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カナアメ良いですね!やはりじゃんぬ様の作品はてぇてぇと知識を一度にたくさん取れるので最高ですね。母親様は留学経験あるんですね!驚きですわ。
おあーーー!!(咆哮)待ってください、本当に、カナアメ!カナアメ!!!💘💘🐇にやけが止まりません💃🕺やばいです。リクエストにお応えいただき、誠にありがとうございました🙇🙇満たされました。僕の心は、今、満たされました。スーパーボールよりも跳ねています。今なら木星にだって行ける気がします。昨日の雨で濡れ鼠になり、分厚い雲が支配していた胸の内が、冬の空より晴れ渡り、虹を創り出しました。お天
あづみの様のリクエスト。
カナダ✕アメリカでほのぼの
「It looks tasty!」
フライパンの上に生地を注ぎ込み、カナダはぺろりと舌舐めずりした。
三時のおやつはパンケーキと決まっている。
メープルシロップと、バターと、ミックスベリーと…ああそうだ、ホイップクリームを乗せて。
じゅぅぅ…とフライパンが音を立てて、甘い香りが漂って来る。
カナダの、贅沢なひとり時間──。
「かぁなぁだぁぁぁ〜〜Come home〜!!」
「はいはい…兄さん、おかえりなさい」
──は、唐突に、終わりを告げた。
同居中の兄アメリカが、帰ってきたようだ。
いつもの通りドタバタと走ってきて、キッチンに立つカナダに抱きつく御年250歳。
「俺頑張ったっ!ほめて!」
そして、弟に褒め褒めを要求する御年250歳。
もう一度言おう、御年250歳+αである。
「よーしよし…Good boy」
「犬じゃねぇよ!」
「兄さん、ちょっと危ないから離れて」
「冷たい!」
長年、この困った兄を飼いならしてきたカナダは、彼の扱いをよく心得ている。
適当にあしらいつつ、カナダはフライ返しを手に取った。
「よ、っと」
「おお…相変わらずすげーな、カナダ!」
「えへ…上手くいって良かったぁ」
全く形を崩さず、真ん丸のパンケーキをひっくり返したカナダ。
皿に盛り付けると、鼻歌を歌いながらテーブルまで運んでいく。
ちょこちょことついていくアメリカは、カナダの背後から顔を出し、メープルシロップたっぷりのパンケーキを羨ましそうに見つめた。
「いいなぁ…俺も腹減った」
「何言ってるの?これ兄さんのだけど」
「…へ?」
さらっと告げられた一言に、アメリカは呆けた顔をした。
ほら、座って座って、と促されるままに、アメリカは席につく。
「お仕事、おつかれさま」
「か、かなだぁ…」
「昨日までNYに居たんだっけ?」
「そーなんだよ!!」
さて、この北米兄弟。
本来、アメリカは自国の首都ワシントンに、カナダはオタワに住むべきなのだが。
カナダと離れたくないと駄々をこねたアメリカが、オタワのカナダ邸に上がり込んで、そのまま同棲を続けていたのである。
「疲れたでしょ?疲れた時は甘い物!」
しかし、先日までアメリカは、常任理事国同士の会議のために、一週間ほどニューヨークへ仕事に出かけていた。
兄の隣に腰掛けて、ぽんぽんと頭を撫でてやったカナダは、ふんわりと優しいパンケーキのような笑みを浮かべた。
「か…か…かなだぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
「はいはい、よく頑張ったね」
うるうると瞳を潤ませたアメリカは、包容力の塊のようなカナダに抱きついて、その豊かな胸♂(筋肉)に顔を埋める。
「今回の会議も大変だったぜ!国連は『アハアハハ』って笑ったまま壊れちゃったし!」
「そ、そっか…」
「チャイナは炒飯炒めてるし!ロシアは酒飲んでるし!」
「兄さん…あ、あのさ…」
「フランスはネイルしてるし!親父は呑気に茶しばいてるし!」
「…兄さん?」
「何だよ…慰めてよカナダぁ…俺しか真面目に話し合いしようとしてなかったんだよぉ…」
十分すぎるくらい、カナダは兄を慰めてやっているはずなのだが。
少々顔を赤らめたカナダの呼びかけに、アメリカはのろのろと顔を上げる。
「さっきからさ…僕の胸に顔ボフボフするの、やめてくれない…?」
「やだ」
「えぇ…」
そう、先程からアメリカは、カナダの胸筋に向かって顔を打ち付け、その柔らかさを堪能していたのである。
ナチュラルセクハラに、カナダは思わず苦笑した。
「まぁいいけど。兄さん、他の国にはやっちゃ駄目だよ?」
「Don’t worry!カナダくらいの巨乳は、あんまりいねぇからな!」
「僕、男なんだけど」
相変わらずカナダの胸元に顔を擦り寄せながら、アメリカは幸せそうな顔をした。
「スウェーデン、ブラジル、ドイツ、フランス、インド、トルコ、スペイン、イタリア…あとロシアくらいだな!」
「ライバル多いんだけど!?」
兄が自分の知らないところで、他の男とこうしてくっついているかもしれない… カナダは、心配と焦燥を募らせる。
「まあ、カナダが一番だな!」
「兄さん…!」
ぐっとサムズアップしたアメリカに、カナダは感激で胸がいっぱいになった。
この兄弟は何をしているのか─それは、考えてはいけないのである。
「僕も兄さんが一番──!」
「あ、このパンケーキうめぇ!」
「…切り替えが早すぎる」
せっかく、感動の告白シーンが訪れるはずだったのに。
天衣無縫、自由奔放、自己中心なアメリカは、いつの間にかカトラリーを手に、パンケーキを頬張っている。
「まあ…可愛いからいいか…」
「?カナダ、やっぱ天才だな!俺、これを食うために生まれてきたんだな!」
「ふふ…言い過ぎだよ、兄さん」
こうしていつも、カナダは兄に絆されてしまう。
(ああ…好きだなぁ…)
なんて、思ってしまうから。
カナダはきっと、恋とかいう重くて甘い病にかかっているのだろう。
「ガチの病になった…」
次の日カナダは、熱を出した。
恋の病とかいう比喩表現ではない、ウイルスによる普通の風邪である。
ピピ、という電子音とともに体温計を引き抜いたカナダは、表示された数字に顔をしかめる。
「100.4°F…一晩寝れば治るか…」
案ずることなかれ、カナダは華氏度の国である。
日本で言うところの、38度前後と言えよう。
平熱が37℃と高いカナダにとっては、微熱に近いものである。
「…風邪については心配ないんだけどね」
カナダが心配しているのは、自分の体ではない。
けたたましい音ともに、バタバタと喧しい足音が聴こえてきて、カナダはやっぱり…と嘆息した。
「かなだぁぁああぁぁあぁぁあああ〜〜〜ッ!」
「兄さん…落ち着いて」
「いやだぁあぁああっ!死なないでぇぇぇっ!」
「死なないから。ただの熱だから」
マスクをつけて横たわるカナダに向かって、アメリカはすがりつく。
カナダの懸念はこれだ─アメリカが、ピィピィと泣き叫ぶのではないか、というもの。
「カナダッ!カナダがいなくなったら!俺生きていけないぃぃぃ!!」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど…」
「Our Father in heaven, deliver us from evil…Amen!!!」
「だから死なないから。祈らないで」
十字を切ったアメリカを、カナダはやれやれとなだめる。
が、その顔は満更でもなさそうだ。
「救急車!新薬開発!」
「うん、待って?」
「ワクチン!世界中の医師をかき集める!」
「うん、だから待って?」
単なる風邪に、世界最高峰の技術を投入するとか頭おかしいだろ、とカナダは思った。
しかし放置しておくと、この兄は本当にやりかねない。
自分の発熱によって、世界中の医療機関が麻痺するなんて事態は避けねばならない。
「ただの風邪だから…寝てれば治るよ」
「そ、そうか…でも、取り敢えず薬飲んでくれ」
慌てふためいていたアメリカだが、ちゃんと薬と水を持ってきてくれたらしい。
ありがと、とグラスと錠剤を受け取ったカナダは、こくんと解熱剤を飲み込んだ。
「僕、ちょっと寝るね…兄さん、感染らないように離れててね…」
「う…わかったよ…」
カナダに四六時中付き添う気満々だったアメリカは、小さく呻いたあと、しぶしぶ頷いた。
アメリカが立ち上がったのを見届けて、カナダはそっと目を閉じる。
「お大事に、カナダ」
「ん…」
するり、と頭を撫でられる。
その温もりを感じながら、カナダは意識を手放した。
優しい香りがする。
どこか懐かしいような、優しい香り。
「…にい…さん…?」
「お、起きたか!熱はどうだ?」
ゆるゆると目を開けたカナダ。
ベッドサイドにはアメリカがいて、彼は目覚めたカナダの額にピタリと手を当てた。
「うーん…まだ高いな…腹は?空いてるか?」
「うん…おなかすいた」
「スープ作ったんだが、食べられるか?」
見ると、側には湯気を立てるスープが置かれている。
例の匂いは、 このスープからだったようだ。
「兄さんが作ってくれたの?ありがと!」
「ふふん、すごいだろ!」
小さく切って、くたくたに煮こまれた野菜とチキンがたっぷり入ったトマトスープ。
アメリカで、”おばあちゃんの治療法”と呼ばれ、風邪を治すといわれている伝統的な療養食──チキンスープである。
「はい、あーん」
「ちょ…///自分で食べられるって!」
スプーンで掬ったスープを、アメリカはカナダの口元に運んだ。
ご丁寧に、ちゃんとふーふーして程よく冷ましてくれている。
頬を赤らめたカナダは、スプーンを受け取ろうと手を伸ばす、が。
「たまにはいいだろ?はい、あーん」
「いや、その…恥ずかしいから…!」
「お兄ちゃんに甘えてくれよ!はい、あーん」
「僕の話聞く気ないよね!?」
「はい、あーん」
「むぅ…」
カナダは、アメリカの有無を言わせぬ笑顔に、仕方なく口を開いた。
チキンと野菜のコクと甘みが、腹と心を優しく満たしてくれる。
鼻腔をくすぐるその香りに、カナダはふと、幼い頃を思い出した。
(ああそうか…兄さん、僕が小さい頃熱を出すとよく、 このスープを作ってくれたっけ…)
だから何だか、懐かしい気持ちになったのか。
アメリカのチキンスープは、カナダにとっての”おふくろの味”のようなものだ。
(父さんの料理は…あれは料理じゃない、災害だからなぁ…)
かなり昔のことになるが、まだ米英加が一緒に住んでいた頃。
風邪っ引きカナダに、スターゲイジーパイとうなぎゼリーを勧めたイギリスは、アメリカにタコ殴りにされ、以後、看病禁止を言い渡された。
閑話休題。
「…おいしい」
「そりゃよかった♡」
によによと嬉しそうにニヤけるアメリカと、頬を上気させてむくれるカナダ。
カナダを存分に可愛がりたいアメリカは、カナダが完食するまでそれを続ける。
「いっぱい食べたな!えらいぞ〜」
「もう!子供扱いしないでよ!」
「Sorry, sorry!」
あっという間に、スープ皿は空になる。
頬を膨らませたカナダのことが、アメリカは愛おしくてたまらない。
ぽんぽんと頭を撫でてやると、カナダはゆっくりと瞬きをした。
「眠いか?寝とけ、そしたら治るさ」
「う…ん…」
微笑むアメリカに安堵したのか、カナダはうつらうつらと船を漕ぎ始める。
が、居座る気満々の兄に、これだけは言っておかねばと釘を差した。
「かぜ…うつるから…」
「え〜!一緒にいたいんだけど!」
「だめ」
唇を尖らせたアメリカは次の瞬間、良いことを思いついたとでも言うように、にやりと笑う。
そして、カナダが付けていたマスクをずり下げた。
「じゃあ、最後にこれだけ♡」
「ちょ、にいさん──!?」
──ちゅっ♡
軽やかなリップ音とともに、アメリカとカナダの唇が触れ合って、離れていく。
キスされた、と気付いた時には、もう遅かった。
「…ばかでしょ…///」
「風邪は他人に移したほうが、早く治るとか言うだろ?」
「だからそれが馬鹿なのっ!」
兄弟なのに、とか。
風邪を引いているのに、とか。
粘膜接触だから絶対移るのに、とか。
様々な懸念が渦巻くが、何よりもカナダの頭の中を占めていたのは。
「──僕からしたかったのに!!」
「え?」
「あ」
大好きな兄へなら、自分から、ちゃんとしたところで、ちゃんとキスしたかったのに。
そんなカナダの心の内が漏れて、アメリカは驚いたように目を瞬いた。
「うぅ〜ッ///…なんでもないっ!」
「カナダ!頼む!もう一回言ってくれ!」
「やだ!」
カナダはポフンと赤くなった。
もぞもぞと毛布に包まって、赤い顔を隠す。
頬が熱いのは、熱のせいだけではないだろう。
「ゆっくりお休み、カナダ」
優しい声に、また、カナダは絆されてしまう。
(ああ…好きだなぁ…)
なんて、思ってしまうから。
カナダはきっと、恋とかいう重くて甘い病にかかっているのだろう。
後日。
「かなだぁぁぁ!つらいよぉ…!ちゅーして!」
「兄さん…だから言ったのに…」
カナダにキスをしたアメリカは、やはり熱を出して寝込んでいた。
やれやれとため息をついたカナダは、どうしようもない兄を、甲斐甲斐しく世話をする。
「つらいぃ…ちゅーして…かなだぁ…」
べそべそと泣くアメリカに、ブラコンを極めた甘々カナダは。
「…ばかでしょ…///」
キスをしたとか、してないとか。
ありがとうございました。
カナダ✕アメリカのはずが、攻守逆転しているかもしれません…リクエストにお答えできていますかしら…?
一応、 カナダ→→→→→→→→←←←アメリカ
アメリカの愛は無自覚ですが、カナダは自覚した上で、結構重いアメリカの愛を上回るブラコンですの。
カナダの方は、正月など特別な日にもパンケーキを召し上がるそうですわ。
じゃんぬの母の留学話によると、It’s very very tradition!!!と言われて、正月にパンケーキが出てきたようです。
伝統とは…と母は遠い目をしておりました。
アメリカのチキンスープ、実際にスーパーで売っていましたわ。
ジャンクフードの国ですので、風邪の時もポテト食べてるのかしら…と思っておりましたの。
一方、アジア圏はフィリピンも中国も日本も、風邪の時はお粥だそうですわ。
イギリスは調べたところ、風邪だろうが何だろうが、普段の食事となるべく同じものを食べる、そうです。本当ですか…?強すぎますわね…。
素敵なリクエスト、ありがとうございました!
それではまた、ごきげんよう〜!