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公認心理師として働く滉斗は、その鋭い分析力と、誰よりも「痛み」に敏感な心を隠し持つ「心の守護神」として、専門機関やクリニックで活躍しています。
かつて、元貴のわずかな表情の変化を見逃さなかったあの観察眼は、今や多くの相談者を救うプロの技術へと昇華されました。
滉斗の仕事場は、静謐で落ち着いた空間。そこに座る彼は、かつての尖った空気を感じさせない、静かな威厳を纏っています。
彼は相談者が話し始めるのを急かしません。「沈黙もまた言葉である」という信念のもと、相手が自分の心と向き合えるまで、揺らぐことなく待ち続けます。その圧倒的な安定感は、不安を抱える相談者にとって最大の「安全基地」となっています。
状況を論理的に整理し、具体的な解決策を提示するのが得意です。しかし、最後には必ず「あなたが今、ここにいることが何より大切だ」という、元貴との歩みの中で確信した「存在肯定」を添えることを忘れません。
元貴や涼架との経験から、子どもや若者の心理には特に精通しています。「大人を信用できない」と心を閉ざす少年も、滉斗の嘘のない真っ直ぐな瞳には、少しずつ本音を漏らすようになります。
同僚や医師たちからは「若井先生」と呼ばれ、非常に高い信頼を得ています。
支援員である元貴や、保育士である涼架が直面するような現場の課題も、理論的に裏付け、学校や行政と連携する際のアドバイザーとしても重宝されています。
仕事中は非常にストイックですが、定時になると「……今日は元貴がカレーを作っている」と言い残して、誰よりも早く退勤することでも有名。私生活を何より優先する姿勢は、逆に「燃え尽きないためのプロの自己管理」として一目置かれています。
滉斗にとって、この仕事は「元貴を愛すること」から地続きの場所にあります。
「俺は、世界を変えたいわけじゃない。ただ、誰かにとっての『失いたくない人』が、その人の隣にい続けられるように手伝いたいだけだ」
難解な症例や重い相談が続き、精神的に疲弊した日は、一軒家に帰ってからの時間が彼の「自己治療」になります。
玄関で元貴の顔を見た瞬間、プロの顔から「一人の男」の顔に戻ります。元貴の淹れるハーブティーの香りと、その柔らかな体温だけが、彼の心をフラットな状態にリセットしてくれます。
「今日、園でこういう子がいて……」と話す涼架に、専門家の視点から「それは防衛機制の一種かもな」とボソッと助言する時間は、彼にとって大切なアウトプットの時間でもあります。
彼は今日も誰かの心に深く潜り、暗闇の中に光を見つける手助けをしています。
このお話も、終わったら、短編集にしようかな
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コメント
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若井さんもっくんを愛していることはないのめっちゃいい!! 終わりまで見続けます!