放課後。 まつりは、フブキの鞄持って、校門で待っとった。
「フブキ、遅いな…どこ行ったんやろ?」
校庭の向こうで、フブキがすいちゃんと話してるのが見えた。 すいちゃんのキラキラした笑顔と、フブキの柔らかい笑顔。 二人とも、めっちゃ輝いとる。 まつりは、思わず唇を噛んだ。
―― なんで、いつもフブキなんや。
その瞬間、遠くから、ブレーキ音が聞こえた。
―― キキーッ!!
まつりの体が、勝手に動いた。
「フブキ!!」
叫びながら、校庭を走り出す。 心臓がバクバク。 夢と同じや。 絶対、フブキを…!
――まつりちゃん、ほんとに、彼女のこと守りたい? それとも…心のどこかで…
シオンの声が、頭ん中で響く。 まつりは、頭振ってその声を振り払おうとした。 フブキが、校庭の向こうで、すいちゃんと笑いながら歩いとる。 夕陽に照らされて、二人ともキラキラ輝いとる。
校門の近く、トラックが急停車した音。 まつりの足が、勝手に止まった。
「フブちゃん!危ないぺこ!トラックが!」
ぺこらが、息切らしながら叫んだ。 フブキが、驚いた顔で立ち止まる。 すいちゃんが、 「え、なに!?」 って叫んで、フブキの手を引っ張った。
―― ドン 。
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