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私=さく
彼=いくと
「ねー静岡行かない?」
「え?静岡?」
「そうそう!」
「なんで?」
彼になぜかと行かれた。
答えは単純である。
「YouTubeで見たから。」
意味の分からない答えに彼は行ってくれないと思っていた。
しかし彼から返ってきた言葉は予想外にもいいよのひと言だった。
男の子との旅行なんて彼氏ですらしたことが無い。旅行中に喧嘩の可能性もあるのに何も考えずに彼を誘っていた。
彼はプランを用意してくれた。もちろん部屋は別。
泊まるホテル、旅館、行く場所も彼からの提案がほとんどで本当に私から誘ったのかと思う程、彼の組む計画が完璧すぎてびっくりした。
そんなこんなで旅行当日。
2時間半ほど新幹線に揺られて静岡に着く。
ここから2泊3日の静岡旅行。
最初は熱海。その後は伊東、伊豆へ。
静岡と言えばお茶である。
とはいえお茶に詳しい訳でもないから
美味しいものをとりあえず食べた。
海鮮丼、クレープ、そば、ハンバーグ、中華などなど。
美味しいものに溢れる旅はとっても優しい気持ちになれる。
だって美味しいものを食べて不幸な気持ちになることなんてないじゃない?
1泊目の夜、彼を部屋に呼んで一緒にお酒を飲んだ。何を話したかあまり覚えていないのはお酒のせいなのか緊張のせいなのか分からないけど心臓がうるさくてもう寝ると彼を部屋から追い出すようになってしまったことは少し後悔してしまっている。
そんな彼と訪れた山で 小さい祠をみつけた。どうやら縁結びの神さまらしい。
1つ前に並んでいた男の子4人組が俺たちにも出会いがありますように!!とお願いしていたのを微笑ましく眺めていたが
そんな私も彼氏なんていないし彼ともカップルではないのだ。
私がその時したお願いは今この隣に居る彼と良い縁がありますようにだったことは彼は知ってるのかな。
2日目。
彼の提案で朝焼けを見に行くことになった。
「ここ旧千円札にうつってるとこらしいよ?」
という彼がおもむろに取り出したのは全部新千円札でだった。
こんな小さな出来事が愛おしくてたまらなくて好きが増したのは彼にはまだ内緒。
私がそんな気持ちで居ることを知らない彼は、私に問いかける。
「旧千円札持ってる?」と。
「持ってるよ!」
私が出した旧千円札とその景色を比べながらこんな話をした。
この景色はずっと色んな人たちが大事にしてきたんやね。
変わらない景色ってあるんだねと。
春が来て夏が来て秋が来て冬が来る。
そしてまた春へ。
変わらない景色と言いながら少しずつ変わる風景にそれぞれ思いを寄せているから残っている景色なのではないかと今になって思う。
この旅は美味しいご飯と綺麗な風景をたくさん集められた旅だった。
それは彼と食べるから美味しいもの彼と見るから綺麗なものになるような気がしてとても心地よかったんだ。
まだ行けてないところはたくさんある。
その景色を集める時、また彼に隣に居てほしいと心の底から思うんだ。
旅。それは小さな気分転換かもしれないし特別なことかもしれない。
目に見えないけどきっとたくさんの人がその旅に色んな気持ちをのせる。
旅で出会うものを心の宝箱にしまっていく。
その宝箱にしまった宝物を忘れないように何度も記憶で繰り返し眺めるんだ。