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食堂から出た八左ヱ門は、私服に着替えて元々少ない荷物をまとめ、部屋にある大量の虫籠を生物小屋へと運んだ。
「よし、これで終わりだな。」
八左ヱ門は自分のものが何一つ置かれていない自分の元部屋に制服と退学願をおいた。
そして何食わぬ顔で小松田に外出届を出して、学園を出た。
暫く歩いていると約束の滝についた。そこには今朝八左ヱ門に矢羽根を送ってきた使いの男がいた。
「お久しぶりです。遅くなってしまい申し訳ありません。」
「そんなことはどうでもいい。行くぞ。」
「はい。」
八左ヱ門は無表情のまま背を向けて歩いて男を追った。
「入れ。」
城についた八左ヱ門は城主のまつ部屋に入り頭を下げた。
「遅くなってしまいすみません。ただいま戻りました。」
「作戦を決行する。お前には前線で戦ってもらう。」
「はい。」
「学園の見取り図はあるか。」
「こちらに。生物委員会のおかげで怪しまれることなく盗めました。」
「完璧じゃ。明日、学園を落とす。」
「はい。」
顔を上げた八左ヱ門に、迷いなどなかった。