도아호@🇬🇧狂教様のリクエスト。
屑イタリア✕片依存イギリスR18G
手が温かい人は、心が冷たいらしい。
(そんなこと、ないと思いますけどね)
隣でハンドルを握るイタリアの、端正な横顔を見つめて、イギリスは思う。
そして、彼の大きな手に自分の手のひらを重ねると、イギリスは微かに微笑んだ。
「どうしたの」
「いえ…なんとなく、です」
イタリアが目だけで振り向いた。
不思議そうな眼差しでイギリスを一瞥すると、再び視線を前方に戻す。
(ほら、あたたかい)
重ねた手は温かく、その手が振りほどかれることもない。
手が温かい人は心が冷たいだなんて、ただの迷信にすぎないのだろう。
「イギリス、いつものところでいいよね?」
「ええ、後どれくらいかかりますか」
「うーん…一時間くらいかな」
イタリアが運転するフィアットで二人、彼の自宅へと向かう。
イタリア最長の高速道路─アウトストラーダ・デル・ソーレの先で、夕陽がゆっくりと沈んでいく。
「寝てて」
「ありがとうございます。でももう少し、貴方と話していたいので 」
「そっか」
イギリスは、車窓に移ろう光景を眺めた。
この道が彼を支えたのだな、なんて想いながら。
イタリア語で『太陽の高速道路』を意味するこの道は、 ボローニャ、フィレンツェ、ローマなどの主要都市を経由している。
そして──戦後イタリアの『奇跡の経済発展』を支えたのだ。
「イタリアさん」
「ん?」
「好きです」
なんとなく、ただなんとなく。
イギリスが告げた告白に、イタリアは薄く笑って、ありがと、と返す。
(嗚呼…もっと、貴方を知りたい)
イタリアには、三つの顔がある。
そのうちの一つが、First Italy── かつてオーストリア帝国が支配した北西部地方。
これら北部の都市は、先程のアウトストラーダが支えた経済成長によって、自動車・機械工業の大企業群が多く存在する、 欧州有数の先進工業地帯となっている。
(貴方は、私の知らない横顔で、何を見ているのでしょうか)
そして同時に、First Italyの顔は、イギリスにとって『友達以上恋人未満』の顔であった。
カップルではない、それでも体を繋げている、という曖昧な関係をかれこれ数年続けていた。
要するに、付き合ってはいないが、突き合ってはいるのだ。
ブルルルル…
穏やかなエンジン音とともに、車は黄昏の空の下を駆け抜けていく。
目を合わせてくれないかな、なんて淡い願望を抱きながら、イギリスはイタリアをじっと見つめていた。
ぱんッ♡どちゅッ♡ドガッ♡♡
「んぁ゛ッ♡ィぐッ♡〜〜ッッッ♡イ゛ぐッ♡♡」
「はー…きもち…」
お馴染みのホテルに着くなり服を剥ぎ取られ、乱暴にベッドに転がされたイギリスは、あっという間に組み敷かれていた。
準備していたとは言え、あまりにも早すぎる挿入に、わけもわからぬまま精を吐く。
どちッ♡ばこッ♡ばちんッ♡
「ぉ゛ッ♡もッ♡むりッ♡あ゛ぁあぁぁッ♡」
「はッ…ほんと、イイ穴してるよね」
イギリスのことを一切考えない腰使い。
熱い息を吐くイタリアは、四つん這いになったイギリスの腰を掴み、ばこばこと上下させる。
バックで突かれ続けたイギリスは、やがてべしゃっと上半身を崩した。
ばちゅッ♡ドスッ♡
「あ゛ッ♡ぁ゛ぁあ゛ッ♡ひぃ゛〜〜ッ♡」
「下の口だけは優秀なんだよな…」
尻だけを突き出したまま、イギリスは連続絶頂に痙攣を繰り返す。
しかし、そんなイギリスに構うことなく、イタリアは彼をオナホのように扱うだけ。
ばちんッ♡パンッッッ♡
「ィ゛ぐッ♡ぉ゛ッ♡イ゛タリッしゃッ♡」
「…うるせぇな、シーツ噛んどけよ」
「ん゛ッ♡んんんッ♡ん゛〜〜ッ♡♡♡」
あまりの激しさに、イタリアの名前を呼ぶと、イタリアは不機嫌そうに眉を顰めた。
健気なイギリスは、命令通りにシーツを噛み締めて、嬌声を押し殺す。
どちゅッ♡ごちんッ♡
「んん゛ッ♡ふッ♡ふぐッ♡ん゛ッ♡」
「あー…出そう」
恍惚とした表情を浮かべ、イタリアは更に、イギリスの背後からピストンを速めていく。
涙を浮かべて快楽を享受するイギリスは、口からシーツを離して、後ろを振り返った。
「ナカはッ…やめてくださッ…ぃ゛ッ♡」
行為が終わると、イタリアはすぐに寝てしまい、翌朝イギリスは一人で掻き出すハメになる。
そうするとイギリスは、翌日トイレと友好条約を結ぶことになるのだ。
次の日の腹痛を防ぐために、イギリスは懇願する──しかし。
「は?なにいってんのお前」
「おねがッ…♡んぁ゛ッ♡」
「黙ってザーメン飲んどけよ」
額に青筋を浮かべたイタリアが、一際大きく腰をグラインドさせた。
「──ぉ゛♡」
「くッ…♡」
ビュルルルルルルルルルルルッッッ♡♡♡
熱い熱い精液をナカに注ぎ込まれて、イギリスはくるんと目を回した。
熱くて、お腹がパンパンで、もうだめだ、なにもかんがえられない。
「……ッ♡………ッッ♡」
「ふー…ほんと名器だな」
ずる…と引き抜かれても、イギリスはなお、ぴくぴくと体を震わせる。
イギリスの後孔から、ごぷ…と新鮮な白濁が零れ落ちた。
「ん、あともっかいヤっとくか」
「──あ゛ッ!?んぉ゛ッ♡」
イギリスはもう限界を迎えていると言うにも関わらず、イタリアは再び、精液まみれの腸内に己を突っ込んだ。
「も゛ッ♡や゛らッ♡や゛めでッ♡ゃら゛ぁッ♡」
「うるさいッ!もっと締めとけッ!!」
「あ゛ぁあぁあ゛ああぁあ゛ぁ〜〜〜ッッ♡♡♡」
すぱぁんッ♡どちゅんッ♡♡
嫌がるイギリスを抑え込み、自身の肉欲を満たすためだけに腰を振るイタリア。
ごちんッ♡
「あ゛………ッ♡」
結腸を容赦なくぶっ叩かれて、イギリスはプツンと意識を失った。
イタリアには、三つの顔がある。
そのうちの一つが、Third Italy──かつてのローマ教皇領である、北東部から中部地方。
繊維製品・革製品などの、伝統的なモノ作り産業を担う都市が集まっていて、世界的高級ブランドを有する職人都市となっている。
「んん…イタリアさん…?」
翌朝、衣擦れの音で目覚めたイギリスは、腰の痛みに眉を顰めながら起き上がった。
イギリスに背を向けて身支度を整えていたイタリアは、イギリスの呼びかけに緩慢に振り返る。
「Buongiorno, ちょっと野暮用があるから、先に出るね」
「…分かりました」
アズーロ・エ・マローネを基調とした柔らかなジャケットに、抜け感のあるテーパードパンツ。
第二ボタンまで開け放った胸元からは、5大ジュエラーに数えられる、ブランドもののネックレスが覗く。
「……楽しそうですね」
「ふふ、そうかな」
これぞイタリアのクラシコファッション、に身を包んだイタリアは、鼻歌でも歌い出しそうなほどに上機嫌だった。
「また、遊びに行かれるのですか」
「…いや、仕事。ジャポーネとゲルマニアとね」
イタリアは、ふっと視線を外した。
その見え透いた態度に、イギリスは唇を噛みしめる。
「うそつき」
だって、いつもとは違う。
いつもお洒落な彼だけど、今日の身なりは普段よりも数倍気合いが入っている。
それに、今日の彼は、フェラガモの華やかな香りを纏わせている──きっと、デートの証。
「どうせスペインさんとでしょう?仲がよろしくて何より…ッ…」
厭味ったらしく言ってやると、イギリスは引き攣った笑みを浮かべる。
自分でも、醜い顔をしているのは分かっていた。
「貴方はどうせ、私のことなんて、都合の良い性処理役としか思っていないのでしょうね…」
嗚呼…醜い。顔も、体も、心も。
マグマのように煮えたぎる嫉妬心と、ぼろぼろに傷つけられた自尊心と。
「どうしてッ…どうして貴方は、私を見てくださらないのですか…ッ…?」
声が震えるのは、怒り故か、悲しみ故か。
「ねぇ…?イタリアさん、愛してますよ…?私、貴方のこと、すっごく愛してるんです…ッ…! 」
止まらない。
「イタリアさん、貴方は…私のこと、どう思ってらっしゃるんですか…?」
嗚呼…もう、止まれない。
「イギリス」
「……ッ…」
冷たい声だった。
地中海を愛するラテンの男とは思えないほど、冷たく、厳しく、排他的な声だった。
「俺たち、そんなんじゃないでしょ」
「そ、そんなんじゃない、って」
「体だけでも良いから、俺と繋がっていたいって言ったのは君じゃないか」
はぁ、と重苦しいため息をつかれる。
「全部、君の選択の結果だよ?愛されなくてもいい、だけど愛することは許してくれ、って縋ったのも。見返りはなくてもいいから、道具だと思って使ってもいいから、って乞うたのも」
全部、全部、君が言ったことだ。
目を合わせることなく、イタリアは吐き捨てるようにイギリスに告げる。
「俺のプライベートには干渉しない、って約束したよな?」
「ッ、でもッ…」
「約束守れないなら、もう、終わりにしようか」
息を呑んだイギリスの喉から、 ヒュッと変な空気音が漏れた。
さぁっと血の気が引いて、頭がガンガンと痛み、呼吸は徐々に浅くなっていく。
「ぃ…いや…それだけは…ッ…」
「なら、こんなこと二度と言わないで。俺、重いのと面倒くさいの嫌い」
重い。面倒くさい。
明確な悪意によって研ぎ澄まされた破片が、イギリスに次々と突き刺さってくる。
「…………はい、すみません、でした」
そう答えるしかないイギリスを置いて、イタリアは踵を返すと、部屋を出ていった。
パタン…と虚しく扉が閉まり、辺りは静寂と孤独と虚無が支配する。
「都合の良いセフレ…それで良いと、思ってたのに」
ぽつりと呟かれたイギリスの独り言は、思いのほか虚しく室内に響く。
苦しみを押し込めたような、自嘲的な薄笑いをつくると、イギリスは目元を拭った。
「まるで、鏡のようなひとですね、あなたは 」
愛を、言葉を、投げかけても、彼の人は何も返してくれない。
イタリアといると、イギリスは時折、自分がまるで鏡面に向かって話しているように思えるのだ。
「傷つくのは、分かってます」
割れてしまった鏡が皮膚を裂くように、割れてしまった愛が心を裂くのだ。
それでもイギリスは、美しすぎる彼に、手を伸ばさざるを得ない。
「…かえりましょ」
ゆっくりと立ち上がると、使い捨てされた後孔から、どろ…と白濁が零れ落ちた。
そうしてイギリスは、細く長く、この爛れた関係を続けていった。
もう辞めなくては、抜け出さなくては、と思う度に、一方通行の恋愛ごっこに囚われていく。
しかし、 もとより歪な関係なのだ。
鏡が割れるのは、あっという間だった。
「…貴方が悪いんです」
今夜、イタリアは、イギリスの誘いを断った。
仕事があるから、と言って、やはりフェラガモの香水を纏わせて。
「そう…貴方が、悪い」
もう、耐えきれない。
いたずらに消費されて、弄ばれて、それでもイギリスが求めてやまないイタリアの愛は、別の男に注がれている。
そんなの、もう、イギリスには耐えられなかった。
「次の角を…右」
イギリスが手元のスマートフォンを覗き込むと、ディスプレイには地図アプリが表示されていた。
そして、マップ上には、赤いアイコン─イタリアの居場所が光っている。
「こんな裏路地で…なにを?」
コツン…コツン…
靴音を立てて夜道を歩くイギリスは、ただいま絶賛、ストーカー中であった。
イタリアにこっそりGPSを忍ばせて、イギリスは彼の追跡を始めたのだった。
「…きらわれてもいい」
嫌われてもよかった。別れられてもよかった。
殴られてもよかった。 なじられてもよかった。
「わたしといっしょに、おちてください」
およそ行動を共にしているであろうスペインに、イタリアとイギリスの関係を暴露する。
そう決意したイギリスは、ぎゅっと手のひらを握り締めた。
「ゆるさない…あなただけが、しあわせになるなんて」
月のない夜だ。
夜空には光がなく、イギリスの瞳にも光がない。
狂おしい片思いに文字通り狂ったイギリスは、イタリアを道連れにする気満々であった。
時に、孤独な愛は人を狂わすのだ。
しかし彼らは、イギリスよりもはるかに、狂っていた。
「イタリア、さん…?」
マップが指し示すイタリアの元にたどり着き、荒廃したビルとビルの隙間を覗き込むイギリス。
彼が一番に目にしたのは、見覚えのある背広と──辺り一面の血、血、血。
血。
「ひッ…」
壁面にぐったりともたれかかるのは、かつて人だったものであろう。
染み付いた血痕は未だ鮮やかに、イギリスの網膜にこびりついた。
「……ッ………ッッ…」
胸がムカムカして、吐き気がこみ上げてくる。
口を押さえて悲鳴を押し殺したイギリスは、その場から一歩も動けなかった。
(うそだうそだうそだうそだ)
血のついたバール。
イタリアの手にあるものに、イギリスは自分の目を信じられなかった。
そんなの嘘だ、イタリアが、イタリアが──殺し屋だったなんて。
(きっとまちがえた、ひとちがいです)
似た背中だって五万とある。
イギリスは、見間違えだと自分に言い聞かせ、もう一度確認しようと路地を覗いた。
それが、間違いだった。
「──Nicht bewegen」
チャキ…と鉄の塊が押し付けられる。
側頭部に感じる拳銃の感覚に、イギリスは文字通り凍りついた。
声も出せないほどに震え上がり、分かったな?という低い男の声に、コクコクと頷くのみ。
「銃を捨てろ…持ってないか。両手を上げて前進しろ」
震える足を叱咤して、イギリスは一歩一歩、歩みを進めていく。
誰かは分からないが、この男の癪に触ることをしでかしたら、イギリスの頭は即座に吹っ飛ぶだろう。
「名前は」
「イッ、ギリス、ですッ…」
「あ?」
途端に不機嫌そうな声を上げた背後の男に、イギリスはひッと息を呑んだ。
側頭部にぐりぐりとピストルを押し付けられ、恐怖で視界がゆがむ。
「チッ…おい、イタリーッ!」
「なんだよドイツ、うるせぇな…」
舌打ちをした男─ドイツは、やはりイタリアの名を呼んだ。
呼ばれた背広の男─イタリアは、悪態をつきながら緩慢に振り返る。
「は?」
「かはッ!?」
気付けばイギリスは、イタリアに首を掴まれて、上に持ち上げられていた。
気道をギリギリと締め上げられ、イギリスの目に涙が浮かぶ。
「は?なんで?なんでコイツがここにいんの?」
「俺は知らないぞ、お前の失態だろ」
「キュッ…くふッ…!…」
血のついたスーツ、返り血を浴びた頬。
信じがたいが、イタリアはつい先程まで、誰かを殺していた。
「GPSでもつけられてたんじゃないか?ったく、俺はあれほど言ったのにな。遊び過ぎには気をつけろ、って…」
「…チッ」
目の前はだんだんとぼやけていく。
血のように赤く染まる視界に、イタリアの、憤怒が篭った赤い瞳がギラめいている。
「──また、やらかしたんですか、イタリア」
すると、音もなく、ビルの屋上からひらりと飛び降りて現れたのは──日本。
「はぁ…貴方、これで何回目です?」
イタリアやドイツと同じ、血濡れたスーツに身を包み、手には刀を有していた。
そして、普段のにこやかな彼とは思えない、冷徹な瞳でイタリアを睨みつける。
「またとか言うなよ、俺悪くねぇから!」
「あーはいはい…取り敢えずそれ、離してあげなさいよ」
「チッ…」
どさ…
イタリアが手を離すと、鈍い音とともにイギリスは地に落ちた。
目を充血させ、荒い息を必死で整えるイギリスの、なんと惨めなことか。
「ひゅッ…はァッ…!ハッ…!かひゅッ…ふぐッ…」
「可哀想に。泣いちゃったじゃないですか 」
恐怖ゆえか、生理的現象ゆえか、イギリスの目からポロポロと溢れた涙が、アスファルトにしみを作った。
その泣き顔を覗き込んで、日本は心の籠もっていない言葉を吐く。
「白々しいぞ日本…お前だってさっき、ターゲット嬲り殺して愉しんでたじゃねぇか」
「いやだなぁドイツさん、ちょっと遊んだだけですよ♪」
そう言った日本は、手にした刀をパッと払う。
ぱたぱたぱた、と赤い液体が辺りに散乱した。
「で、コイツどうするんだ?…殺すか」
「まあ、見られちゃったら仕方ないですよね。目撃者はキレイキレイしないと♪」
「ひゅッ…」
こ ろ さ れ る
その五文字が鮮明に迫ってきて、イギリスの喉が変な音を立てた。
跪かされて、頭にドイツの拳銃を突きつけられたイギリスは、ガタガタと震えだす──しかし。
「いや、殺さないよ」
イタリアは淡々とそう言った。
「だって、コイツ、結構イイんだよねぇ…」
「ひッ…」
そして、イギリスの頭を掴むと、ぐいっと顔を上げさせる。
どす黒く染まったその瞳は、もはやイギリスのことを人として見ていなかった。
「うーわ…オナホ扱いですか?可哀想に…」
「ったく、飼うならちゃんとしろよ?逃げ出さないようにな」
「わかってるって」
「──がッ!?」
頭に鈍い一撃を食らって、イギリスの視界に火花が散った。
地面がだんだん近づいてきて、自分が倒れていることを知る。
「ィ゛…ダリ゛…」
イタリアの名を呼ぼうとしたが、舌がもつれて動かない。
裏路地の汚い道路に倒れ伏し── イギリスはとうとう、意識を失った。
揺れる、揺れる。
ドスッ♡どちゅッ♡ばこッ♡♡
「あ゛ッ♡ぐッ♡…ぃ゛ッ♡……ッッ♡♡♡ぉ゛ッ♡」
暗い地下牢で、イギリスは今日も、揺らされる。
イタリアの秘密を知ったあの日から、イギリスはずっと監禁され、寝ても覚めても、彼専用の性処理道具として使われていた。
ドスッ♡ばちんッ♡
「ゃ゛ッ♡イぐッ♡ィ゛ッイきゅッ♡〜〜〜ッッッ♡」
相変わらず、イギリスは四つん這いにされ、後ろから突かれていた。
イギリスとしては、せめてイタリアの顔を見たいのだが、そう愛のある心遣いなど、イタリアがするはずもない。
ばこッ♡ドガッ♡ドスッッ♡
「やら゛ッ♡も…ッイぎだぐな゛ッッッ♡」
イギリスの手首、足首、首─およそ首と名のつく部位は、全て枷に繋がれている。
もう既に、少なくとも一カ月は、イギリスは日の目を見ていなかった。
ずぽッ…♡♡♡
「ぉ゛ッ!?お゛ぐッ♡イぐッ♡ィぐから゛ッ♡♡」
いとも簡単に結腸を突き破られ、 腹上死するのではないかと思うほど連続で絶頂する。
もうやめてくれと懇願するが、イギリスの訴えが聞き届けられることはない。
「くッ…♡ふぅ…」
「あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁ゛〜〜〜ッッ♡♡」
ビュルルルルルッッッ♡
もう何度目か分からないナカ出しに、イギリスは濁点のついた嬌声を上げる。
「ぅ…♡は…ッ…♡はぁッ…♡はッ♡」
ずる…と引き抜かれて、イギリスはパタンとベッドの上に横たわる。
ここ最近は、イタリアの無茶振りセックスに疲れて、気絶するように眠り、寝ている間に犯されて起きる、そんな生活をしていた。
「は…ッ…♡ふぅ…ッ♡………すぅ…」
そうやって、体力も筋力も衰えて、イギリスはもはや、歩くことさえままならない。
その一方で括約筋は、毎日ギュッと締め付けなくてはならないので、ますます成長していたのだが。
「すー…」
今夜も、極度の疲労に寝入ったイギリスは、ぐったりと瞼を閉じた──しかし。
「は?なんで寝てんの?」
「ほぉ゛ッッ♡?…ぁ゛…へッ♡?…おぉ゛お゛おお゛ぉお゛ッ!?♡♡♡」
精液で膨れ上がったイギリスの腹に、イタリアは容赦なく拳を振るった。
「ん゛ぉ゛ッッ♡♡♡お゛ッ♡あ゛〜〜ッッ♡♡」
びゅくくくくッ♡♡♡
使い込まれた後孔から、注ぎ込まれた白濁が、恐ろしい速度で飛び出してきた。
まるで射精、というより出産である。
「ひぃ゛いぃ゛いッ♡ぁぎッ♡ぉ゛ッ♡」
ぷしゃッッッ♡ぷしゃぁぁぁ…ッ♡
舌を出し顎を反らし、全身をピンと硬直させて、イギリスは 辺りに潮を撒き散らす。
「ほんとムカつく…」
「えぉ゛ッ!?」
まだ絶頂冷めやらぬまま、今度は正常位で、再び結腸に侵入された。
ぴくぴくと痙攣するイギリスは、絶えずぷしゃ、ぷしゃ♡と潮を噴いている。
「仕事失敗するし…デート潰れるし…まじツイてないわ」
「ぁ゛ッ♡ん゛く゛ッ♡ぉおぉお゛ッ♡♡」
「あーイライラする」
ごちんッ♡ばこッ♡どがッ♡
イタリアは今日はどうやらご機嫌斜めなようで、そのストレスをイギリスにぶつけるが如く、ただひたすらに腰を打ちつける。
「ぃや゛ッ♡♡や゛ら゛ッ♡や゛べでッ♡」
「うるせぇな、黙れよ…ん?」
プルルル…
嫌がるイギリスを、イタリアが押さえつけた、その時。
イタリアの携帯が着信を告げ、彼はスマホを取り上げると、画面をタップする。
「」
「え?…んん゛ッ♡んん゛ッ〜〜〜ッ♡♡♡」
ようやく止まってくれる、そう思ったのに。
イタリアは電話中にもかかわらず、律動を辞めなかった。
『──?』
「Sì〜!大丈夫だよ!声聞けて嬉しいんね〜♡」
「ん゛ッッ♡ふッ♡んんん゛ッ♡」
片手でイギリスの口を塞ぎ、片手でスマホを耳に当て、イタリアは何やら愉しげに通話を始める。
『──?──!』
「明日?もちろん!」
その顔は──蕩けるように甘い、優しい顔。
イギリスには見せない顔。
『──!』
「ふふ、愛してるよ──スペイン♡」
そのお相手は、やはりスペインだったらしい。
電話で違う人に愛をささやきながら、イギリスを抱くという精神的暴力には、イギリスはもう慣れっこだった。
「お゛ッ♡ィ…ぐ…ッ…♡〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡ 」
「は?何勝手にイってんの?」
イタリアには、三つの顔がある。
最後の一つが、Second Italy──ナポリ王国が長らく独自に統治していた南部。
伝統的な地中海式農業で、イタリアの食料自給を支えていると言えば聞こえはいいが、いわば南部は発展途上地域。
北部の先進地域から遅れ、取り残された場所。
そして、Second Italyは──マフィアの巣窟。
血と死と暴力とに塗れた、裏社会で生きる者たちが、蔓延るエリア。
「チッ、腹立つ 」
「う゛ぐッ!?ぁ゛ッ♡ぃ゛だッ!」
理不尽な理由でイギリスを殴るイタリアは、きっと第二の彼というに相応しいのだろう。
「ごべんなざッ♡ごめんなしゃぃ゛ッ♡ぅ゛ッ♡」
「…もういい。ちゃんと締めとけ」
「あ゛ッ♡…あ゛ッ♡んぁ゛ッ♡」
First Italyは、工業地域。
発展国として、EUの一員として、イギリスを含む他国に見せる顔。
Third Italyは、職人地域。
とびきりお洒落をして、真の恋人スペインだけに見せる顔。
Second Italyは、闇の地域。
日本とドイツと共に、人には言えない”仕事”をして、イギリスを殴って犯す、イギリスにだけ見せる顔。
嗚呼…まるで三面鏡。
三つの顔のどれも、鏡のように冷たくて、美しくて、触れると怪我をしてしまうのだから。
「はー…出る」
「ん゛ッッッ♡えぁ゛ッ♡ぉ゛…?あ゛あ゛あぁあ゛あ゛ぁぁあ゛ッッッ♡♡♡ 」
どびゅッ…♡
重たくて粘っこい液体が注ぎ込まれて、イギリスはまたも目をくるんと回した。
精液も潮も尽きて、陰茎はもはやお飾りと化している。
「ぁ゛…お゛…♡」
「仕事行くから、戻って来るまでに片しとけよ」
不機嫌そうに言い放ち、イタリアは痙攣するイギリスを置いて、地下牢を後にする。
少しだけ触れた手は、あたたかかった。
それはきっと、イタリアの心が冷たい証拠。
「は…い…♡」
それでも、イギリスは恍惚とした笑みで、イタリアに応える。
イタリアが冷たかろうが、彼がイギリスを愛していなかろうが、性行が辛かろうが痛かろうが。
それらはもう、イギリスにとって重要ではない。
「おまち、してます…♡」
だって、イタリアの玩具である限り、彼は必ず、イギリスの元に”戻って”くるのだから。
ありがとうございました。
これにて完結ですわ〜!
今回のメインは、多重人格イタリーさんでした。
いつか書きたい!と思っていたイタリアの二面性、ならぬ三面性を散りばめてみましたわ。
皆様は、第三のイタリア、という言葉、お聞きになったことはありまして?
わたくし、この言葉お気に入りでしてよ!
第一の日本、第二の日本、とかあったらいいのに…と常々思っておりますの…あるのかしら?
さて、第一のイタリアについて。
本文でも触れました通り、自動車工業中心に発展した地域ですわ。
ムッソリーニの独裁下で建設されたアウトストラーダは、ファシズム崩壊後、政治的に混乱しながらも経済では大成長を遂げた、戦後イタリアを支えました。
南ヨーロッパ特有の人件費の安さで、ヨーロッパの工場となった第一のイタリア。
やがて経済が成長すると、今度はフェラーリなどを中心とする自動車ブランドの発展へと舵を切りました。
今では、ミラノ、ジェノヴァ、トリノの鉄の三角形は、ヨーロッパの青いバナナ(←可愛い)の一部に数えられています。
続いて、第二のイタリアを飛ばし、第三のイタリアについて。
中世にさかのぼる伝統工業の歴史を持つ地域で、職人による中小企業を中心とした発展を遂げました。
雇用者が十数名を超えると法人税が上がること、イタリアには短命な政権が多く政府が信用できないこと、戦後イタリアが混合経済(資本主義と社会主義を混ぜ混ぜ)を取り、非効率な公営企業が多かったこと、などにより、イタリアの中小企業はぐんぐん成長しました。
近年では、先端産業との連携が図られる一方、中国資本の進出や大企業との合併が増えているようですわね…寂しいですわぁ…
最後に、第二のイタリアについて。
農業に依存する経済をズルズル続ける地域です。
政府による開発も失敗し、イタリアの南北問題ともいわれる社会問題を引き起こしています。
マフィアなど反社会的組織も多いのが、このサードイタリーになります。
そこで今回は、まとも(?)な表の顔First Italy、お洒落な恋する男の顔Third Italy、イギリスさんをモノ以下扱いするマフィアの顔Second Italyの三面性を描きましたわ!
手が温かい云々は、ほとんどのイギリス人女学生が、卒業旅行に温暖なイタリアを選ぶ、ことから着想を得ましたわよ。
じゃんぬの設定では、イタリアさんの仲良しさんはスペインさんですわ。同じラテン系ですから。
あと日独伊ですわね。サイコパス日本さんと裏社会系ドイツさん、気に入ったので別でチャットノベルにする予定ですわ〜!
도아호@🇬🇧狂教様、素敵なリクエストありがとうございます!
それではまた、ごきげんよう〜!
コメント
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大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好きです!
3面鏡、2と3枚目を鏡合わせると奥に無限につづくってことは🇮🇹の愛情と暴力性を交互に見続けることになるのかしら?🇮🇹さんに嬲られながら愛情は自分ではなく他人(🇪🇸)に向けられる、そんな生活が続いていくことを暗示しているようで好きですわ〜!!!(ド妄想)
ほあ……死にかけでございます。電車内で読んだことを後悔しています。イタリーが屑すぎて、好きです。イギリスさんの中を抉ると同時に僕達読者の心も抉っていくイタリー、さすがすぎますね。帽子を脱いでしまいます。彼にはどこまでも屑を極めてほしいです。 そして恋するイギリスさんの、なんと愛らしいことか。最後、イタリーが戻ってきてくれるだけで良いなんて、健気すぎます。これ以上僕の心を揺すぶらないでいただきたい。