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「ごめんね、最近ちょっと忙しくてさ〜」
いつもの笑顔なのに、どこか無理してる。
前みたいに甘えてこなくなって、距離も保つようになる。
「国のこと、ちゃんとしなきゃだから」
そう言うけど、別れ際に小さく手を振る指が震えている。
本当は、離れるのが一番怖い。
明確に線を引いてくる。
「これ以上、私情を挟むわけにはいかない」
声は硬く、視線も合わない。
「国としての判断だ。理解しろ」
そう言い切ったあと、拳を強く握りしめている。
自分が壊れるより、距離を選んだ。
「……しばらく、お会いするのは控えましょう」
静かで、穏やかで、でも決定的。
「国を背負う身として、情に溺れるわけには参りません」
深く頭を下げたまま、顔を上げない。
あなたを想っているからこそ、退く。
「ちょっと距離置こうぜ!」
明るく言うけど、笑顔が不自然。
「ヒーローは世界を守るのが仕事だろ?」
冗談みたいに言って背を向ける。
本音を言ったら、離れられなくなるから。
「……これ以上関わるな」
ぶっきらぼうで、冷たい。
「俺は国だ。個人じゃねぇ」
本当は言いたくない言葉を並べて、わざと突き放す。
去り際、深く息を吐く音だけが残る。
「君のそばにいたいよ」
正直に言ってから、微笑む。
「でもね、それは許されない」
国としての立場を理由に、一歩下がる。
「……大人はずるいだろ?」
自嘲気味に笑う。
「君を守るためだよ」
低く、静かな声。
「僕がそばにいると、危険になる」
距離を取るのに、視線だけは離さない。
「……それでも好きなのは、変わらない」
「しばらく会わない方がいいアル」
軽い口調なのに、目は真剣。
「国は感情より重いアル」
頭をぽんと撫でてから、すぐに手を引っ込める。
触れたら、戻れなくなる。
「近づくなって言ってんだろ!」
荒い言葉で突き放す。
「俺は国だ!お前の恋人じゃねぇ!」
怒鳴ったあと、顔を歪める。
一番不器用な別れ方。
「……ごめん」
それだけ言って、距離を取る。
「国として、正しくありたいんだ」
小さな声で、必死に言い聞かせる。
本当は、あなたのそばが一番安心できるのに。
「悪ぃな」
苦笑して、距離を置く。
「俺、国なんだわ」
軽く言うけど、目は真剣。
「……本当は、離れたくねぇけど」
「今は、あかん」
優しく、でもはっきり言う。
「国を優先せな、あかん時期や」
笑って手を振るけど、背中が少し丸まっている。
守るために、手放す。
「お前のこと巻き込みたくないんよ」
静かに言って、一歩引く。
「国の影は、重いからなぁ」
穏やかな声ほど、決意が伝わる。
「……それでも、絶対忘れないから」