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門の前にできた長い列に並び、緊張しながら順番を待つ。列の両脇には等間隔に騎士が立っている。そして並んでる人々を注意深く観察している。ていうか、騎士の数が増えてる! ええっ、なんで?なんでこんな大事になってんの?もしかして金髪赤目って俺のことじゃなくて、他の金髪赤目の人が悪いことしたの?でも母さんが「金髪だけや赤い瞳だけの人はたくさんいるけれど、金髪赤目は私たちの一族にしか生まれないのよ」と言ってたから、俺の他にはいないはず…。だって一族がバラバラになる前の村の中でも、金髪赤目は俺だけだった。だから村の人たちも「リオは神様に選ばれた唯一の尊い存在だ」と可愛がってくれてたし。

「えー…どういうこと」と悶々と悩んでいたら、リオの順番が来た。

役人に通行証を見せて、名前と隣の州へ行く目的を言う。リオはいつもの如く天涯孤独の哀れな少年の顔をして、「国中を放浪しながら時々仕事をもらって暮らしてる」と消え入りそうな声で話した。

案の定、対応してくれた役人が同情する目をして通行証から手を離す。


「そうか…気をつけろよ。もし何か困ったことがあれば、遠慮せずに近くの役所に行くんだぞ。必ず助けてくれるからな」

「はい…ありがとうございます」


リオは深く頭を下げると、役人の横を通り過ぎようとした。その時、役人が「あっ」と声を上げたので、心臓が止まるかと思うくらい驚いた。

ゆっくりと振り返ると、役人が憐憫の感情そのままに眉を下げて言う。


「おまえが今から行く州には狼領主と呼ばれる怖いお方がいる。役人や騎士は大丈夫だろうが、狼領主には気をつけてな。まあ会うこともないだろうが」

「はい、気をつけます」


もう一度頭を下げて、今度こそ門を抜ける。無事に隣の州に入れたことで安堵したリオは、暑苦しいフードを取り軽やかな足取りで先を急ぐ人波に紛れ込んだ。

この時のリオは、すごく浮き足立っていた。油断もしていた。だから抜けてきた門の向こう側で、一人の騎士が、馬上からリオに向けている視線に気づけなかった。

重苦しい空間から解放されて、大きく深呼吸をする。そして鞄からアンを抱き上げると、黒い鼻先に自身の鼻をつけた。


「無事に通れて良かったな。今夜は美味しい飯を食べさせてやるぞ」

「アン!」


アンが長い舌でリオの鼻を舐める。

リオは笑ってアンを見ていたけど、ふと首を傾けた。


「アン…おまえ、ちっとも大きくならないな。あんなに飯を食べてるのに」


アンもリオと同じ様に首を傾ける。

その可愛い姿に笑いながら、まあそのうち大きくなるだろうと軽く考え、次の街へと向かった。

狼領主は俺を抱いて眠りたい

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