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#七つの大罪シリーズ
夢野 ゆみ
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俺の彼氏は、殺されたわけじゃない。
ただ、宗教に心を奪われた。
少しずつ、少しずつ、
俺の知っていたあいつじゃなくなっていった。
最後には、俺の声さえ届かなかった。
空色を見るだけで思い出す。
あの日の笑顔。
あの日の言葉。
そして、戻らなかった時間。
俺は空色を呪っていた。
物悲しく荒れた空を望んで、
「全部消えてしまえばいい」なんて思った。
いつだって持ち堪えてきた魂も、
とうとう音を上げそうだった。
錆びついて、ぼろぼろになった鎧を、
俺はいつまで着込むんだろう。
ただひとつ、
透き通っていた誠心さえ、
俺は守りきれなかった。
(流れ出す血と、涙、涙)
(俺を暗く、暗く染める)
冷たい身体を、
そのまま絶望へ向かわせるのか。
今、終わるのか。
――違う。
俺は復讐できなかった。
できなかったんじゃない。
しなかった。
あいつを奪ったものと同じ場所へ、
俺まで落ちたくなかった。
「仕留めるべき仇は、あいつらじゃない」
俺が睨んだのは、
鏡の中の自分だった。
彼らは笑っていた。
俺たちの宝物だった時間を、
まるで最初から存在しなかったみたいに扱って。
(知らないか。)
(俺は全部、覚えている。)
重なる月日は、
俺を癒やしてはくれなかった。
けれど――
終わらせる必要もなかった。
「やめよう」
あいつが奪われた未来を、
何度惜しんでも戻ってこない。
だから俺は、
その未来の続きを自分で歩く。
(邪魔をするなよ、涙。)
(俺はまだ、ここにいる。)
刃は抜かなかった。
代わりに、
握りしめていた拳をゆっくり開いた。
憎しみを捨てることは、
許すことじゃない。
忘れることでもない。
ただ――
俺の一生まで、
あいつらに奪わせない。
(流れ出す血と、涙、涙。)
(それでも俺の心臓は、まだ鳴っている。)
斬り伏せるのは誰かじゃない。
昨日までの、
壊れかけた俺自身だ。
俺は歩く。
復讐できなかった男として。
そして――
まだ終わってはいない。
俺の一生は。
コメント
9件
旧統一教会secondパート?
うわぁ…第4話、めっちゃ重くて深くて泣きそうになったよ😭💔 「復讐できなかったんじゃない、しなかった」ってとこ、グッときた。 自分を♡♡♡ずに、憎しみに飲まれずに、ちゃんと歩き出そうとする強さが伝わってくる…! 最後の「俺の一生は。」で終わる余韻がまたエモすぎる〜〜✨ まだ終わってない、この先が気になるよ! ゆめかも応援してるからね📖💕