テラーノベル
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その日の夜。3人を乗せたキャンピングカーを街の外れにある駐車場に停め、シートを倒してベッド代わりにする。
アクセルの長い銀髪が広がる。クルミの短めな茶髪から、ほんのりシトラスの香りがする。2人に挟まれるように、紫髪のレオンが寝転がる。
アクセル「なぁレオン。このキャンピングカー…天井にも窓があるんだな。」
レオン「?」
一瞬、レオンにはアクセルが何を言おうとしているのか理解しきれなかった。
アクセル「いや…そこから見える星が綺麗だと思ったんだ。」
アクセルが言おうとしていたのは、天井にある窓から見えた満天の星空についてだったようだ。
確かに綺麗だった。街灯の灯りひとつなく、灯りは星と月だけだった。
隣からはクルミの静かな寝息が聞こえる。疲れて寝てしまったのだろう。
アクセル「ま、そんなロマンチックな言葉は…俺っちには向いてねぇけどな。明日からもよろしくな!」
アクセルは照れ隠しのようにレオンにそう言い、静かに眠りについた。2人の間に挟まれたまま、レオンは寝付けなかった。
頭の中に、何か違和感がある。
記憶…12歳以前の記憶。
思い出せそうなのに、浮かびそうにない記憶。
どうして?
物心ついた頃…というより、記憶が始まったところ。
その時点で、このキャンピングカーに住んでいた。運転の仕方も、なぜか理解していたのだ。
12歳以前の記憶。それは壊れたテレビのような、映像が乱れて全く見えないような。比喩するなら砂嵐。
浮かんでは消える、全く意味を知らないワードたち。それを無理に思い出そうとするだけ頭が痛くて、レオンは静かに眠りに落ちた。
コメント
1件
久しぶりに読みに来ました、みぅです🖤 今回、レオンの過去の“砂嵐”……すごく切なかったです。 星空を見上げるシーン、アクセルが照れて「俺っちには向いてねぇ」って言うところ、なんでか胸がギュッとしました。 優しさって、こんな風に不器用に滲むんだなって。 でも、何より気になったのは、レオンの12歳より前の記憶。 断片的なワードだけが浮かんで、痛みを伴う“砂嵐”……これ、絶対何かあるよね。 次、どうなるんだろう、すごく気になります。