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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第4章 『学びの場は謎だらけ?』
〜謎に包まれた失踪事件〜
第3話 お茶会への招待状
ナイトヴァイオレット寮
『2人に話しておきたいことがあるの。ジュアーさん。ミルキーさん。』
『改まってどうしたの?』
『何か大事な話をするのかしら。』
『えぇ。私は、この学園で起きてる失踪事件を解決するために中央の大地の当主、フィンレイ・グロバナー様に頼まれて来た探偵なの。』
『『……!』』
『そして、貴方達2人は今回狙われてる対象の1人で…私たちは貴方達を護衛するわ。もう、これ以上被害者を増やしたくないの。』
『麻里衣ちゃんが探偵?』
『ってことは、百合菜もそのために来たってことなの?』
『えぇ。黙っていてごめんなさい。』
『『……。』』
(突然のことすぎて驚いてるのは当たり前よね。どうしよう、嫌われてしまったら。)
『『かっこいい…。』』
『え?』
『麻里衣ちゃん探偵なの?ってことは今まで事件を何個も解決してきたの!?』
『え、えぇ…』
『強いだけじゃなく頭脳明晰だなんて…びっくりだわ。』
『え、2人ともそれだけなの?』
『え?うん。』
『怒ってない?』
『なんで怒るの?私達を守るために来てくれたのよね?』
『それは、そうだけど…』
『怒るわけないよ。私達もう友達でしょ?』
『ジュアーさんミルキーさん…』
『というか、もうさん付けじゃなくていいわ。気軽に呼んで、ね?』
『うん!真面目なところも好きだけど、もっと仲良くなりたいもん!』
『2人とも…分かったわ。ジュアー、ミルキー。よろしくね。必ず2人のことを守るわ。』
(良かった…。これで、後は生徒会長から
話を聞ければ――。)
コンコンッ!
『麻里衣さん!今よろしいですか?』
『フェネス?』
ガチャッ。
『あ、すみません。ご友人と一緒でしたか。』
『大丈夫よ。2人にはもう話したから。私が探偵であること。その方が安心だから。それで、どうしたの?フェネス。まさか、生徒会長のことでなにか…』
『はい。彼女の経歴に書いてあったんです。生徒会長フルーワ・リリナさんには空白の年が存在しています。』
『空白の…年?』
『はい、この学園に入学する前のことが書かれていないんです。それで俺気になってこの学園に入学する前のことを調べてみたんです。図書室にある新聞を読み漁り、そして空白の年と同じ同年の新聞を見たら――。 』
俺は新聞を渡す。
『××××年 女性殺人鬼が1つの街を一夜にして惨殺?狙われたのは美人の女性ばかり。男性は皆殺しにし、女性は誘拐され数ヶ月後、全身の血が抜かれた状態で発見…後にこれは『ヴァンパイア事件』と名付けられた…?』
『フェネス、これって……。』
『はい…空白の年と同年に起きた事件なんです。これが、生徒会長のことを表しているのなら――。』
『……。フェネス、ありがとう。今日はもう遅いから明日また話し合いましょう。その話を他のみんなにも共有しておいて。』
『は、はい!』
次の日――。
教室にて。
ネクロダリア寮
『百合菜。貴方のお姉さん凄い人ね。』
『お姉ちゃんのこと聞いたの?探偵だってこと。』
『えぇ。昨日話を聞いたの。生徒会長が怪しいってことも…。』
『隠しててごめんね。ジュアーちゃん。』
『いいのよ。寧ろ、もっと2人と仲良くなれるし、嬉しいわ。』
『ジュアーちゃん…。』
『ふふっ。』
ふたりでニコニコと微笑み合う。
同時刻
『おはよう麻里衣ちゃん!』
『おはよう、ミルキー。今日も元気ね。 』
『私はいつも元気だよ!』
ミルキーは私に抱きつく。
『ふふ、甘えたさんね。』
その頭を撫でる。
教員室
『なるほど、つまり生徒会長が犯人であると。』
『フェネスの話から察するに空白の年とその事件が一致していて、ヴァンパイア事件を起こしたのがその生徒会長なんだな。』
『うん。』
『律さんの言う通りだったということか。
美しい女子生徒ばかり狙う…か。』
『失踪した生徒も美しい女子生徒の4人です。今回狙われてるのも主様2人とジュアーさんとミルキーさん。この4人を私たちで護衛すればいいのですね。』
『あぁ。生憎ジュアーさん、ミルキーさんは主様2人と同じ寮で同室だから1人になることはまずないだろう。』
『心配なのはその生徒会長がいつ招待状見渡してくるか、だな。』
『そうですね…もしかしたらもう…。』
『そうなる前に我々が止めるだけだ。』
食堂にて。
今日から私たちは4人で行動することになった。
食堂でお昼ご飯を食べていたら――。
『きゃー!生徒会長よ!』
『側近のグルーア様も御一緒にいるわ!かっこいいわ…♡』
『生徒会長とその側近…。』
『グルーア・スロック。生徒会長の側近だ。今回の事件に関与してるかもしれねぇ。』
近くにいるボスキがそう呟く。
コツコツ…。
『ごきげんよう。麻里衣さん。』
『え、お姉ちゃん…?』
『…。ごきげんよう、生徒会長。』
『ふふっ。よければ一緒にお昼を食べませんか?ここは騒がしいですから、生徒会室にでも。』
『……。』
私は黙って席を立つ。
ガシッ!
『……ボソッ。行っちゃ、ダメ。』
『百合菜……。』
百合菜とミルキー、ジュアーの視線が私に刺さる。
『ボソッ。大丈夫。私なら平気よ。』
私は百合菜の手を振りほどき、返事をする。
『お誘い頂き光栄です。私もずっとお話したかったんです。』
『ふふ、では行きましょうか。』
私は生徒会長について行く。
生徒会室
『どうぞ、口に合うといいのだけど。』
『えぇ、ありがとうございます。』
私は席に座る。
(このチャンスを逃せない。私の読心で心を見抜く。)
私はハンカチを床に落とす。
『あら、いけない…。』
ハンカチを拾おうと下にしゃがみわざとテーブルに頭をぶつける。
ごつんっ!
『いたっ…。』
その衝撃で、水の入ったグラスが倒れ私の顔にかかる。
『あらあら、大丈夫ですの?』
『ご心配なく、私ったらドジで…』
私は眼帯を外す。
『あら、その瞳…』
『すみません、お目汚しを。生まれつきのものですから。』
『いいえ。そんなことないわ。とても美しいわね。』
異能の力で心の中を迷うとしたらどす黒い、血が混じった様なオーラを身にまとっていた。
ゾクリッ…。
(なんなの…?この悪寒は…こんなオーラ、初めて見た…っ。)
《あぁ、妬ましい。こんな瞳を抱えているのに私と並ぶほどの美しさを持っているなんて…。貴方の美しさなんて、私が壊してあげるわ。私のかわいいコレクションに加えてあげるわ。》
『……っ。』
『どうかしましたか?顔色が優れないようだけど。』
『いえ、ご心配なく。ところで、生徒会長。
最近この学園で失踪事件があるのはご存知ですよね。』
『…えぇ。もちろん。生徒会長ですから。いなくなった生徒のことが心配ですわ。』
《ふふ、失踪した4人のことを案じているのね。ふふ、無駄よ。あの4人はもう私が殺したもの。ふふ、私の美しさの糧に慣れてきっと喜んでるわ。》
『……っ!!』
(許せない…っ。その為だけに罪のない人の命を弄んで…っ。)
『…生徒会長は本当に美しいですね。』
ピクっ。
『……いきなりどうしましたか?』
『ふふ、いえ、ただ…。その美しさはどこから来てるのかなと。』
『クスッ。 教えて差し上げましょうか?』
『…いいえ。結構です。』
私は席を立ち生徒会室を後にしようとする。
『生徒会長。私は、心まで醜くはなりたくありませんから。』
バタンッ。
私は生徒会室を出る。
『…グルーア、今、なんと言ったのかしら。』
『心まで醜くなりたくはない、と。』
『私が、醜い…?』
ガッシャーンっ!!
私はテーブルの食器を薙ぎ倒す。
『許せない、許せない……っ!!私が醜い!?この学園で、いいえ、この世界で美しいのは私よ!!後悔させてやるわこの私を醜いと言ったこと……っ!!グルーア!!』
『かしこまりました。リリナ様。』
私はお辞儀をする。
コツコツ……。
『ぅ…!!』
いつもの副作用が私を襲う。
『あぁ、あああ……っ!!』
私は廊下に倒れ込み魘される。
『麻里衣さん!』
アモンが私に駆け寄ってくる。
『あ、あも、…』
『主様が生徒会長に呼ばれたってボスキさんから聞いて…っ。』
『大丈夫、少し…読心し過ぎただけ…あんな、あんなどす黒いオーラは初めてよ…あれは、人を殺してる影よ、あんな、うぅ…。』
俺は主様をお姫様抱っこする。
『寮に戻るっすよ。』
『っ、ジュアーとミルキーが…』
『あの二人はロノとラムリとユーハンさんが見てくれてるっす。少し休んだ方がいいっすよ。この学園に来てから働きっぱなしっすよ。』
『っ……。』
ナイトヴァイオレット寮
『少し休めば平気よ…。アモン、私は平気。それより、ジュアーとミルキーのことを…
『主様…。』
『お願い…』
『っ…分かったっす。その代わり無理しちゃだめッスからね。』
『えぇ…。』
アモンは私の部屋を出ていく。
『はぁ…いけない、眠気、が…。』
私は目を閉じて眠ってしまう。
そして、2人に毒牙が舞い降りてしまう――。
各教室にて。
ネクロダリア寮
『嘘…。これ…っ。』
机に置いてあったのはお茶会への招待状。
同時刻。
ナイトヴァイオレット寮
『そんな…っ。』
ジュアーとミルキーにお茶会への招待状が届いてしまった。
『ネクロダリア寮 ジュアー・サノアさん
今夜私のお茶会へ招待します。
19時にあの部屋へ。』
『ナイトヴァイオレット寮 アリアン・ミルキーさん
今夜私のお茶会への招待します。
19時にあの部屋へ。』
『『……。』』
私達は招待状を握り締める。
分かっていた。私達が狙われてると知った時から。招待状が届くこと。麻里衣\麻里衣ちゃんに言ったら止められるだろうな…。でも、手出しさせないだ私の友達は私自身で守る。
この連鎖は私達で終わり。
私は紙とペンを出して最期の手紙を書く。
『『どうか――許してね。2人共。』』
翌朝――。
中庭に棺が並べられていた。
――6つ。
『『はぁ、はぁ…っ。』』
私と百合菜は中庭へ走って向かう。
そこには沢山の生徒とみんながいた。
『麻里衣さん、百合菜さん――』執事一同
『嘘、よね…?』
『そんな、まさか…っ。』
一つ一つ棺を開けていく。
『左から…最初に失踪した4人…。マリーズ・コロアさん。ズーザン・ユミーレさん。ババロア・トゥルーナさん。イエーラ・ルイナスさんです。そして、この2つは――。』
『『……。』』
ルカスは口を噤む。
4人は全身の血を抜かれた状態だった。
『嫌、嘘よ、そんな訳ないわ。』
『そう、だよね。違うよね。』
私達は自分たちに言い聞かせ、棺を開ける。
その中には、オレンジ色の制服の生徒と紫の色の制服を身にまとった女子生徒が入っていた。
『あ、あああ……っ!』
『そんな、いや、なんで…っ。』
『『いやぁぁぁぁ!!』』
劈くような、叫び声が学園内に響いた。
次回
第4話 絶望
天樹
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