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カイドウたちが航海しはじめてから約10年が経ったある日。
『見えて来だぞ〜!ウォーターセブン!』船員の1人が声を上げた途端に次々と歓声があがる。
『やっとか』アマガサもそれを見てそう呟いた。
(ほんと、どんだけ時間かけてんだよ普通なら半年もかかんねぇはずだ、まぁこの狭い船ともおさらばだがな)アマガサは心の中で愚痴を言いつつ嬉しそうな表情をしていた。
その時(そうだ!)と思いアマガサはサイエンに話しかけた。『お前の武器開発のスペースもようやく増えそうだなサイエン!ん?おーいサイエン?』アマガサが何度かサイエンの名前を呼んだときサイエンは気づいた。『えっ、あぁ…そうっすね…』サイエンはいつもと違い少しぼんやりしていた。
『お前、大丈夫か?』そう言いアマガサはサイエンの顔を覗き込んだ。
『だ、大丈夫っすよ、それより腕の良い船大工の情報仕入れておきましたよ!』そう言いサイエンはアマガサに一枚のチラシを渡した。
『おっ!サンキュ、カイドウに渡しとくわ!』そう言ってその場を離れた後アマガサはそのチラシを見つめた。
(トムズ・ワーカーズ、ウォーターセブンで1番の船大工だと!?サイエンのやつ良い情報手にいれたなぁ!)アマガサはサイエンの情報提供力に感心した。
(そういや船作るのに金がいるけどいくらだろうなとりあえずこれをカイドウに渡すついでに船に出せる金額も聞いとくか〜)アマガサは少し疑問を浮かべながらカイドウの元へ向かった。
『カイドウ!良いチラシがあったぜ!』とカイドウにチラシをパスした。
『ほう…』カイドウはそのチラシを見て何か考えていた。
『なぁカイドウ、俺たちは船にいくらまで出せるんだ?』アマガサは疑問に思っていたことをカイドウに聞いた。
『ざっと…5億ってところだ』それを聞いた瞬間アマガサは驚きのあまり飛び上がった。
『ご、ご、5億だと!?俺たちが持ってるほぼ全財産じゃねぇか!?そんなに使って大丈夫かよ!?』アマガサは急に不安になりカイドウに聞き返した。
だがなんど聞き返してもカイドウは『問題ない』としか答えない。
アマガサはとうとう呆れてその場をさってしまった。
『おいサイエンお前に船を買いに行かせる、とりあえず船の分の金渡しておくぜ』そう言ってアマガサがサイエンに金を渡した瞬間サイエンが叫んだ。
『ご、5億ベリー!?正気ですか!?』サイエンは信じられないという顔をしながらアマガサを見つめる。
『カイドウさんに聞いたけど問題ないとしか言わないんだよ』それを聞いたサイエンはアマガサに対しこう言った。
『こんなモン3億で十分すよ!とりあえずこの2億は返します』そう言ってサイエンはアマガサに2億ベリーを返した。
『あぁそうだな、この2億はカイドウさんに返しとくよ』そう言ってアマガサはその場を去った。
その後サイエンは3億ベリーを持ち、トムズ・ワーカーズへと立ち寄った。
『ここか…』ガチャ、『いらっしゃい!船作りならドン!とまかせろ!』ドアを開けた瞬間勢いのある声が聞こえてきた。
そこには一人、トムという魚人族の男が立っていた。
『オッサン!この3億で数千人が乗れる船を作ってくれ!』サイエンはそう言いトムに金を渡した。
『あいよ!ん?お前さんその後ろにいるガキは?』そう言われサイエンが後ろに振り返るとそこにはフラムがいた。
『おい!フラム船でじっとしとけつったろ!』とサイエンはフラムに怒鳴った。
『嫌だね!海賊の言うことなんて聞くもんか!』そう言いフラムはサイエンを睨んだ。
『うるせぇ!黙ってろ!すいません今日のところは失礼します』そう言いサイエンはフラムを引きずりながら帰っていった。
次の日、早速トムはサイエンに頼まれた船の作成に取り掛かった、そこへサイエンが様子を見にやってきた。
『おいおい、急かさないでくれよ』トムが困った顔をしてそう言った。
『急かしてるわけじゃない、少し手伝わしてほしいんだ』サイエンがそう言うとトムは『なんだそんなことかい、好きにしな』と快く答えた。
その後サイエンはトムを手伝うようになり、ある日トムと船作りの休憩中に近くのバーに入った。
バーに入って酒を飲んでいるとトムが突然話始めた。
『そういや、お前さんの子供がよ最近よく作業終わりに遊びに来るんだわ、そしたらよう船作りを学ばしてほしいとかいっていざ教えたらあいつみるみる船作りの技術を磨いてよ、あいつは船大工としての才能はピカイチだぜ』そう言いトムは目を光らせサイエンの方を向いた。
『そうか…』それを聞いたサイエンは俯いて何かを考えていた。
それから数日後カイドウはアルベルと共にウォーターセブンの闇市へと来ていた。
『あいつ…!カイドウじゃねえか!?なんでこんなところに!?』闇市に来ていたならず者たちからは驚きの声が上がった。
この日カイドウは船代の余った2億ベリーで武器などを調達しようとしていた。
その時、カイドウが一つの貼り紙を見つけた。
『月一オークション 今月の商品 ヒトヒトの実 モデル酒呑童子…か』カイドウはそれを見てそう呟いた。
『アルベル!この悪魔の実なんとしてでも手に入れるぞ』そう言いカイドウとアルベルはオークションの部屋へと向かった。
そこにはたくさんのならず者たちが商品を狙いに集まっていた、そこには名が知れたならず者も見当たりとても大きなオークションということをカイドウは認識した。
そしてようやくオークションが始まった。
『5000万ベリー!』一人の男がそう叫ぶ。
『8000万ベリーで買うえ〜!』と一人の男が叫ぶと周りからはなんでお前みたいなやつがいるんだよと視線が集まる。
それを遮るように別の男が『1億ベリー』と叫んだ。
その次にまた別の男が『1億5000万ベリー』と叫ぶ。
『皆んな前のめりだな』アルベルがそう言った瞬間、『2億ベリー!』とカイドウが叫んだ。
その瞬間あたりは静まり商品はカイドウが落札した。
『やりましたね!カイドウさん!』アルベルが興奮気味でそう叫ぶ。
そうしてカイドウが商品を持ち帰りその場を去ろうとしたときだった。
『おい待てよ、その商品俺たちに置いてきな』
と後ろから声をかけられる。
カイドウたちが振り返った瞬間3人の男たちが剣を振りかざしてきた。
カイドウたちはそれを躱わす。
『お前たちはカクタス海賊団!?』
カクタス海賊団、アラバスタ王国を支配する海賊団、後にクロコダイル率いるバロックワークスに敗北し、アラバスタから追放される。
船長 キンシャチ懸賞金2億3800万ベリー、ロギア系カクカクの実のサボテン人間。
副船長 ヒボタン懸賞金6820万ベリー、シャムシールの使い手。
参謀 ランポウ懸賞金2680万ベリー、アフェナの使い手。
そうしてカクタス海賊団とカイドウたちが睨み合う、次の瞬間キンシャチらがカイドウに飛びかかった、それに続き『火皇天!』そう言いアルベルは剣に炎を纏いキンシャチたちに切り掛かるヒボタンとランポウはその攻撃を受け止めるがキンシャチはそれを乗り越えカイドウの方へ向かっていく。
『カクタスソード!』そう言いキンシャチはサボテン型の剣を取り出す。
次の瞬間、『白桃一閃!』そういいキンシャチはカイドウに切り掛かった。
カイドウはそれを金棒で受けて弾き返す、その直後『雷鳴八卦!』『グハァ!』カイドウは金棒でキンシャチを叩き潰した。
『やべぇよ、こんな奴らとやり合うなんて無理だ』そう言いランポウはヒボタンと共にキンシャチを連れ逃げていった。
その後一悶着あったがカイドウたちは無事、船に戻った。
次の日 サイエンはトムをトムズ・ワーカーズから少し離れた場所へ呼び出していた。
『どうした船は完成間近だし、お前のちびっこは店で遊んでいるぞ』とトムは話す。
『あぁ、フラムのことなんだが』とサイエンが話を持ち出す。
『フラムをあんたに育てて欲しいんだ』そう言いサイエンはトムを真剣な顔つきで見つめた。
『いきなりどうした!?』トムが慌てて聞き返す。
『俺は今まではカイドウさんのところに居候させてもらってたが、これからは正式に船員としてカイドウさんの海賊団に入るつもりだ、だがこのままフラムも共に航海を続けたらあいつに危険が及んじまう、だから俺はあいつをあんたに育ててほしい!』そう言いサイエンはトムに頭を下げた。
トムは少し考えた後サイエンにこう話した。
『わかった、その話引き受けよう、アイツは俺が船大工として立派に育てる』それを聞いたサイエンは涙を流しながら『ありがとう、ありがとう』と何度も礼を言いその場を後にした。
そうして船が完成し、いよいよ旅立ちの時がきた。
トムもそれを見送りに港まで来ていた。
『お前の息子は俺が育てる』とトムはサイエンに言った。
『あぁ、ありがとう』そう言い2人は握手し、その場を離れた。
『オメェら行くぞー!!』カイドウが叫んだ直後『オォー!!!』と船員たちが叫ぶ。その後カイドウが叫んだ。
『これより船員3名を大看板という大幹部に命ずる』カイドウが叫んだとたん数人の船員たちの心が期待に満ちる。
『一人目!モンテロ!お前はこれからジャックと名乗れ!』そう言われたジャックは『見ろオメェら!下っぱだった俺が今となっては大幹部だ!』と叫ぶ。
『二人目!サイエン!お前はこれからクイーンと名乗れ』それに対してサイエンは『ムハハハハ!当然の結果だ!』と言い堂々と胸を張った。
『そして三人目!アルベル!お前はこれからキングと名乗れ!』それを聞いたアルベルは『名前が変わってもついていきます、カイドウさん!』と快く答えた。
『そしてアマガサ!』とカイドウが叫ぶ。
『お前は副船長だ、大看板の座を渡すことは不可能だがお前にこれをやる』そう言いカイドウはアマガサに木箱を渡した。
アマガサはその木箱を開けると中には実は赤く角のようなツタが生えた悪魔の実がはいっていた。
『悪魔の実!?俺にくれるのか!?』アマガサがカイドウに聞くと『ヒトヒトの実 モデル酒呑童子、ゾオン系の悪魔の実ださぁ早く食え』とアマガサを急かした。
『わかった、いただくよ』アマガサはそれを口にした瞬間、顔をしかめ、嗚咽したがなんとか飲み込んだ。
『何も変わったところはないな』とアマガサは呟く。
『戦闘する内に慣れていくさ』とカイドウはアマガサに言った。
『そして最後に!』とカイドウが叫ぶ。
『俺たちはこれから百獣海賊団と名乗る!いいな!?』と船員たちの目をみた。
『オォウ!』と船員たちが応える。そうして今ここに未来の四皇、百獣海賊団が結成された。
それから数日後カイドウたちは新世界へ戻ろうとしていた、その時アルベルが呟く『おい手配書だ』アマガサはそれを聞き落ちていた手配書を拾い上げた。
百獣海賊団、カイドウ 23億5000万ベリー。
キング 7億1000万ベリー。
アマガサ 7億ベリー。
クイーン 5億3120万ベリー。
ジャック 2億9000万ベリー。
それを一緒に見ていたモンテロが叫ぶ。
『すげぇ俺たち皆んなめっちゃ上がってるぞ!』それを聞いたカイドウはこう叫んだ。
『オメェら!四皇までもう一踏ん張りだ行くぞー!』『オォー!!』
第5話 完