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〜〜〜ゲルドの街〜〜〜
「ふぅ……。やっと着いたね…。」
「あぁ、長かったね……。」
僕たちは馬宿で休憩を取りながらなんとかすることができた…。それにしても暑すぎる…。途中のオアシスがなかったら完全に僕とミファーは焼き鳥と焼き魚になっていたところだ。
「ここは男子禁制の場所だからミファー、行っておいで。僕は待っているから…。」
「え??」
「………え?」
「一緒に行くんじゃないの…??」
「はぁ!?何言ってんの?僕は男っ!ここは男子は入っちゃダメ!!」
「……女装…」
は?は?今なんて…??
「………は?」
「女装すれば……!!」
「はぁぁぁぁ!?本当にどうしたの!?頭、おかしくなったのかい!?」
「だってさ……。リーバルさんと離れたらリーバルさんが死んじゃうかも…って……」
「死なないよっ!!僕をなんだと思っているんだい!!」
「弟」
「即答やめてくれないかな…??あと弟って……。」
「え?弟じゃん!ツンデレの弟!可愛いよ〜!!!」
「あぁぁ!もう可愛い禁止っ!!!」
「えぇ……。そんな〜……。」
「はいっ!行く行くっ!!」
「………は〜い……」
ミファーは寂しそうに僕に抱きついた。
「………ねぇ」
「なぁに?」
「は〜いって言って何分経ったっけ。」
「ええっと……。15分かな。」
「ミファー、最近の君は僕に対して愛強くない?何があった?」
「え?なんか…ほおっておけないって言うか……なんか…うーん…なんなんだろ……?」
「へ〜そうなんだ。…………早く行って来て。」
「なんでそんな酷い言い方するのー!!!」
「君が行かないからだろっ!暑苦しいから離れてよ!!」
「うぇぇぇん!!リーバルさんが虐めるぅぅ!!!」
「虐めてないよ!誤解うむだろ!変な言い方しないでよ!さぁ、早く行って!」
「分かった〜………行ってきます。」
ミファーはナボリスのスカーフを持ってゲルドの街に入って行った。
「はぁ……やっと行ったか……」
最近のミファーは何処かおかしい。「大切な人達を失った」って自覚しないように僕に引っ付いてるのかな?だとしたら護ってあげなくちゃ……ん?あげなくちゃ…??
〜〜〜ゲルドの街・族長の間〜〜〜
「失礼します。」
「っ……!?貴女はっ!」
ゲルドの兵はそういうと、素早く槍を立て、膝をついた。
「あっ、いいのよ。そんなポーズしないで。顔をあげて」
「ありがとう御座います。失礼します。……今日は、何故…ここにいらっしゃいましたか?」
「……ウルボザさんの事について話に……」
「ウルボザ様の……でしたら、ここの椅子におかけ下さい。茶を持ってきます。」
「ありがとう」
「……結論から言うね。ウルボザさんは…厄災ガノンとの戦いで…亡くなってしまったの…」
「え………?」
「そんな………。」
「急にこんな事言ってごめんなさい。泣きながらで良いから、話を聞いてね。」
「はい……分かりました…。」
「私は厄災ガノンをの戦いで、リーバルさんを庇って致命傷を受けてしまったの。でね、リーバルさんが柱に隠れて私を応急処置してくれて…。でも、私達は私達のいる柱にガノンの攻撃がきているのを知らなくて…それで、ウルボザさんが私達を護ってくれたの。あの時、ウルボザさんが助けてくれなければ…私達も死んでいたわ。」
「そもそも、私達がガノンの攻撃に気づけていれば、ウルボザさんも生きていたのに……。ほぼ私達が殺したに近いかな……。……本当にごめんなさい。貴女達の大切な人を生きて帰せなくて…護れなくて…助けなくて…ごめんなさい。」
「いえ…!ウルボザ様は…いつも…貴方様の話を沢山していました。皆さんをいつも護りたいと言っておりました。ウルボザ様はリーバル様、ミファー様を護れて、とても嬉しかったと思います。貴女様達はウルボザ様を殺しておりません。ウルボザ様は最後までウルボザ様らしかったです。」
「………ありがとう…!…ありがとう……!!」
「………あ、今日はこれを持ってきたの。」
「これは………っ!!!」
「ナボリスのスカーフですか…?」
「そう。これを見て、少しでもウルボザさんの事を思い出せたらいいなって……」
「本当にありがとうございます!英傑様には感謝しかありません!!」
「ふふっ、ありが…」
「本当にそうだよねぇ……。」
「「っ……!?」」
「おや、驚かせてすまないね。」
「ウルボザ様っ!?」
「アンタは相変わらず立派だね。流石、ゲルドの隊長だ。」
「………はいっ!!!」
「ミファー。」
「……なぁに?」
「強く生きなよ。」
「……え?」
「こっちにはダルケル、リンク、御ひい様がいるけど、そっちにはリーバルしかいないだろ。リーバルと一緒に強く生きなね。リーバルの扱いが一番上手いのはミファーなんだからさ!」
「……ふふっ、分かった。頑張るね!」
「………皆、後悔しかないよ。」
「「え?」」
「あ、あぁ、なんでもないよ。こっちの話だ。」
「私達はいつでも、アンタらを見守っているからね。」
「それじゃあ、またこっちに来たときね。」
「リーバルさん!!お待たせ〜!!」
遠くから手を振ってこっちに近づいてくるミファーが見えた。手を振り返すと、とても嬉しそうだった。
「随分と長かったね。」
「 僕、昼寝してたら夢でウルボザと会ったんだよね。そしたら『ミファーを護ってあげなよ。』って言ってきたんだよ!?『任せておくれよ。』って言ったら、『そうかい。幸せにね。』って言って消えてったんだよ!」
「………ふふっ、護ってくれるんだね!!」
「……なっ…!/////ま、まぁ………大切だから……」
「えっ…?///何々!?もっと詳しく…!」
「も、もういいだろ…!///」
「…それでミファー、ちゃんと渡せた?」
「えぇ、本当にウルボザ様が帰ってきたみたいだって言ってたよ。」
「そうか……なら良かった…。」
「………次は、ダルケルさんのところだね!」
「君、熱すぎて焼き魚にならないでね。」
「もう、貴方はいつもそうやって、私をからかう…。」
「リト族は好きな子に意地悪する習性があるのさ。」
「え?ということは……」
「どうだろうね。さあ、早く行こう。日が暮れてしまう前に馬宿に行かなきゃ」
「えぇ、そうね。どっちが早く行けるか競走しましょ!!」
「フッ、絶対に僕が勝てるね」
「よーい、スタート!」
「あ!ちょっと!!」
ずっとこのまま続けばいいのに…君と笑っていたい。