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可愛い系アイドルは2人で抜け駆けしちゃいます!~校舎裏に隠れた秘密は…?~
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「つ…付き合ってくださいっ!」
夕暮れで染められた顔がさらに赤くなる。
初めての恋をした。学校という名の舞台で咲いた花は、閉じきれなかったんだ。
―ずっとずっと夢みてた…
1,可愛い系男子男子
登校時間はビルの電気があまり目立たなくなって、新鮮な空気が今日の始まりを告げる。
「悠人さん、アイドル名ゆうっちさんが全国ライブツアーの決定を発表しました!!」というニュースがモニターを飾る。
私の推し、悠人、別名ゆうっちは、日本きっての大人気アイドルだ。私は、モデル…なのだろうか。雑誌のオマケコーナーとかに少しだけ載るくらいだ。一応芸能人ではある。
雨の後だった。アスファルトはジメジメしていて、空はまるで雲が厚塗りされているような感じ。上がってしばらくしたから、風は以外にも透き通っている。スクランブル交差点を斜めに抜けて、信号機の鳥の声を微かに聞いて往く。
静かな裏通りをマンホールに靴をトンと当てながら進む。学校の正門は開いたばかりなのに、今日はやけに騒がしい。特に女子。まるで蜂が侵入したかのよう。
教室は、一つの大きな輪が机を囲む。いつもなら空の席。ロッカーに水筒を入れようとして、チラッと輪の中を覗く。
「―えっ…?ん?えっ…!ええっー!」
二度見ならぬ五度見はしただろう。間から見えたえの顔は…悠人だ。あの悠人!!
驚きで掠れた声が乾いて耳に届く。
「おはよう!真奈知ってる?あの転校生…」
「…まさか…!」
「悠人だよ!シングルアイドルの!」
悠人は一人活動のアイドル。悠人推し界隈(自作界隈)では悠人の事をシングルアイドルと呼ぶ事も少なくはない。
本物は、テレビよりもっとキラキラした瞳で電気が全て悠人に降り掛かっているようだ。
端っこがもったいないくらいに綺麗な人。髪はベリーショートみたいで、どちらかというと女の子より。ふわふわしつつも、しっかりとした体つき。そんなアイドル、私の推しが今同じ空気の中で過ごしているなんて。息を保つだけで精一杯だった。ライブのチケットすら当てた事ないのに。授業なんてもちろん頭に入らない。シャーペンの芯を限界まで出して、引っ込める。教科書とかもう文字すら読めないくらいにドキドキしてる。それはこのクラス…いや、転校してきた事を知ってる全ての生徒が同じ状況なのだろう。当てられた人達もカクカクしてて、文章ごとに突っかかる。どんな授業も、ずっとずっとドキドキが止まらない。
to be continued…
あとがき
ご覧頂きありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
お知らせ
可愛い系アイドルは2人で抜け駆けしちゃいます!~校舎裏に隠れた秘密は…?~
2,席替え…!?
コメント
2件
神だあああああああああ!続き待ってますね!