コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼休み。 ぺこらが、購買のパンをトレイに山盛り持って乱入してきた。
「おーい!まつり!、フブちゃん! 購買のパン、めっちゃ争奪戦やったぺこ! ぺこらが命がけでゲットしたこれ、食うやろ!?な!!!」
チョココロネ、メロンパン、カレーパン、なに、めっちゃ豪華やん!
「うわ、ぺこら、すげー! ほんと命がけやね!」
まつりは笑いながら、チョココロネを手に取った。 フブキも、そっとメロンパンを手に持って、
「ぺこちゃん、ありがと…これ、好きなんだよね…」って呟いた。
スバルが、ドタバタ入ってくる。
「おーっ、なんやこのパン祭り!ぺこら、ええ仕事しとるやん!ほな、スバルも混ぜてーや!」
スバルの関西弁、めっちゃ元気。 机の周りに、みんなでワイワイ集まって、パンを分け合いながら笑い声が響く。
「なあ、まつり!さっきフブちゃんと校舎裏でコソコソ何しとったん?なんか怪しいで~!」
スバルがニヤニヤしながら肘でまつりを突つく。
「なんだよ〜!コソコソとかちがうし!フブキがちょっと元気なかったから、励ましとっただけやから!」
まつりはムキになって返すけど、内心、ちょっとドキッとした。
ぺこらが、カレーパンかじりながら口を尖らせた。
「フブちゃん、元気ないとか珍しいやん。いつもキラキラしとるのにぺこ!な、フブちゃんのキラキラ、ホロ学園の宝ぺこでしょ!」
ぺこらの言葉に、教室の他の子たちも 「ほんとそれ!」 「フブキちゃん、めっちゃ癒し!」 って盛り上がる。
フブキが、照れ笑いしながら、
「みんな…ありがと、でも、ほんと、ちょっとだけ…ペットのことで…」 って、言葉を濁した。
まつりは、フブキの笑顔見て、胸がまたチクッとした。 みんながフブキのこと大好きや。 いつも、フブキが中心。 まつりは、ただの賑やかし役。 …そんなん、とっくにわかっとるけど。
教室の隅で、紫咲シオンが静かに本を読んどるのが目に入った。 シオン、いつもちょっと浮いとる感じやけど、今日はなんか目が合う。ニヤッとしたような、冷たい笑顔。
―― まつりちゃん、ほんとにフブちゃんのこと大事?
頭の中で、またあの声。 まつりは、思わずパンを持つ手を止めた。
「…まつりちゃん?どうかしたの?」
フブキが、心配そうに覗き込む。
「なんでもない!ほんと、なんでもないって!」
まつりは慌てて笑顔作って、チョココロネをガブッとかじった。 けど、喉が詰まるみたいに、味があんまり感じられんかった。