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部室の空気は、湿気と熱で重い。
夕陽がカーテンの隙間から差し込み、床に長い影を落としている。坂田誠はソファに座らされたまま、両手は後ろで緩く縄で縛られている。
きつくはない。
ただ、解こうとすればするほど、縄が肌に食い込んで、微かな摩擦が神経を刺激する。「先輩……動かないでくださいね」志村新が、誠の正面に膝立ちで近づく。
いつも胃を押さえて叫ぶメガネの瞳が、今日は静かに燃えている。
指先が、誠の膝の上に置かれた木刀に触れる。
触れるだけ。
そのまま、ゆっくりと指を滑らせて、誠の太腿の外側へ。触れない。
あと1センチのところで止まる。「っ……新八、何だよ……」誠の声が掠れる。
死んだ魚の目が、初めて明確に揺らぐ。新八は微笑む。
優しい、でも残酷な微笑み。「先輩のここ、いつも隠してるけど……触られたらどうなるか、知りたいんです」指が、また1ミリ近づく。
誠の太腿の筋肉が、ピクッと緊張する。そこへ、レゼが背後から音もなく寄り添う。
チョーカーを指で弄びながら、誠の耳元に唇を寄せる。
息だけが、熱く湿って耳朶を撫でる。「誠くん……逃げないで?
まだ、何もしてないのに……もうこんなに震えてる」レゼの息が、耳の奥まで入り込む。
舌は出さない。
ただ、息の熱と湿り気だけで、誠の耳を犯す。誠の肩がビクンと跳ねる。「レゼ……やめ……」「やめないよ。
だって、誠くんのここ……一番弱いって、知ってるから」レゼの指が、誠の首筋をなぞる。
爪を立てず、ただ指の腹で、ゆっくり円を描く。
鎖骨のくぼみまで下りて、また上に戻る。
決して、敏感な突起には触れない。誠の息が乱れる。
喉がゴクリと鳴る音が、部室に響く。新八が、誠のシャツの裾を指で摘む。
たくし上げる。
腹筋が露わになる。
でも、そこで止める。「先輩の肌……熱いですね。
ここ、触ったら……どんな声、出します?」新八の息が、誠の腹に当たる。
温かい息が、肌を撫でる。
舌は出さない。
ただ、息だけで、誠の腹筋を震わせる。「う……っ」誠の腰が、無意識に浮く。
縄がきしむ音がする。レゼが誠の顎を優しく掴み、顔を上げさせる。
瞳が近い。
睫毛が触れそうな距離で、レゼは囁く。「誠くん、目が潤んでる。
まだ触ってないのに……もう限界?」レゼの唇が、誠の唇のすぐ横を通り過ぎる。
触れそうで触れない。
息が混じり合う距離で、止まる。「ん……っ」誠の唇が震える。
無意識に、舌が唇を湿らせる。新八が、後ろから誠の首筋に息を吹きかける。
ゆっくり、首の後ろから肩へ。
そして、耳の裏へ。「先輩、俺のツッコミ、いつも無視してましたよね。
今日は……全部、返してもらいます」新八の指が、誠の脇腹のすぐ横を通る。
触れそうで触れない。
誠の体が、ビクビクと痙攣するように震える。レゼが、誠の胸のすぐ上で指を止める。
乳首の周りを、円を描くように回す。
1センチ、0.5センチ……
でも、決して中心には触れない。「ここ、触ってほしい?」レゼの声が甘い。「……触って……くれ……」誠の声が、初めて小さく漏れる。新八が耳元で囁く。「先輩、素直になりましたね。
でも……まだダメです」新八の指が、誠の内腿の付け根近くまで下りる。
あと数ミリで、もっと敏感な部分に届くところで止まる。誠の腰が、無意識に前へ突き出る。
でも、触れられない。「っ……あ……お願い……」レゼが満足げに笑う。「ふふ、誠くんの『銀さん』……もういないね。
今はただ、焦らされて震えるだけの、かわいい子」レゼの唇が、誠の唇の端に、ほんのわずか触れる。
キスではない。
触れたか触れないかの、境界線。誠の体が、弓なりに反る。「もう……限界……」部室の中は、三人の吐息と、誠の抑えきれない小さな喘ぎだけ。外では文化祭の準備音が遠く聞こえる。
でもこの空間だけは、
触れそうで触れない焦らしが、
誠の理性を、ゆっくり、確実に溶かしていく。まだ、何も始まっていない。
これからが、本番だ。