本に負けない

初めての喧嘩？阿部は毎日のように、何かしら本を読むことが習慣になっている。

目黒は夜なら顔が分からないから、散歩に行きたい。

夜の過ごし方が真逆で、今、それで揉めている。

目黒ー本ならいつでも読めるし。

阿部ー散歩こそ、いつでも行けるし。

目黒ー今日は星が綺麗だから、散歩したいなぁ。

阿部ーどうしても、これ読んでしまいたいの。

目黒ーじゃあ、帰る？

阿部ーうん、ごめんね。

あっさり阿部は帰ってしまった。

目黒は面白くない。

散歩に行く気もなくなってしまった。

ユニット曲のMVを観る。

楽しかった。評判も良い。

お風呂に入ろう。

湯を溜めて、ゆっくり入ろう。

目黒ーあひるのおもちゃないけど・・。

風呂の中で、ユニット曲のMVを観てる。

今度、阿部と風呂に入ったら観ようかと思い、いや、ヤキモチ妬くからやめようと思い直す。

渡辺に対して、ヤキモチ妬くけど、このMVを観て、佐久間にもヤキモチ妬いたのだ。

阿部のヤキモチは可愛いから、目黒はわざとユニット曲を観せる。

笑っていたけど、後から、やっぱり嫌と言う。

これが可愛い。目黒はそう思っている。

昔はあんなにヤキモチ妬きじゃなかった。

渡辺が、岩本と6年半以上付き合っていると知っても、渡辺にヤキモチを妬く。

佐久間も、6年くらい前からの「風呂友」だというからヤキモチを妬く。ラウールは週に何度も家に来るらしいからヤキモチ妬く。

目黒が離れて行く不安でもあるのか。誰にでも優しいから、皆んな目黒が好き。メンバーも、メンバー以外も。

それが、阿部を一層不安にさせている。

目黒ー阿部ちゃんだけが好き。

阿部ーほんと？

目黒ーん。阿部ちゃんが1番。

阿部ー2番や3番もいるの？

目黒ー聞かない方がいいと思うよ。

阿部ーう〜。

目黒ー大事なのは阿部ちゃんだけだから、それだけ分かってくれたらいい。

阿部ーん。

練習して帰る時、渡辺と目黒が一緒の移動車に乗り駐車場を出た。

阿部の心がザワッとした。

自分に内緒で、2人で帰って行った。

後から、岩本が鼻に出来た腫瘍を切開したらしかった。

福岡のコンサートには岩本は出ないと言う。

渡辺だけで行くと、ちょっと？と思われたら困る。でも、メインボーカルだから、歌割りの変更をするため会いに行く。渡辺の1番の友達の目黒が一緒でもおかしくない。

目黒のはなしによると、岩本は渡辺を膝から下ろさなかったらしい。

ずっと渡辺に引っ付いていたとか。

渡辺は嫌がったが、岩本は目黒がいても、平気だったらしい。

阿部ー照は大丈夫？

目黒ーん、血流の良くなることはだめだって。

阿部ーじゃあ、翔太は？

目黒ー家に帰ったよ？

阿部ーそうなんだ。

目黒ーだから、こういうことも出来ないの。

そう言って、阿部を引き寄せる。

キスして、阿部を押し倒すと、阿部が目黒の腕から抜け出す。

阿部ー「本屋のイチオシ」っていうのを買ったから読みたいの。

目黒ーだめ。

阿部ーめめ・・。

阿部をもう一度、押し倒し、体重をかけ動けないようにした。

何度もキスをすると、阿部も、諦めて目黒の首に両手をかける。

目黒ー本と俺と、どっちがいい？

阿部ーめめに決まってるじゃん。

目黒ー良かった、本って言われたら立ち直れない。

阿部ー大袈裟な・・んっ・・。

阿部ー本も・・読みたか・・った。

目黒ーふふふ。

阿部ーあっ・・そんなしたら恥ずかしい。

目黒ー飽きさせないし。

阿部ー飽きない・・やだ・・んっ・・。

両足を折り畳み、蕾を舐める。

頭上から、やだ、ばかと聞こえるが、蕾はヒクヒクと期待して蠢いている。

目黒ー自分で両足持って？

阿部ーやだ・・。

目黒ー期待して、透明な液が出てるよ？

阿部ーんっ・・ばか・・はやく・・ちょうだい。

阿部ーはぁはぁ・・やっ・・あぁ・・。

目黒が奥深く入ってくる。

両足を目黒に巻き付け、しがみつく。深く深く繋がる。

阿部ーもっと・・突いて・・。

激しく腰を振りながら、目黒を求める。身体が震えてきた。

阿部ーやぁ・・まだ・・もっと・・。

目黒ーいやらしい・・。

阿部ーちょうだい・・もっと・・はぁはぁ・・。

全身の力が抜けた阿部。

目黒が抱きしめる。

目黒ー本よりいいでしょ？

阿部ーんっ・・もっと・・。

目黒ー何度でも・・。

寝る前に、阿部は気になって、本の1ページ目を見た。

目黒ー寝るよ？

阿部ーう〜ん。

目黒ー本に負けたくないんだけど。

阿部ーふふふ、寝る寝る。

2人でシーツに包まる。

目黒は本に負けたと思わない。

次の朝、阿部の目がちょっと赤かった。

完