見事にノベルにハマった主です
曲パロかこうかしら
水×青
💙「昨日人を殺したんだ…、」
君はそう言っていた
梅雨時、ずぶ濡れのまま部屋の前で泣いてた。
夏がまだ始まったばっかりなのに、君はすごく震えていた。
そんな話で始まるあの夏の日の記憶。
💙「殺したのは、隣の席のいっつも虐めてきたアイツ。」
💙「もぅ、…嫌になって、肩を突き飛ばして、」
💙「打ち所が悪かったんや、」
💙「もう、ここにはおられへんと思うし、どっか遠いとこで死んでくるわ、笑」
そんな君に、僕は言った
🩵「…じゃあ僕も連れてって?」
💙「ぇッ……」
🩵「財布もって……ナイフもって、」
🩵「携帯とゲームもカバンに詰めて、」
🩵「要らないものは全部………壊していこ!」
🩵「…あの写真も、あの日記も。」
🩵「今となればもう…要らないか」
🩵「人殺しと、ダメ人間の、」
🩵「君と僕の旅。」
💙「ッ、うん、」
そして僕らは逃げ出した。
この、狭い、狭い、…この世界から。
家族も、クラスの奴らも何もかも、
全部捨てて君と二人で。
🩵「遠い、遠い、誰もいない場所で二人で死のうよ。ニコ」
💙「おん、ニコ」
🩵「もう、この世界に価値なんてない。」
🩵「人殺しなんてそこら中に湧いてるじゃんか、笑」
🩵「君は何も悪くない。」
💙「でもっ、」
🩵「大丈夫、」
🩵「君は何も悪くないよ。」
💙「ッ………(泣)」
結局僕らは誰にも愛されたことなど無かったんだ。
そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきた。
君の手を握った時、微かな震えも既に無くなってて、
誰にも縛られないで二人線路の上を歩いた。
金を盗んで
二人で逃げて
どこにも行ける気がしたんだ
今怖いものは、僕らには無かったんだ。
額の汗も
落ちたメガネも
💙「今となればどうでもええやん。」
💙「あぶれ者の小さな逃避行の旅や。」
🩵「いつか夢見た、優しくて誰にも好かれる主人公なら、」
🩵「汚くなった僕たちも…見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな、?」
💙「そんな夢なら捨てたで。」
💙「だって現実見ろよ。”シアワセ”の」
💙「四文字なんて無かったッ、…」
💙「今までの人生で思い知ったやろ。」
💙「自分は何も悪くねえって誰もがきっと思ってる。」
あてもなく彷徨う蝉の群れに
水も無くなり揺れ出す視界に
迫り狂う鬼たちの怒号に
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君はナイフを取った
🩵「ぇッ……?」
💙「お前が今まで傍にいたからここまで来れたんだ。」
💙「だから、もういい。もういいよ。」
🩵「はッ、?」
そして君は首を切った。
まるで映画のワンシーンだ。
白昼夢を見てる気がした。
気づけば僕は捕まって
君がどこにも見つからなくて
君だけがどこにもいなくって
そして時は過ぎていった。
ただ暑い、暑い、日が過ぎてった。
家族もクラスの奴らもいるのに
なぜか君だけどこにもいない。
あの夏の日を思い出す。
僕は今も、今でも、歌ってる。
君をずっと探しているんだ。
君に言いたいことがあるんだ。
九月の終わりにくしゃみして、
六月の匂いを繰り返す。
君の笑顔は
君の無邪気さは
頭の中を飽和している。
誰も何も悪くないよ。
君は何も悪くないから
もういいよ。
そう言って欲しかったんでしょ?ねえ?
END