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連載 人魚姫とおおじさま
※注意若干百合に見えるかも
第一話
彼女の死体の第一発見者はわたしだった。
蝉が煩かった七月二十五日、
今日は終業式で半日で帰れる筈だった。
帰る支度をしていたら、先生に呼び出され、長い長い話を聞かされ、気付いたら下校時刻から三十七分過ぎていた。
先生に適当にさようならを言い、靴箱へ向かう。靴を履き替え自転車置き場へ向かう。
その時、プールに目を向けた。
セーラー服と見慣れた髪色が浮いていた。
頭が真っ白になる。何も考えられなかった。
蝉の鳴き声で現実に引き戻される。わたしの身体は無意識的に動き、プールのフェンスを乗り越え、プールに飛び込んだ。
彼女の身体は重かった。
わたしは何かを叫びながら彼女の身体を揺さぶる。安らかに目を閉じている彼女は心なしかいつもより綺麗に見えた。
どうして貴方が死なないといけなかったのか。
わたしにはわからなかった。