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速報が流れたあと、ストーカーの襲撃未遂事件は、その日のニュースで大々的に取り上げられた。
病院から出るあたしの顔を、たくさんの報道陣が狙い、あたしは悲しげな表情を見せてカメラから目をそらした。
事務所が言ったように、その効果はすぐに現れた。
今まで、あたしのことなんか知らなかった主婦層や、高齢者にまで、七瀬リオの名前はあますところなく知れ渡った。
ニュースで「七瀬リオの事件をどう思われますか？」とレポーターに聞かれた、あるおばさんは、
「かわいそうよねぇー……」と、眉尻を下げて口にして、
「七瀬リオちゃん、恐かったでしょうに」と、心底心配そうな顔をカメラへ向けた。
そうしてこの事件をきっかけにして、人気はあっても応援してくれるのは10代ばかりだったあたしの元には、「今まで名前も知らなかった」という年代から、七瀬リオを応援する声が届くようになった。
それからあたしの人気はさらに幅広く、いよいよ全国区にも及んでいった。
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