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「お疲れですよね?薪をくべてお風呂を沸かしますから、入って下さいね。」
ゼルゼディス様が私を気遣い言う。
そんな下働きの男のような事までするのか…
と、ちょっとびっくりしたが、顔には極力出さなかった。
「…ありがとうございます。」
そして、お風呂に入り手と足をぐんと伸ばして考えた。
しかし、妹のアリアがシャンク様に取り入った事など気づきもしなかった…
昔から、鈍感だと妹に馬鹿にされていたのは、こういう所なのか…?
だが、私はアリアとシャンクを許せなかった。
それはそうだろう。
いつの日かギャフンと言わせてみせる…!
そう心に強く誓ったのだ。
私はお風呂から上がると用意してあったバスローブに着替えた。
「あ、あぁ、どうでした?お湯?」
少し赤くなりながら、ゼルゼディス様が尋ねる。
「えぇ、気持ち良く…
ありがとうございます。」
「えーと、その、寝室なのですが…」
「えぇ、私の寝室はどこですか?」
「私と一緒では嫌ですか…?」
ゼルゼディス様が尋ねた。
「え、あの…」
私が言葉に詰まっていると…
「いえ、その、床が腐ってまして…
他の部屋のベッドは洗ってもおりませんし…」
ゼルゼディス様が説明する。
あぁ、そういう事ね…
「ゼルゼディス様が良いのであれば一緒の部屋でも構いませんわ。」
そうだ、彼と夫婦になるということは、覚悟は出来ている。
「あの、私はリビングのソファに寝ても良いのですよ。
そんなに嫌ならば…」
「いえ!
一緒に寝ましょう!」
私は言って、ゼルゼディス様の寝室に入った。
グレーの絨毯に、壁際に白の本棚があり、大きなベッドが1つポンっとある。
確かにこの部屋は綺麗なようだ。
しかし、ベッドも1つしか無いので、あぁそういう事よね、と思った。
私はベッドに入った。
ゼルゼディス様が私の隣のシーツをめくり、入り込む。
しかし、ゼルゼディス様はこう言った。
「何もしませんから、安心して眠ってください。」
え、何もしないの…?
すっかり拍子抜けである。
「でも、これって一応初夜なのでは…?」
私が尋ねると、ゼルゼディス様は悲しそうに笑った。
「他の男性を想うあなたを抱くことは出来ませんよ。
でも、そうですね、その内もし私を心から想ってくれたら…
その時には遠慮なく…
おやすみなさい、エシャロット。」
そう言ってゼルゼディス様は私の額に軽くキスをした。
途端…!
私は急激に眠くなって深い眠りについたのだった。
その日、どんな悪夢を見るかと思っていたが、眠りは深くどんな悪夢も見なかった。