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この間にコユキはちゃっかりオルクスに近付いて抱き上げ話し掛けるのであった。
「本当にゴメンだわ、オルクス君…… 傷付けちゃったわね、んでも今のままで十分だって言ったのも本当よ、んでもあそこの齢(よわい)数千万年のヒステリー婆(ババア)にはアタシが悪いって責められちゃってさっ! 謝っているのにね…… 悲しいわ……」
「サンセンチ、ワルク、ナイヨ! ゲンキ、ダシテ」
「ありがとうオルクス君、なんだろうね? ここの所イライラしてるのよね、何だろう? あ、あれかな? ここの所、他の女性キャラが結構活躍しているからとか? やーねー! 女のそう言う所って嫌いだわぁ、醜くまであるわよ! ね、オルクス君」
「ソソ! ヤーネー! ミニクミ、ミニクミィ」
「でしょ? それに良く考えたらアタシはオルクス君以外のメンバーが元々の姿になれるのをさっき知ったばかりじゃない? ビックリしたわよぉ! んで良かったねって気持ちを込めて見せてみてって言っただけじゃない? 勿論オルクス君が出来ないとか想像も出来なかったわけよ、突然の展開過ぎてね! んで謝った訳なんだけどさ、あれじゃない? あの後モラクスとかラマ…… ラマなんだっけか? あの婆…… んーまあリャマで良いか、あのリャマがなんか失礼だとか何とか言ってたじゃあない? それってあれよねー、大きくなれなくて可哀想な、惨めで哀れなオルクス君の前で変身したりしたら悪いじゃん、俺たちアタシ達は出来るけどやらないわ! アイツが居ない所でなら良いけどさー、って意味でしょう? ショックだわ、弟妹なのにね…… 信じられないわ! でも心配しないでね、オルクス君にはアタシと善悪がついているからね!」
「ムッカ! ホントダ、チキショウ! アイツラ、メ!」
「オルクス、我もお前の味方だぞ、安心してくれ」
「当然妾もだよ、酷いよねアイツ達、大丈夫かい? 辛かったら言っておくれよ、妾達は仲間なんだからさ」
「ミ、ミンナ…… アリガトウ」
コユキとオルクス、アスタロトとバアルは友情を再確認したのであった。
その輪の中にいつの間にか加わっていたアジ・ダハーカとシヴァ、大きなままのアヴァドンが無言のまま拍手を始めたのである。
パチパチパチパチ
優しい瞳を交わし合い自然と笑顔を浮かべる一人と六柱はキョトンとした顔で成り行きを見守っていたアルテミスに優しげな声を掛けた。
代表したのはコユキである。
「いらっしゃい、アルテミス、バアルちゃんの部下であると同時にアンタは私達『聖女と愉快な仲間たち』の正規メンバーなんだから、一緒にお話しましょうよ」
「え、でも……」
「ベルゼブブ、妾の近くにおいで、心配しないで良いんだよ」
「あ、はい」
コユキはモラクスとラマシュトゥ、そしてパズスの方に汚らしい物でも見る様な視線を向けて言う。
「今回の発言ではギリギリセーフと認めてあげるわ! パズスいらっしゃいっ!」
「こ、これはどうもっ! ふー、安心しましたぁ! やれやれ、本当嫌ですよねぇー、ヒステリーとか? 後あれなんじゃないですかね? 次兄が言っていた『馬鹿』だとかまともじゃないとかって台詞って、良く思い出してみるとぉー、アヴァドンの事じゃなくてコユキ様の事言っていたんじゃないですかね? どうです?」
コユキはハッとした表情を浮かべて先程のモラクスの発言を思い出していた。
パズスの言う事は強引すぎる気もした。
あそこのだとか兄弟とか、どこに句読点が入るのかが会話からでは完璧に理解する事が出来ないのも簡単に頷く事が出来ない理由であった。
しかし、パズスは味方である。
味方の言があからさまな敵の言葉より優先されるのは仕方が無い事であろう。
コユキは結論を出す事に決めた。
「そうね…… んじゃあ、今回セピアに編入して永遠に別パーティーとするのはリャマとモラ――――」
「そうですねコユキ様ん、今回追放するべきはリャマシュトゥですねん、このモラクスもそう思いますよん」
いつの間にかコユキの右肩に乗っていたモラクスがコユキの頬に身を寄せながら、やや甘えた感じで言ったのである。
コユキは内心で驚き捲っていたのである。
――――何て言う事なの! この僅(わず)か一年ばかりの間にモラクス、パズス、シヴァ、アヴァドンがこれ程成長していたなんて…… 嬉しい誤算だわ! はっ! そうか、この子達の事だから今日の日に備えて必死に色々なシチュエーションを想定して訓練を積んできたのかもしれないわね、ううん、きっとそうよ! 感心したわ、合格よ…… それに比べて…… 成長が見えないなんて、残念だわ…… でも仕方ないわね
「分かったわ、今回を以て『聖女と愉快な仲間たち』から永久追放とするのはリャマ、あれ? 何だっけか? ビクーニャ? んー、まあいいか、アルパカシュトゥ一人ね! 分かったらさっさとどっかに行っちまいな! その面、二度と見せんじゃないわよっ、ぺっ!」
『ぺっ!』