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ただいま
玄関から聞こえる声。
少し小走りでそちらに向かえば、私の顔を見た途端、
顔がゆるっゆるになるその人。
『…その顔どうにかなりませんか。
国民的アイドルの
“渡辺翔太”さん』
渡辺「無理。」
ニヤけたまんま、冬でも何故か履いているサンダルを脱ぎ捨てて、
私のことをぎゅってする。
渡辺「好きな子が目の前にいて”おかえり”って言ってくれて
そんなの嬉しくないわけがなくない?」
『…おかえりって言ってませんけど、』
渡辺「じゃあ言って今すぐ。3、2、」
『、おかえりなさい』
渡辺「んふ。ただいま」
私の首元に顔を埋め、すうーって大きく吸い込んでくるから、
ぺちんと後頭部を叩けば、「いてっ」って言うけれど、
その大きな深呼吸は2回ほど続いて。
満足したのか顔を上げれば、再びニヤニヤした顔。
『もう、』
渡辺「んふふふふ」
『…もーーーっ!』
今度は私が彼の胸元にぎゅっと飛び込めば、
やっぱり優しくぎゅっとしてくれて。
渡辺「はーぁ、好き。」
『…恥ずかしいのに』
渡辺「いいじゃん。2人きりだもん」
『…ん、』
渡辺「…よし。今日も〇〇の”でれ”が見れて最高でした。」
そして、ひょい、と私を担ぎあげる彼。
『っちょ、!ご飯作ってる最中!』
渡辺「俺今日”こっち”から食べたい気分」
そう言いながら私のおしりをぽんぽんと触ってくるから、
担がれたまま背中をぺちぺち叩く。
『…疲れてるんじゃないの?今日ロケだったじゃん』
渡辺「お前が入れた仕事だろうが」
『だから疲れてるんじゃないの?って聞いてるじゃん!』
渡辺「疲れてるよ?誰かさんが入れた仕事が忙しくて疲れたから
その責任を取って欲しくてここに直帰したの。わかる?」
『…今日は私が”上”ってこと?』
ちょっと意地悪くそんなことを言ってみれば、
渡辺「…んふふ。変態。」
そんなこと言いながら、優しくベットに寝かせてくれるから。
…今日は私が、頑張ってあげようかな。