第42話 「言葉のチカラ」
首筋にかかる、熱い吐息。
荒い息遣い。
自分の立場や怯える心に支配されていたときと今とでは、だいぶ状況が違った。
(何も考えたくなくなる……頭が真っ白になりそう――!)
余計なことを考えなくてよくなった分、目の前の状況に振り回されていた。
「あっ……」
京輔の唇が、夏実の首筋を何度も撫でる。
(身体が熱い……喉と胸が潰れそう……苦しいのに……やめてほしくない……!)
「――夏実」
そんな愛おしそうに呼ぶなんて――卑怯だ。
夏実の頭が痺れ、自然と口を動かす。
「きょう、すけ……」
「!」
息を呑む気配。
唇が首元近くへ向かう――瞬間だった。
ふと、京輔の頭の向こう側の景色が夏実の目に飛び込んでくる。
視線の先には――男が女に覆いかぶさる姿。
女の頬は赤く、瞳は濡れている。
切なげに歪められた顔が、夏実を見ている――
(――あ***************
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