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しばらくの間、フクは銃の扱いや武器の使い方を練習し、少しずつ自信をつけていった。
そして、勇気を出してギルドの外に足を踏み出す。目の前に広がるのは、破壊された街並みだった。
ビルの一部が崩れ落ち、瓦礫が散乱している。静寂の中、不気味な足音が響き渡り、遠くで銃声が聞こえた。
「これが、戦場か…」守は緊張感を感じながら、指示されたクエストをこなすことにした。
しかし、クエストを進めている最中、ふと後ろに視線を向けると、モンスターが狙いを定めて近づいてきていた。
焦ったフクは慌てて銃を構えたが、次々と現れるモンスターの数は増えていく。
「ああ、どうしよう!」と心の中で叫ぶ。
その瞬間、援護射撃の音が響き渡った。モンスターが次々と倒れていく。
驚いて振り返ると、そこにはフクとまったく同じ顔とスタイルのアバターが立っていた。
「お、ありがとうございます!」フクは思わず声をかけた。
そのアバターは微笑みながら、「初めての方ですか?」と尋ねる。
「はい、クエストの途中でして」とフクが答えると、相手は
「私はシンシアと申します。同じ顔とスタイルだったので、ほっとけなくて」と言った。
「本当に同じですね」とフクは思わず笑ってしまう。
シンシアから友達登録の申請が届いた。フクはドキドキしながら「OK」を押した。
すると、シンシアのプロフィールが表示された。
「48歳、男性」と書かれているのを見て、フクは一瞬驚いたが、その後すぐに親近感が湧いてきた。
「同世代ですね」とシンシアが言うと、フクは「そうですね、よろしくお願いします」と丁寧に挨拶をした。
彼らのプロフィールは公開されていたため、互いの年齢や性別が確認できたが、特に気にはしなかった。
2人で楽しく狩りをしていると、ふと男性が声をかけてきた。
「こんばんは」
フクは思わず振り返り、目の前にいる男性アバターに視線を向けた。
男性アバターはフクたちよりも明らかに高いレベルのようだった。
彼の自信に満ちた姿に、フクは思わず圧倒される。
「良かったら一緒に退治しない?」と声をかけられ、
フクとシンシアは彼の提案に乗ることにした。彼の名前はセルフ。
彼は強力な武器を持っており、モンスターを一気に倒す姿は圧巻だった。
「すごいですね。」フクは感心しながら言った。
セルフは崩れたビルを指差し、「あそこだったらもっとレベルが上がるよ」と誘ってきた。
フクとシンシアは言われるがまま、ビルの中へと足を踏み入れる。だが、当然のことながら、
そこには高レベルのモンスターが待ち受けていた。セルフだけが頼りの状況だった。
一通りの戦闘が終わった後、セルフが「友達登録してもいいかな?」と申請を送ってきた。
フクは少しドキドキしながらOKを押す。セルフは公開されている2人のプロフィールを見た瞬間、
彼の態度が一変した。
「なーんだ、おっさんかよ」と彼は呟いた。
「え?あはは、すみません。でもセルフさんは強いですね」とフクは何とかフォローしようとしたが、
セルフは「おっさんに用はねーんだよ」と言い残し、そのまま走り去ってしまった。
「なんだ?」フクは驚きながら呟いた。
「ナンパ目的だったのでしょうか?」シンシアが眉をひそめる。
「プロフィールを見たってことですね」とフクは苦笑いしながら言った。
「とりあえずプロフィールは非公開にしておきましょう」とシンシアが提案する。
「そうですね。でも、こんなところに取り残されたんじゃ、どうすることもできませんね」とフクは不安を隠せずに言った。「誰かいませんかね…」
その時、ぴちゃぴちゃ・・・という音が響き渡り、暗闇の中から何かが這いつくばってこちらに向かってくるのが見えた。
音は次第に近づき、何か重たいものが地面を這うように動いているのが感じられる
影がゆっくりと形を成し、恐ろしいほどに不気味な姿が露わになった。
触手のような物が、冷たくしなやかに空気を切り裂きながら進んでくる。
闇に覆われたその存在は、艶のある黒い肌に覆われており、ところどころに歪んだうねりが見えた。
「モンスターだ!」フクは驚いて叫んだ。
すぐに応戦しようとしたが、フクの手は震え、狙いが定まらない。
モンスターの触手は一瞬の隙を見逃さず、容赦なく彼らに襲いかかってきた。
その動きは信じられないほど素早く、フクが必死に銃を構える間にも、触手は彼の腕を巻きつけ、引き寄せていく。
「シンシア、逃げて!」フクは叫んだが、彼女もまた触手に絡め取られていた。
絶望的な状況に2人は焦りながらも、何とか脱出の手段を探ろうとするが、
暗闇の中で彼らの運命はどうなるのか、分からなくなっていった。