テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
僕はハゲと別れた後、タクシーに乗って家へ向かう。
今日はまさか高校時代のやつらに会うとは思わなかったぜ。
小田と豪元。
あと……あれは大神だろ?
遠い席だったが、多分そうだろ。
大沢と一緒にいたからな。
やはり同じ穴のムジナってことだ。
あのクソ女程ではないが、あいつも僕の事を見下しやがって……。
僕はあの三重グループの跡取りなんだぞ。
金ならいくらでもある。
金さえあれば何もかも思い通りにすることができる。
そういえば、小田と豪元は大沢や佐藤とバンド組んでたっけな。
大沢は俺のことを散々利用された挙句、捨てやがった。
初めて臭いのにキャバ誘われた時、まさか再会するとは思わなかった……。
あいつ……昔のことは無かったかのように話かけてきたな。
罪悪感っていう感情が欠如してるんじゃないのか?
まあ人間は自分が1番が可愛いからな。
僕だってそうだ。
しかし、あの時はまたやらかしちまった。
あの顔と胸にムラっときちまって、またやっちまった。
ちくしょー。
あのギターもあいつが欲しいって言ったから買ってやったのに「あたし、ギター弾けないから」とか言って受け取らなかったものだ。
まあいいか。
あれはインテリアとしては良いから、無駄にはならなかったからな。
弾く気はないけど。
豪元は相変わらず変わってなかった。
名前を間違えるのはむかつくが、いい兄貴分的存在だった。
佐藤程ではないが、頼りにする奴が多かった。
外面だけはいい佐藤とは大違いだ。
高校の時……あのことを知っていればバラしてやったのに。
そしたらあいつの評判は地に落ちてただろうな。
あの仮面が剥がれたところを見たかったが、今はどうでもいい。
小田は……。
やはりあいつも気に入らない。
一時期とはいえ、あの女と付き合いやがって。
ハゲはあいつも引き抜くことを提案しているが、それはないな。
役に立たなそうだし。
あいつはもっとどん底に沈んでいいだろ。
そう考えてたら自宅に着いた。
昔のことを思い出したら見たくなっちまった。
お気に入りの映画を。
風呂入ってから見るか。
47
#ミステリー
鬼霧宗作
686
みおん
5,211
コメント
3件
うわあ……第36幕、読み終えました。 主人公の「金さえあれば何もかも思い通りにできる」っていう言葉、すごく胸に刺さった。でも実際は金じゃどうにもならない過去とか感情に振り回されてる感じが切なくて……大沢との思い出にムラっときちゃうところとか、自己嫌悪してるのに止められないもどかしさがリアルすぎる。 ギターを受け取らなかったエピソード、買った側としてはかなり傷つくよね。小田と豪元に対する嫉妬と憎しみの混ざった感情も重くて。Augusteさんの描く人間のドロドロした内面、毎回引き込まれます。次もじっくり読ませてくださいね🌙