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「んー、、、そろそろ染め直した方がいいかな、、、」
コンビニ袋を、手に下げて帰路に着く。
髪の毛をくるくるいじって呟く。
「はぁ、、、もうちょっと我慢するかぁ」
溜息を吐いて、青になった信号を見て歩く。
「ねぇ、お母さん。あの人クラゲさんみたぁい」
前から来た小さい男の子が私を指差しながら言う。
お母さんらしき人と一瞬目が合い、すみませんと言いたげな顔だった。
ニコッと微笑み、親子の横を通り過ぎる。
「クラゲみたい、ね、、、」
あの男の子が言っていたことは、あながち間違っていない。
私には、〝海月〟と〝天使〟のDNAが入っているから。
、、、それに、私の名前は〝深海月 杏珠〟
又の名を、ミクラゲ。
「外見が海月寄りだから髪染めとけばいいんだけど、、、」
なんなら、外見に天使要素はない、、、まぁ、羽とか生えてたら確実に外へは出られない。
難しいことはおいといて、簡単に言うと私は転生者で〝混血児〟のままこの世界に来てしまったらしい。
そして、この世界では不思議な生物が時折姿を現す。
『グウォォォッッ』
「、、、またか」
異宙人でもない、混血児でもない。
そして、、、
「ひっい、いきなり建物がっ」「おかーさん、揺れてる、、、怖いよぉ」「な、なんだ!?」
私以外にこの化け物を認知出来ている人がいないということ。
今まで、あれと何度か遭遇しているが視えている人に出会っていない。
「、ッ、、、逃げないと」
走り去ろうとした瞬間、私の耳に幼い悲鳴が聞こえてきた。
振り向くと、先程私のことを「クラゲみたい」と言っていた男の子が涙を流して倒れている。
お母さんらしき人もいない中、周りは男の子を一切きにしていない。
「おかあ、さん、、、怖いよぉ、ッ」
「助け、ないと、、、ッ」
恐怖で足が震える、、、だけど、今も尚こちらに近づいている化け物と倒れている男の子を前に逃げるだなんて出来ない。
私は人の流れに逆らい、男の子に手を伸ばす。
「?、、、クラゲさん?」
「、、、そうだよ、今からお母さんの所に連れて行ってあげるから少し動けるかな」
男の子は元気よく返事をして、必死に立ち上がろうとする。
『レイアツジャナイ、オイシソウ』
私達のいた場所が影に隠れ、そんな声が聞こえた。
後ろには、ニタニタとしている化け物がいた。
男の子が立ち上がるのと、化け物が手を上げるのが同時だった。
「、、、ふっ」
「クラゲさん、、、?」
男の子を抱きしめ、地面に自分の手を置く。
そこから、海月が出てきて私達を包み込み間一髪で化け物から身を守った。
、、、それよりも、こいつの先程の発言。
ー
『レイアツジャナイ、オイシソウ』
ー
レイアツ、が何かは分からないがこの化け物は。
「(私を見て言っていた、、、?)」
もし、こいつの狙いが私ならこの子を巻き込むわけにはいかない。
今も心配そうに私を見ているこの子だけは逃がせてあげたい、、、
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