杏葉(あずは)が、ひとりの男の子と出会ったのは、小学校の入学式。
彼の名前をフルネームで知ったのは、それから4年後のこと。
安藤(あんどう) 空太(くうた)。
5年生になって、同じクラスになったのがきっかけ。
でも、それまでの4年間、何度も目が合った。
何度も 微笑(ほほ)み合った。
ただ、言葉をかわさず、名前を知らなかっただけで。
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第90話 小さな杏葉
「ありがとう」
同じクラスになって、初めて交わした言葉だった。
教室に入って、すぐそこにいた空太に、杏葉は声をかけたのだ。
空太は、ぽかんとしたけど、すぐに思い出したようで、
「どういたしまして」
と、笑った。
「えっと、 三芳(みよし)さん?」
まだ、自己紹介をしていないけれど、空太に呼ばれる。
少し驚いたけど、嬉しかった。
だから、イタ*******************
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