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「すごい……妖夢の剣で潰された大豆が、白だしと混ざって光ってるみたいだぜ」
魔理沙が感心したように桶を覗き込む。妖夢の剣技によって極限まで滑らかになった大豆ペーストは、俺の白だしが持つアミノ酸と触れ合った瞬間、化学反応を超えた「霊的な融合」を始めていた。
「よし、仕上げだ! 霊夢、魔理沙、妖夢! 手を貸せ!」
俺は三人に、樽の周りを囲むように指示した。 普通ならここから数ヶ月、暗い蔵の中で眠らせる工程だ。だが、俺たちの体内には、永遠を司る「蓬莱の力」が脈打っている。
「俺たちが樽に触れて、不老不死の『停滞しない永遠』を流し込む。そうすれば、味噌の中の時間は加速し、一瞬で百年分の深みに到達するはずだ!」
「……よく分からないけど、やってみるわ。これでおいしい味噌汁が飲めるなら安いものよ!」
四人が同時に樽に手を触れた。 瞬間、博麗神社の境内に、黄金色のオーラが渦巻いた。 霊夢の博麗の霊力、魔理沙の魔力、妖夢の真っ直ぐな気。それらが俺の白だしを触媒にして、樽の中の麹菌を爆発的に活性化させていく。
ゴゴゴゴゴ……ッ!!
樽が生き物のように震動し、隙間から「芳醇」なんて言葉では生温いほどの、濃厚な香りが溢れ出した。それは、春の陽だまりのような温かさと、冬を越えた大地の力強さを同時に持った香り。
「……っ、熟成が進んでいく音が聞こえる! 豆が、麹が、白だしと一つになって笑ってるぞ!」
俺が叫んだその時、樽の蓋がパカリと持ち上がり、中から琥珀色に輝く**「不老不死仕様・白だし完熟味噌」**が溢れ出した。
「できた……。本来なら、俺たちが何十回も脱皮して高校生をやり直すほどの時間をかけたはずの、究極の味噌だ!」
妖夢がその香りに、思わずうっとりと目を閉じる。 「……素晴らしい。この味噌には、時の重みと、皆様の情熱が詰まっています。……あ、でも……!」
妖夢がハッとして空を見上げた。
「この香り……! もう幽々子様が、白玉楼の階段を転げ落ちるような勢いでこちらに向かっています! 急いで準備をしないと、神社ごと食べられてしまいます!」