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(前回の続きです)
「しょうがない、教えてあげるわ。アヤカシのことをー」 そう言って彩は話し始めたー
彩は5歳、大地は3歳の頃にこの家にまつわることおばあちゃんが教えてくれたそうだ。
おばあちゃんは隠し事をするように声をひそめて、言った。
「この家にはアヤカシというものがおるんじゃよ」
「そのアカカシは時に家を守ってくれたり、住んでいる人を助けてくれたりするんじゃ。まあ、守り神のようなもんじゃな。だが、子供しか見えなくて大人になると見えなくなってしまうんじゃ」
そう言われてから彩はいろいろなアヤカシが見えるようになったという。
「大地には言うとびっくりするから言わなかったの。たぶんその靴は化けギツネのコンタのよ。人間に化けて帰ってきた時にうっかり脱いでそのままにしちゃったのね」
ポカンとしている大地をよそに彩はスタスタ歩いていく。
「だから口からキツネ火が出てキツネになってるのよ。ふつうの人が履くとキツネになるのね。」
「えっ?」
「鏡を見なさい、ほら」
するとキツネになった大地が2本足で立っていた。
「子供には見えちゃうから、これをはきなさい。」
そう言って大地の靴を差し出した。
(どうして彩姉ちゃんがぼくの靴をもってるんだ?)
そう思いながら靴を履くと元の大地に戻っていた。
キーンコーンカーンコーン 朝の会が始まる合図のベルが鳴った。
「うわぁ 急げっ」
大地はあわてて学校へ走った。
今日はここまでです!それではさようなら!😉