テラーノベル
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■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。
・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第18話
題名:新年最初の陣取り合戦、あるいは畳の上の福笑い
ジャンル:日常・お正月ほのぼの
魔性の家具『コタツ』の呪縛からどうにか抜け出し、無事に新しい年を迎えた4人。
元日の朝、日帝の屋敷の居間には、おめでたいお琴のBGMが静かに流れ、お正月の独特な凛とした空気が満ちていた。
「皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますね」
割烹着を新調した日帝が、重箱に美しく詰められた御節(おせち)料理と、湯気を立てるお雑煮をお盆に乗せて運んできた。
「わあぁぁ! これが日本の『オセチ』だね! すごくカラフルで綺麗!」
イタ王は新年の祝いにふさわしく、おめかししたお気に入りの服を着て身を乗り出した。
「ほう、これが伝統的な新年の保存食か。黒い豆に、巻かれた卵……ふむ、栄養素の配置と色彩のバランスが非常に計算されているな」
ナチは眼鏡(読書用)をかけ、重箱の中身をじっくりと観察しながら箸を手に取った。
「御節もいいが、まずはこれだろう。日帝、新年を祝う特別な透明な液体はどこだ?」
ソ連は朝から一合升(ます)を片手に、期待に満ちた目で日帝を見つめる。
「ソ連殿、元旦の朝はアルコールではなく、こちらの『お屠蘇(とそ)』をどうぞ。一年の無病息災を願う縁起物のお酒です。ただし、飲みすぎは厳禁ですよ」
日帝が漆器の盃(さかづき)にお酒を注ぐと、ソ連は「うむ、郷に入っては郷に従おう」と、嬉しそうにそれを干した。
お雑煮のお餅を「もちもちして美味しい!」と頬張るイタ王の横で、ナチは伊達巻(だてまき)の渦巻きの比率について日帝に熱心に尋ねている。お互いに好みの具材をつつき合いながら、平和な新年の朝食はゆっくりと進んでいった。
食後、お腹がいっぱいになった一同の前に、日帝がいくつかの木製の道具と、大きな紙を取り出した。
「せっかくのお正月ですから、日本の伝統的な新年の遊びをしましょう。これは『福笑い』と言います」
「フクワライ……? 娯楽の中に笑いを取り入れる文化か。合理的だな。ルールを説明しろ、日帝」
ナチが早くも分析モードに入る。
ルールは簡単。目隠しをした状態で、おかめやひょっとこの輪郭が描かれた紙の上に、目、眉、鼻、口などのパーツを勘だけで配置していくというものだ。
「よし、まずは僕からやるよ!」
イタ王が真っ先に名乗りを上げ、日帝に手ぬぐいで目隠しをしてもらった。
「ええっと、おめめはここかな? お鼻は……このへん!」
ゆこあ
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#政治的意図・戦争賛美✖
nekoisi@200人記念!
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瑞稀🇩🇪🍺🏰
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手探りでパーツを置いていくイタ王。横からソ連が「おいイタ王、もっと左だ。いや、そこは耳の領域だぞ」と適当な指示を出し、ナチが「ソ連、嘘の座標を教えるな。イタ王、現在の位置から北西に三センチメートル移動しろ」と無駄に正確なナビゲーションを始める。
「できたー!」
イタ王が目隠しを外すと、そこには目が額(ひたい)に飛び出し、口がアゴの下にはみ出た、凄まじい顔のおかめが完成していた。
「あははは! なにこれ、すっごく面白い顔!」
イタ王自身が大爆笑し、ソ連も「ガハハ! 前線の偵察兵でもこんな顔にはならんぞ!」と腹を抱えて笑った。
「ふん、視覚情報を遮断されただけでこれほど狂いが生じるとは。次は私が、脳内シミュレーションによる完璧な配置を見せてやろう」
自信満々のナチが目隠しを装着した。彼はパーツの手触りだけで「これは眉、これは上唇……」と驚異的な識別能力を発揮し、一切の迷いなくパーツを置いていく。
「よし、完璧だ。計算上、すべてのパーツが左右対称、かつ美の黄金比に基づいた位置にあるはずだ」
ナチが不敵な笑みを浮かべて目隠しを外した。
盤上を見た瞬間、ナチの動きがピタリと止まる。
おかめの顔の中心には、全てのパーツがミリ単位の狂いもなく、完璧な位置に配置されていた。――ただし、顔全体のパーツが上下逆さまになっていた。
「……何故だ。配置のグリッドは正確だったはずだ」
愕然とするナチ。
「ガハハハハ! ナチ、上下の基準を間違えたな! 完璧な逆立ち顔だ!」
ソ連が床を叩いて大笑いし、日帝も「ぷっ……ふふ、ナチ殿、ある意味で非常に芸術的です」と、袖で口元を隠しながら肩を震わせている。
「くっ……! 傾斜角度の計算を誤ったか……!」
顔を真っ赤にして悔しがるナチ。
「よし、最後は私の番だな。我が連邦の広大な直感を侮るなよ」
ソ連が目隠しをし、大きな手で豪快にパーツを並べ始めた。ソ連は「ここだ!」と勢いよくパーツを叩きつけていく。
完成したのは、おかめの輪郭からはるか遠く、畳の上に直接目や口が散らばった、もはや顔の体を成していない何かだった。
「ソ連お兄ちゃん、顔のパーツが全部お外に逃げちゃってるよ!」
「うむ……? 領土を広げすぎたか」
ソ連は頭を掻きながら、豪快に笑い飛ばした。
最後は日帝が見事な手際でお手本のような美しい顔を作り上げ、三人は「さすがは本国だな」と感心しきりだった。
気がつけば、窓の外からは柔らかな新春の光が差し込み、リビングには笑いすぎて少し疲れた4人の心地よい沈黙が流れていた。
かつては異なる理念のもとで、張り詰めた冬を生きていた彼ら。しかし今、日本の小さな畳の上で、新年の始まりを告げる笑い声を共有している。
「ねえ、今年もたくさん楽しいことをしようね」
イタ王が、みかんをモグモグと食べながら微笑む。
「ああ。今年も貴様たちの非効率的な行動を監視してやる」
ナチはそっぽを向きながらも、お茶を嬉しそうに啜った。
「うむ、今年も賑やかになりそうだな、同志たちよ」
ソ連が満足げに頷き、日帝はそんな彼らを見つめながら、静かに深く一礼した。
「ええ。本年も、どうぞよろしくお願いいたします」
新年の穏やかな空気の中、4人の新しくも変わらない、温かな日常の1ページがまた新しく始まっていくのだった。
コメント
21件

福笑いで上下を間違えたのは真面目なナチならではだよね
福笑いでも領土を広くするな(笑)福笑いはちゃんと頭の中に入れてください(笑)ソ連さん領土広いからなあ……てかおせちってそこまで栄養良かったんだ
いやあ、今回もほんわかさせてもらいました。お正月の福笑い、思わず声出して笑っちゃいましたよ。ナチの「完璧な逆立ち顔」のくだり、脳内シミュレーションの末にあのオチは最高です(笑)。ソ連が「領土を広げすぎた」って言い訳するところも、もうキャラ立ちすぎてて。かつて対立していた彼らが、今は同じ畳の上で笑い合う——そういう“今”を積み重ねるからこそ沁みるんだなあ、としみじみ感じました。素敵な新年のひとときをありがとうございます。