「国民の皆様、かけがえのない多くの御家族、御友人の安否を想う気持ちを考えると、今なお哀惜の念に堪えません。私は、日本国の総理大臣として、皆様にお伝えしなければならない事実がある事をここに表明いたします。我が国は、近隣諸国との様々な問題に直面し、ここ数年の間防衛力整備に力を注いで参りました。秋田県と島根県に配備されたイージス・アショア、各自衛隊基地に配備されましたTHAADもそのひとつであります。時代は想像を超えるスピードで変化しています。その為、我が国も法律の範囲内で最新鋭防衛戦略作戦機の開発を進めて参りました、それが『卑弥呼』と呼ばれる作戦機です、東京ジェノサイドは、この機の開発途中で起こった事故だと当初は考えておりましたが、それは違います。明らかに第三者による我が国への攻撃である可能性が極めて高い。それはすなわち、我が国は現段階において、戦争状態にあるという事なのです。宣戦布告なき戦争です。テロではない、これは明らかな戦争です。敵は未だ姿を隠しています。しかし、いずれは白日の下に晒されるでしょう。敵はこの国に存在しています。日本国内に存在しているのです。私たちは彼等を見つけ出し、法の下で裁きにかける。そして真実を国民の皆様にお伝えする覚悟は出来ています。日本が、日本であるためにです!皆様、お願いです。どんな形でもいい、今まで通り、平然と勇気を持って過ごして下さい。私たち日本人は恐れない!敵を恐れはしない!だから皆様、私に力を貸してください…」
槇村はカメラの前で、涙ながらに頭を下げた。
議員や有識者の多くからは非難の声が上がった。
しかし国民の半数以上は、槇村の切実で素直な態度に共感していた。
この声明と同時刻に、藩より子外務大臣はアメリカへと飛んだ。







