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夕飯時
いつも以上に重い空気。
冷めた味噌汁と、父の短いため息。
母がぽつりと、
「今夜も勉強、ちゃんとやるのよ」
“命令”のような普通の一言が、なぜか今日は胸に刺さった。
kr「もう無理だよ、こんなの」
気づけば、声が張り上げるように
飛び出していた。
母が驚いて振り返る。
「何よ、その言い方」
kr「もう…頑張っても意味なんてないよ。どうせまた怒るだけじゃん!」
父が眉をしかめてこちらを見つめる。
「なに、その態度。親に向かって…」
kr「好きでこんなになったんじゃない!」
声が震える。
だけど抑えられない怒りと悲しみが、
止まらずにあふれていく。
kr「苦しいって言ってるのに誰も分かってくれないじゃん!いつもいつも責められて、頑張ったって何も良くならなくて… もう嫌なんだよ!」
しばらく沈黙が落ちた。
母は俯いたまま
「そんな風に言うなんて…」
と呟いた。
父は「勝手にしろ」と吐き捨て、
自室へ行ってしまう。
リビングのテーブルに一人きりになって、
俺は握りしめた拳が
何の役にも立たないことに気づいた。
全部、何も変わらない。
怒りも悲しみも、どこにも届かない。
部屋に戻ったあとも、
さっきの言葉がゆっくり重く沈んでいく。
布団にくるまり、枕を涙で濡らす。
悔しさと絶望が混じって、息が苦しくなる。
叫んでも、逆らっても、
“自分にも、家にも、世界にも、
少しも変化なんてなかった”。
声は部屋の壁に跳ね返るだけで、
最後には自分の中で小さく消えていくだけ。
泣いたまま、眠りにおちる夜。
泣きながら、天井を見上げている。
涙で視界がぼやけて、
部屋の輪郭すら曇って見えた。
さっきの言葉――
kr「苦しいって言ってるのに誰も分かってくれない」
繰り返し頭の中で反響している。
もしかしたら、
親は少しは何か感じてくれているかも
しれない。
でも、返ってくる反応は
「呆れ」や「突き放し」だけ。
ますます独りになってしまった気がした。
携帯を手に取るが、誰にも連絡できない。
寝返りを打っても、
苦しさだけが自分を締めつける。
kr「どうせ何言っても自分は変われないんだ」
壁を見据え、心の中でそう繰り返す。
悔しさ、悲しさ、寂しさ、情けなさ。
たくさんの感情が全部重なって、
身体ごと重く沈んでいく。
ふと、リビングから
母と父の小さな話し声が聞こえてきた。
言葉の断片――
「もうどうしたらいいか…」
本当にどうしたらいいか
分からないのかもしれない。
けれど、
「応えてくれるわけじゃない」
そんな僅かな期待もすぐ消えてしまう。
涙が止まったあと、
シーツに顔を押しつけて、
何も考えないようにしてみる。
けれど、静けさの中、
自分だけ取り残された世界の冷たさが、
眠りの寸前まで離れない。
眠りに落ちても、
夢のなかでまた親に責められ、
追い詰められて、
目が覚めると、枕がまた少し濡れていた。
朝になっても、
心の中には昨夜の叫びが
まだ鈍く残っていた。
けれど――
何も変わらない朝だった。
唯一変わったことは、
「もう、何も期待しないほうが
楽かもしれない」と
ほんの少しだけ思ったことだった。
コメント
2件
クロノアさぁぁん、、、 やべぇ何言おう、、言葉出てこねぇ、、 とりあえず🥀ちゃんは神だね!