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mona
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#重い
おんいむ
5
夜の街に、雨が降っていた。
アスファルトを濡らす雨粒が、街灯の光を受けて白く揺れる。
人通りは少ない。
誰も、この路地裏に目を向けない。
それでよかった。
fu「……逃げられると思ったのか。」
低く落ち着いた声が、雨音に溶ける。
黒いコートを羽織った青年――ふうはやは、数歩先に立つ男を静かに見据えていた。
男は肩で息をしながら後ずさる。
mb「待ってくれ……! 俺は……!」
震える声。
言い訳を探しているのは一目で分かった。
mb「話くらい聞いてくれ!家族がいるんだ!娘がまだ小さくて――」
その言葉にも、ふうはやの表情は変わらない。
ゆっくりと一歩近づく。
fu「任務に、関係ない。」
それだけだった。
男の瞳に絶望が広がる。
ふうはやは迷わない。
ためらわない。
感情を動かさない。
そうやって生きてきた。
だから――。
その場にいた仲間が静かに目を伏せる。
雨は降り続ける。
誰も声を上げない。
静まり返った路地で、ふうはやはコートの裾についた雨を軽く払った。
fu「帰る。」
短い言葉だけを残し、背を向ける。
その後ろ姿を見送りながら、一人の構成員がぽつりと漏らした。
mb「……あの人、本当に心があるのか?」
別の構成員は苦く笑う。
mb「昔は違ったらしい。」
mb「らしい?」
mb「俺も詳しくは知らない。」
mb「知ってるのはボスくらいだ。」
その言葉は、雨音にかき消された。
⸻
組織の本部は街外れの古い洋館にあった。
外から見れば、長い年月を経た静かな屋敷。
だが、その扉の向こうでは、多くの人間の思惑が静かに交差している。
ふうはやが玄関をくぐると、廊下にいた構成員たちが自然と道を空けた。
mb「お疲れ様です。」
fu「……。」
返事はない。
ただ軽く頷くだけ。
それでも誰も気を悪くしない。
いや、できない。
それが、組織最年少幹部・ふうはやだった。
mb「ボスがお呼びです。」
部下の一人がそう告げる。
ふうはやは無言で頷き、屋敷の奥へ向かった。
⸻
重厚な扉を三度ノックする。
bs「入りなさい。」
穏やかな声。
部屋に入ると、大きな窓から月明かりが差し込んでいた。
机に向かっていた男が、柔らかく笑う。
bs「任務、ご苦労だった。」
fu「ありがとうございます。」
ふうはやは短く頭を下げる。
ボスは椅子から立ち上がり、棚から湯気の立つカップを二つ持ってきた。
bs「冷えただろう。」
bs「温かいものでも飲みなさい。」
fu「……いただきます。」
ふうはやは少しだけ驚いたようにカップを受け取る。
部屋には穏やかな時間が流れる。
ボスは静かに微笑んだ。
bs「最近、休めているか?」
fu「問題ありません。」
bs「そうか。」
少しだけ寂しそうに笑う。
bs「お前は昔から、自分を追い込みすぎる。無理だけはするな。」
fu「……はい。」
その声は、どこか柔らかかった。
ボスの前でだけ見せる、わずかな安心。
それは、長い年月をかけて築かれた信頼だった。
bs「それと、もう一つ話がある。」
ボスは机の上の書類を一枚取り上げる。
bs「近いうちに、新人が入る。」
ふうはやは表情を変えない。
bs「その教育係を、お前に任せたい。」
わずかな沈黙。
fu「……私が、ですか。」
bs「お前なら任せられる。」
ボスは優しく笑った。
bs「技術だけじゃない。組織で生きる覚悟も教えてやってほしい。」
ふうはやはゆっくりと頷く。
fu「承知しました。」
bs「ありがとう。」
ボスは満足そうに微笑んだ。
その笑顔は、誰が見ても信頼できる人物のものだった。
⸻
部屋を出たふうはやの足音が、廊下の奥へ消えていく。
静寂が戻る。
部屋にはボスだけが残った。
しばらく無言で閉じた扉を見つめる。
やがて、口元がゆっくりとつり上がった。
bs「……教育係。」
机の引き出しを開け、一冊の黒いノートを取り出す。
そこには、組織の構成員一人ひとりの名前が並んでいた。
『ふうはや』
その名前の横に、小さく書き加える。
『責任を与える。依存を深める。』
ペン先を止めることなく、もう一行。
『新人は変数。観察対象。』
ノートを閉じる。
ボスは窓の外の雨を見つめながら、小さく笑った。
bs「人は、役割を与えられるほど鎖を外せなくなる。」
誰にも聞こえない独り言だった。
静かな部屋に、時計の針だけが時を刻む。
コメント
1件
えっと、もうめっちゃ引き込まれたんだけど!?😭💕 ふうはやくん、超クールで感情無さそうなのに、ボスの前でだけ見せる柔らかい感じがギャップでやばい…!でも最後のボスのノートのやつ、絶対ヤバいやつじゃん!?「依存を深める」って…恐ろしすぎる〜!!続き気になりすぎて今夜眠れないレベルです🥺✨ ルミナさん、最高の導入ありがとうございます!!