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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
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ねむ
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旅館のオーナー路郎の父親の部屋で、「電気が点滅をする」と言う怪奇現象を見た快晴は、風太と志土を除く皆で別館の父親の部屋に入っていた。
美虹「本当に何も無いわねぇ」
快晴「はい」
その時、快晴は父親の部屋を照らしていると、天井に吊るされているロープを見つけた。
快晴「オーナーさん。あのロープは自殺したお父さんの?」
路郎「はい。ロープを取ろうにも取れずに置きっぱなしになって…」
路郎がそう言っている間に、快晴はボロボロのロープを見た。
快晴「お父さんは、どうして急に自殺を?」
路郎「わかりません。私になんの相談無しに急に自殺しましたから」
快晴「経営は上手くいっていたんですよね?」
路郎「はい」
快晴「家族仲は?」
路郎「問題ありません」
快晴「なるほど(オーナーさんや家族に言うてへんだけで、ホンマは経営が上手く行ってへんかったんかな?)」
自殺したい。そう思うほど路郎の父親に何かあったのは事実で、快晴はその理由を探そうと、父親の部屋を捜索しようとしていた。
音奈「キャァァァァッ!!」
莉來「ッ!!何よ!?」
音奈「い、今ッ…!わ、私の手首に何かが…ッ!!」
震える声で音奈がそう言うと、路郎は彼女に近づき、彼女の手首にスマホの懐中電灯を当てた。
懐中電灯の光に照らされたのは音奈の両腕。彼女の左手首には、黒い手形のような物があった。
音奈「な、何…ッ!コレ!?」
莉來「うッ…!」
路郎「出ましょう!」
普段落ち着いている路郎の慌てた声が聞こえた。路郎は音奈を横抱きにして父親の部屋から出た。流石に恐怖を感じた莉來も慌ててこの部屋から出る。
美虹と快晴も父親の部屋から出た。
音奈「と、取れない…ッ!!」
左手首を掴むようについている黒い手形。それを擦って取ろうとしているが、全く取れなかった。
路郎「しまった…」
美虹「どうしたの?」
路郎「……随分前にご来店した女性のお客様が、この別館立ち寄って…。その時に影野様と同じように手首に、黒い手形の跡がつけられてました。そのお客様は、そのあと行方不明になってしまい…」
音奈「ひッ!そんなッ…ぁッ…!いやッ!!」
美虹「どうすればいいの?」
路郎「わかりません。お祓い屋さんもお手上げのようですので」
美虹「そんな…ッ!」
音奈「た、助けてッ!!助けてぇぇぇ!!」
美しい顔を悲痛に歪ませる美虹。音奈は命乞いをするように必死に叫んでいた。
路郎「影野様。旅館に戻りましょう。祓い屋達が置いていってくれた御札が貼られている部屋が御座いますので」
路郎は音奈を横に抱えたまま、暗い階段を降りる。
路郎「皆様も旅館にお戻り下さい。ここにいては、影野様と同じことに」
莉來「そんなの嫌!!」
莉來は叫ぶようにして言ってから、この別館内から早く出ようと、慌てて走り出した。
莉來「痛ッ!!」
莉來が走ったので、真っ暗闇の中見えない階段にバランスを崩して転んでしまった。
路郎「大丈夫ですか?」
莉來「痛いぃ…!足がッ…!」
美虹「快晴君!スマホで照らして!」
快晴「はい」
莉來が痛がっている声を聞いて、美虹は彼女の元へやってきた。そのあと、美虹は莉來の左腕を自分の肩にかけて、快晴はスマホを照らして、美虹の足元に灯りを照らした。
その間に路郎は音奈を横抱きにしたまま階段を下り、別館の一階に着きそのまま別館から出た。
快晴「(オーナーさん、めっちゃ早いな。真っ暗闇でも歩き慣れてる感がある。実家やから目瞑ってても歩き回れるんやろか?)」
快晴がそう考えると、莉來の腕を肩に回して歩いている美虹が、別館の一階に着いた。恐怖で発狂して助けを求めている音奈を横抱きにしている路郎は、旅館の自動ドアの前で一度止まり左右に扉が開き切ってからまた歩き出して旅館の中に入る。
美虹「莉來ちゃん!足は大丈夫?」
莉來「痛いッ!歩けない!」
路郎「莉來さんをオーナー室へ運んでください。私は影野様を御札の部屋に運んでから、莉來さんの足を診ます」
美虹「わかったわ!お願いね!」
路郎はまた器用にドアノブを下ろして、自分の体を使って御札部屋に入った。その部屋は「御札部屋」と呼ぶのに相応しい程、壁や天井もで御札でビッシリだった。
音奈「怖い…ッ!」
路郎「申し訳御座いません…私に出来る事は今はこれしか…」
音奈「うぅ…ッ!」
横抱きで運んでいた音奈を路郎は、ベットの上に下ろした。音奈は恐怖で泣き始め、ボロボロと涙を零した。
路郎はそんな音奈の頭を優しく撫でる。
路郎「莉來さんの足を診てまた戻ってきます」
音奈「いや!!一人にしないでお願い!!」
音奈は路郎に抱き着いて、ボロボロと泣きながらそう縋った。路郎は音奈を宥めるように撫でるが「どうしよう……」と困った顔をしていた。
風太「おいどないしたんや?えらい騒がしい…」
路郎「轟雷様。羽渡様」
路郎が困っていると、騒ぎを聞きつけてやってきたのは風太と志土だった。
路郎「実は、隣の別館に入り、音奈が父の呪いを受けてしまって…」
風太「ののののッ!呪いぃぃい!?」
路郎「それと、莉來さんの足が怪我をしてしまい…」
志土「チッ!何やってんだよ!莉來は?」
路郎「オーナー室でございます」
路郎から莉來の事を聞くと志土は、オーナー室へ向かった。
風太「お、俺もオーナー室行くわ!!」
路郎「そうしてください。私は、音奈さんの傍に居ます」
路郎は音奈の頭を撫でて、呪いを受けた彼女を慰めていた。音奈はボロボロと泣きながらそんな路郎に甘えていた。