今日が終わるまで

1879年、幕府が崩壊し、新たな時代が始まろうとしていた。日本は戦乱の後、ようやく一息ついたように見えたが、その裏では雅也が新たな政権を発足させるための準備を進めていた。彼が名付けたその政権の名前は「英科朝（えいかちょう）」。

雅也は、イギリスとの関係を断ち切った後、慎重に外交戦略を練っていた。新政府軍の崩壊とともに、彼は自らの力で新しい国家を築くことを決意する。戦の末に得た軍事力、国内の有力者たちの支持を得て、ついに新政権が形を成し始めた。

「英科朝はただの名前ではない。」雅也は自身に言い聞かせるように呟いた。「これからの日本を導く、強い意志を持った新しい国家の象徴だ。」

彼の目の前には、新政府としての枠組みを作るために集められた賢者、軍の司令官、様々な階層からの代表たちが揃っていた。

その中で、加藤は冷静に進行を見守り、ウィリアムは異国の視点から意見を述べていた。

「日本の未来には多くの課題がある。」加藤が言う。「だが、雅也、お前ならそれを乗り越えられるだろう。」

「課題こそが力を育てる。」雅也が答える。彼の目には、誰にも揺るがない決意が宿っていた。

英科朝の設立は、瞬く間に日本全国に影響を及ぼした。旧幕府の残党や各地の有力者たちは、雅也の力強いリーダーシップに引き寄せられ、次々とその支配下に収まった。

また、新たな政治体制を作り上げるため、雅也は自らの手で様々な改革を行った。まずは、封建制度を廃止し、中央集権を確立。商業や産業を促進させ、従来の慣習や制度を改めるための試みが続いた。

「これが新しい時代だ。」雅也は自らの力で、国家の仕組みを作り上げることに誇りを感じていた。「そして、この政権こそが、未来の礎になる。」

だが、政治的な安定を手に入れるためには、国内の強力な反対勢力との対立を避けることはできなかった。古い体制を守ろうとする勢力は、未だにあちこちで蠢いていた。

雅也は国内を固めるだけではなく、外交にも注力していた。最初に目をつけたのは、近隣諸国との関係だ。特に、中国やロシアとの間で新しい同盟を結ぶことが急務とされ、雅也は強力な軍事力と経済力を背景に、交渉を進めていった。

「外交もまた戦いだ。」雅也は自らの戦略に確信を持っていた。「力を示すことで、相手が引き下がる。それが必要な時もある。」

その一方で、国内では賠償連盟のような反対勢力の影響を削ぐため、雅也は内部を一掃する決断を下していた。政府内部の腐敗を排除し、改革を進めるための新しい制度を作り上げていった。

政権発足から半年が経ち、英科朝は急速に影響力を拡大していた。しかし、雅也は満足することなく、更なる目標を掲げていた。

「これで終わりではない。」雅也が静かに言った。「新たな世界を切り開くためには、まだやるべきことが山積みだ。」

その言葉通り、雅也の政権は今後、さらなる試練に直面することとなる。しかし、彼はこれまでの戦いで培った経験と強さをもって、新たな日本を導く覚悟を決めていた。