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あの日以来、彼とは会えていない
怪我をして俺が動けなかったと言う理由もある。
傷も深く治るのにもだいぶ時間がかかった
その間は時間だけが過ぎていくようだった
そうこうしているうちに、
入っている学校で高等部になった
学校に行く理由なんてとくに俺には無かった
行ったとしても、学校の勉強は俺が幼い頃にひたすらやらされたような物ばかりだったから
それでも、新学期でクラス表だけを見に行く
その日は、噎せ返るほどに天気がよくて
学校の周辺にある桜の木は狂ったように咲き 乱れていた。
クラス表の前では沢山の人盛りができている
皆はしゃいでいるのかいつもより声が五月蝿く、耳障りであった
すぐにクラスも確認できた
こんなにつまらないところ さっさと帰ろうとさえ思っていた
彼の名前を見つけるまでは
自分の、名前を見つけるよりも先に目に入ってきたような気がする。
srh「四季、凪……、……、アキ…ら」
紛れもないその名前を口ずさむ
??「私は2組ですか…」
間違えることのない、
ずっと脳裏にこびりついていた声が聞こえ
俺は振り返る
渡された写真のように
真っ黒で綺麗な黒髪
紫掛かった青い瞳に眼鏡をかけている
その時のことは今でもずっと覚えている。