テラーノベル
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道端に生えてる草
どこか無機質な、高い天井。
視界の先にあるのは分厚い強化ガラス。その向こう側に、見慣れた4人の姿があった。
フランス、アメリカ、ソ連、国連。
彼らは特に拘束されている様子もなく、ただこちらを見て何かを叫んでいる。
スピーカーから、ひどく加工された不快な機械音が響いた。
「起きたか。ゲームをしてもらう。……りんごを食べるか、4人が死ぬか」
ゲームマスターと名乗る声は、酷く滑稽な二択を突きつけてくる。
なんです? 答えなんて、最初から一つしかありません。
ガラスの向こうで、フランスが顔を真っ赤にして拳で壁を叩いている。口の動きでわかる。
『イギリス💢💢』
他の三人も、必死な形相で何かを叫んでいた。
三人「ーーーー!!!!」
何か言ってますね。なんでしょうか。
一応、聞いてみましょうか。
……いや、無視です。無視。
彼らは私が林檎アレルギーだと知っている。だからそんなに必死なのでしょう。
もとい、私たち「国」や「機関」は簡単には死なない。その国が現在、崩壊していない限りは。アレルギーごときで消滅などしない。……少しばかり、ひどい目に遭うだけです。
だから、そんな今にも泣きそうな顔をしないでください。
ガラスを叩く音がうるさいですね。
私は目の前に用意されていた、瑞々しい赤い果実を手に取った。
スピーカーの向こうのゲームマスターが、勝ち誇ったように「正気か? それはーー」と何か忠告を垂れ流している。
イギリス「そんな忠告こそ」
ガラスの向こうで、フランスがこれ以上ないほど声を荒らげたのが、防音ガラスを突き抜けて響いてきた。
フランス「ブリカス!!!!!💢💢」
その必死な呼び方に、私はまじまじとフランスを見つめ、それから。
ニコ、と。
皮肉と、ほんの少しの安心を込めて微笑んだ。
イギリス「うんざりです」
ーーシャリ。
躊躇いなく林檎をかじると、口いっぱいに甘酸っぱい果汁が広がった。
コメント
1件
さかなさん、第1話拝読しました!もう冒頭から引き込まれました…。国の擬人化って設定がまず面白いし、「りんごを食べるか、4人が死ぬか」っていう非情な二択、イギリスが迷わず林檎を選ぶ潔さがめちゃくちゃ胸に来ました。特にフランスが「ブリカス!!!」って絶叫してるのに、イギリスが皮肉っぽく微笑んで「うんざりです」ってかじるシーン、あのちょっとした安心と諦めが混ざった表情がたまらなく好きです。続きが気になりすぎます…!🍎