テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝・宿舎
テストが終わって間もなく、
〇〇は大きなキャリーケースを廊下に出していた。
制服ではなく、
動きやすいスウェットとパーカー。
TREASUREのマネージャーとして、
今日から本格的にツアーに帯同する。
初めての、ファンミーティング。
初めての、海外同行。
〇〇 ( …大丈夫、大丈夫、ちゃんと準備したし、落ち着いて動けば)
車の中では、
ジョンファンがテンション高めに新しいゲームの話をしていて、
ハルトは後部座席でイヤホンをして鼻歌、
朝光は静かに空を見ている。
〇〇は助手席で、持ち物チェックリストをもう一度確認していた。
ヒョンソク 「〇〇、パスポート確認した?」
〇〇「あっ、はい!さっきバッグに入れました!」
ジフン「初めての海外ツアー、緊張してる?」
〇〇 「はい…でも、皆さんについていけるように頑張ります」
空港
エスカレーターを降りると、
そこにはファンであふれたロビーが広がっていた。
スマホ、カメラ、ボード。
至るところに「TREASURE」の名前が見える。
マネ 「じゃあ、このルートで行くよ。落ち着いて。」
マネ 「俺はTREASUREの前にいるから〇〇はTREASUREの後ろね」
〇〇 「はい!」
TREASUREと一緒に歩く。
カメラのシャッター音、ファンの声、
スタッフの呼びかけ。
周りの熱気にのまれないように、
〇〇はただ前を見て歩く。
だけど、ふとした瞬間――
💎 「え、誰あの子?高校生?」
💎 「マネージャーってより、女の子が歩いてるだけじゃん」
💎 「なにあいつ、ずる…」
…耳に入る。心に突き刺さる。
〇〇 (…気にしない。気にしないって決めたのに。)
ハルトは後ろにいる〇〇に気づいて、少しだけ体を寄せた。
ハルト 「なー、大丈夫か?」
〇〇 「はい、大丈夫ですよ!ㅎ」
〇〇はすぐ笑顔にしてハルトに言った
ハルト 「…無理すんなよ」
〇〇はうなずいたけど、気づいていた。
出国ゲート前
スタッフが全員のパスポートと航空券を確認し、順に出国手続きを進める。
朝光 「〇〇、並ぶとき俺の後ろな。迷ったらあかんで」
〇〇 「うん…ありがとう」
朝光の背中を見ながら並んでいると、
ふとまた誰かの声が耳に入ってくる。
💎「後ろの子、細すぎじゃない?何あれ…」
少しだけ胸が締めつけられる。
でも、その瞬間。
目の前の朝光が、
少しだけ後ろを振り返って、ひと言。
朝光 「大丈夫や。お前は、ちゃんと見とる人がここにおる」
その声に、心がすこしだけあたたかくなった。
ホテル
チェックインを終え、
荷物を置いた〇〇は椅子に座って
スマホを手に取る。
〇〇と同じ部屋の人はハルト、ジョンウ、ジョンファンのマンネ組。
〇〇:(…少しだけならエゴサ…)
🔍 「TREASURE 空港」
🔍 「TREASURE 女 」
出てくるのは、
やっぱりあの時聞こえた声と同じような言葉たち。
〇〇 (…やっぱ、私なんかがここにいていいのかな…)
その時、バサッとカーテンを閉める音とともに、ハルトが背後から声をかけた。
ハルト 「エゴサ、禁止。〇〇、それ見たら絶対元気なくなるやろ?」
〇〇 「え…見てたんですか?」
ハルト 「見てた。てか、顔に出すぎ。オレでも気づくわ」
〇〇 「…ごめんなさい、なんか気になっちゃって」
ハルト 「気になるよな、そりゃ。でもさ、〇〇が頑張ってるの、俺らちゃんと見てるし」
〇〇 「……」
ハルト 「あと、ファンに何言われても、俺は味方やけん。」
〇〇 「ありがとうございます、ハルトさん」
ハルト 「敬語じゃなくてもいいんだけどな笑」
そこへジョンウとジョンファンがバタバタ入ってくる。
ジョンファン 「うわ〜!ベッドふかふか!」
ジョンウ 「やば、明日朝ちゃんと起きれるかな…」
ハルト:「うるさいって、〇〇疲れとるやろ、静かにせえや。」
ジョンファン:「あ、ごめん!」
〇〇:「大丈夫ですㅎ…ありがとうございます」
♡20