました!」「いえいえ!僕は大したことは……」「やりましたよ!うちの娘をいち早く助けてくれた」「もう大丈夫よーお姉さん達が助けに来たから。」「身体どこも痛くない?」「はい。」「お兄ちゃん……怖かったよー」グスッ……!「そうだよな。ごめんな。もう安心してもいいぞ。」「うん……」「奥様ちょっと」「はい?」「彼女、心に傷を追ってしまったかもしれません。多分触られていると思います……」「そうよね……ごめんね。」
「お母さん……私どうしようすごく汚いよー……。」「大丈夫よ。貴方は綺麗だから……」「うん。でも……」「もう、こんなんでお兄ちゃんに会えない。」「そっか……」そこから彼女は男性への恐怖心、トラウマができてしまったんだ。