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 文芸部に美少女が居ると思っていなかった俺は頭が真っ白になってその場で固まってしまった。

「新入生?」

 そう言って彼女は横たわっていた体を起こし、腕をめいっぱい上に挙げ、体を伸ばした。

 紫黒の髪が肩につくか、つかないかのところで揺れていた。

「は、はい!」

「教室に入るなり固まっちゃって、緊張してるの?」

 彼女は椅子から立ち上がり、俺に近づいてきて、体を傾けながら、上目遣いで俺の顔を覗き込んだ。

「はい…。」

 紫黒キラキラした美しい瞳に見つめられ、僕は顔が赤くなり、『はい。』しか答えられなかった。

「まぁ、高校初日だもんねぇ。可愛いもんだ。」

 彼女はそう言って俺に背を向け、また椅子に座った。

「君も向かいの椅子に座って。」

「は、はい…!」

「失礼します。」

 正面で見ると直視できないくらいかわいい。緊張して目を合わせられない。

「君、好きな本はある?」

 彼女は頬杖をつきながら、僕に質問した。

「いや、実はあまり本を読まなくて…。」

「じゃあ好きなジャンルは?」

「強いて言うなら、恋愛ものですかね。」

「へぇ、なんで恋愛ものが好きなの?」

「なんでって…。ドキドキするから…。」

 俺はなんて恥ずかしいことを言ってるんだ…!

「ふーん。」

 彼女はそう言った後、体を前のめりにして僕に近づいた。

(顔が近いぃぃ!やばい緊張する…!)

「じゃあ、私がドキドキさせてあげようか?」


彼女はイタズラな笑みを浮かべた。

「えぇえ!?」

 俺は顔を真っ赤にし、変な声を出してしまった。

「ぷっははは!冗談だってば!」

 彼女は高笑いした。(笑った顔もめちゃくちゃかわいい。)

「ごめんね。私は姫宮《ひめみや》改めてよろしくね、1年生。」

 彼女は笑いすぎて出た涙を指で拭いながら言った。

「田辺です!こちらこそよろしくお願いいたします!」

 俺は運動部並の声量で一目惚れした先輩に自己紹介をした。

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